2014年8月31日日曜日

山間部 4

標高500mほどまで下った。
埔里という大きめの街で、イーリンの友人宅に泊めさせてもらった。

台湾に限らず、アジアの東側全般でそうなのかもしれないが、自炊する習慣はあまりないようで、朝昼晩ともに家ではなく外食がふつうのようだ。
このイーリンの友人にも、何軒もの店に連れて行ってもらった。
僕よりはるかに年下で、そして女性なので、まさかおごってもらうなんて、男としてあってはならない恥ずべきことなのだが・・・うん、ごちそうになってしまいました。
あまり迷惑はかけられないので、1泊だけして、そそくさと出発。



台湾が沖縄のすぐ近くであることを感じさせる。



原住民のタオ族、「伊達」と書くようだが、日本の姓の「伊達」と関係あるのだろうか?


日月潭。








川遊び。






どこへ行っても台湾人はフレンドリーに接してくれる。
そして英語も上手。



台湾最高峰は、富士山よりも高い玉山(3952m)。
この辺から見えるらしいが、あれだろうか。

確証はない、違うかもしれない。

亮のブドウ?


「亮」は日本語では人名でしか使われないが、中国語では「明るい」とか「光」という意味で、看板などでもよく見かける。
発音は「リャン」。
「リョウ」という発音は中国語にも存在しないようで、日本語を話せるリーさんやイーリンは正確に発音できるが、そうでない人はうまく発音できず、僕を「リャンさん」と呼んだりする。



また長い登り。




ここは武嶺と違って交通量は少ないが、それでもすれ違う車が激励してくれる。





午後になると曇ってきて、夕方に雨が降るパターンになってきた。





標高2500m。
この辺は登山道の入り口で、パーキングやトイレが点在している。

手持ちの食料がもうなかったので、ビジターセンターに併設されているレストランに入った。
定食一人前190元(661円)。
高い、でもウマイ。
全然足りないので、追加でもう一人前。
店のおばさんがちょっと驚いていたが、正直、二人前食べても全然足りないのよ。

雨の中、寝場所を探す。
すれ違う登山客が、僕に「加油!」、「ガンバッテクダサイ!」と言ってパンをくれたりする。
こういうことされると泣きそうになる。

広々としたパーキングにはきれいなトイレもあり、この敷地の片隅にテントを張ろう、と決めた。
しかし、これも日本と似ているのだが、「~禁止」、「~禁止」、とさまざまな禁止事項が書かれており、その中に「キャンプ禁止」のマークもあった。

雨がやんで日が沈んだら、目立たないところに速やかにテントを張ってしまおう、と企んでいた。
そのタイミングを見計らっている間、次々に人が話しかけてくる。
日本語が達者なおじさんが話しかけてきた。
「ここにテントを張って大丈夫ですかね?」と聞いたら、
「ダイジョブ! ダイジョブ! 私たちも今日はここで車の中で寝ますから。」
たしかに、この時間にこれだけズラッと車が駐車して居座っているということは、ここでキャンプするのもそれほどけしからんことだとは思えない。

それを聞いて安心して、目立つところに張ってしまった。


後ほど関係者っぽい人がやってきて、「明日の朝7時までには片付けるように」ということで許可しれくれた。

日本語で話しかけてきた呉さん夫妻は、もう一組、同じ名前の呉さん夫妻とともに旅行している。
日本語を話せない方の呉さん夫妻が、今から晩飯をつくるからぜひ一緒に食べよう、とお誘いしてくれた。



日本語を話せない方の呉さんは、しきりに「ライライライ」と言って勧めてくる。
きっと「どうぞ、どうぞ」という意味なのだろう。
では、遠慮なくいただきます。

ウマイ!
つい1時間ほど前に定食二人前とパンを食べた記憶など、もうない。

「おいしい」という日本語はご存知のようで、僕が「おいしい! おいしい!」と言って食べてたら笑って喜んでくれた。



どういうわけか、皆さんほとんど食べようとせず、「ライライライ」と僕に食べさせようとする。
こんな山の中では、誰にとっても食料は貴重、決して欲張ってはいけない。
あ~でももう、箸が止まらない。
結局、ほとんど僕ひとりで平らげてしまった。

しかし、この後勧められた酒がキツかった。
よくわからないがウイスキーのような酒に漢方薬を混ぜているようで、喉が焼けるようにヒリヒリする。
でも断れるような状況ではないので、むせながらチビチビ飲んだ。

「ライライライ!」



物価が安くて安宿が豊富にあるアジアではしばらくホテル泊が続いていたので、こういう野外での人との交流は久しぶりだ。
物価が高くて安宿がないのは決して悪いことではない、こういう思い出ができるから。

でも、親切にしてもらってばかり、ごちそうになってばかりで、それに対して何のお返しもできず、ただ食ってばかりいるだけの自分を情けなく思う。





この後、ダブル呉さん夫婦に連れられて、近くにある山荘に行って無料でシャワーを浴びさせてもらった。

翌朝、日本語を話せる方の呉さん夫婦に朝食をごちそうになってしまった。

ここからまた、ひたすら下り。




幽玄。















Chiayi, Taiwan


2014年8月30日土曜日

山間部 3

標高2000mを超えると、すっかり涼しくなった。


左のあの切れ目が峠かな。




標高3000m。
空が変わってきた。



夏休みということもあり、かなりの交通量。

すれ違う車から何度も、「ジャイヨー!」と聞こえてくる。
最初はこの言葉がわからなかったけど、しばらく考えて、そうか、「加油!」と言ってくれているんだ!
今までずっと「カユ」って読むものだと思ってた。

「シンクーラー!」とも聞こえてくる。
これは「辛苦了!」だ。

中国語を勉強していない僕は、 漢字はある程度読めても発音がまったくわからない。
でも聞いて少し考えただけで、こうやって文字と意味を連想することもできてしまう。

それから日本語で、「ガンバッテー!」とも。

ぜんっぜんしんどくなんかない、余裕だぜ、と笑顔で親指を立ててお返しする。
いやほんとに、声をかけてくれるだけで、疲れなんか吹っ飛ぶよ。



今まで写真は撮ってこなかったが、こんな山道でもサイクリストがたくさんいる。
ただし全員日帰りの台湾人で、荷物を積んでいないロードバイカーたち。
荷物満載の僕をめずらしがって、声をかけてくれるサイクリストも多い。

英語は話せなくても、片言の日本語で声をかけてくれたりする。








先ほど見た切れ目に達したが、峠ではなかったようで、まだまだ登る。

峠はあそこか。


台湾道路最高地、武嶺(標高3275m)に到達。

しかし、あまりに人が多すぎて、とてもいられない。
写真もまともに撮れない。



去年の後半はずっと高地走行をしていたが、今年に入ってからはずっと低地にいるので、さすがに高度順化できていない。
この程度の高度でも、若干息が切れる。



峠の30mほど下に、絶好の野宿ポイント発見!


うまいこと道路から死角になっており、誰からも見られない。

これだけ人の多い峠でも、ここは人目につかず、静か。

夜は5℃ほど。

天の川。

なんか久しぶりだな、こういう感じ。

星空も朝日も、何もかもひとりじめだっ!



朝7時ぐらい。
峠にはすでに人がいたが、何とか写真撮れた。



ちなみに、「ウリン」と読む。







ああ、青空。



後になってわかったことだが、この前日か前々日に、タロウさんがここに到達していたようだ。
ちなみに僕とタロウさんは、まったく同時期にネパールを走行している。
ポカラでもアンナプルナでもカトマンズでも、同時期にそこにいたのだが、会うことはなかった。
カンボジアの和食屋でたまたま会っていなかったら、こうやってニアミスを繰り返しながら、まったく会うことなく終わっていたのかもしれない。
台湾走行でも、お互いの自由を制限しないように、「会えたら会いましょう」って感じで、運に任せている。



思う存分下らせていただきます。

















標高2000mぐらいまで下ると、店や村がポツポツ現れるようになった。

ちょっとランク高めのレストランに、Wi-Fi目的で入った。
やっとネットができる。

ランク高めのレストランも、単独客を前提としていないようで、二人前以上のコース制みたいになっている。
ボリューム的には何人前だろうが食ってやりたいところだが、最低でも300元(1044円)する。
Wi-Fi目的のランチにしては高すぎるので渋っていたら、特別に一人前150元(522円)のメニュー、しかもコーラも込み、でつくってくれた。



Chiayi, Taiwan