2012年8月25日土曜日

ソフィア

ブルガリアに入国。

キュステンディルという街で宿泊。
エアコン付きの個室で25レヴァ(1253円)。

翌日、ホテルのオーナーさんが、「娘が日本のファンで日本語を勉強しているので、ぜひウチに来て話をしてほしい。」と招待してくれた。

右の子がサニー(15歳)。


まさかブルガリアに入っていきなり、自家製ヨーグルトをいただけるとは思ってなかった。

日本の市販ヨーグルトはいろいろな物質が混ざっている感じがするが、これは純粋に「牛乳の味とその発酵による酸味だけ」という感じのシンプルな味わい。

サニーからのプレゼント。


もう1泊します、と言ったら2泊目はタダにしてくれた。

自転車の、フレームとキャリアを接続する部分が折れた。
以前イタリアでリア左が折れ、今回はリア右。
オーナーさんに溶接屋まで連れて行ってもらった。


タダで溶接してくれた。
ブルガリア人は気前がいいな。

夜、サニーと一緒にピアノコンサートへ。


街の小さなホールで、ロシア人のピアニストだそうで。
知っている曲は少なかったが、おそらくロシア系の作曲家の曲が多かったと思う。





サニーの「センパイ」のガビー(16歳)。

コンサートが終わった後、まだたくさんの人が残っている中で、突然「エリーゼのために」を披露した、すごい度胸(?)のある子。

その後、サニーとガビーと数人の友達と、広場で話をした。
皆、英語が上手。
彼女たちの目には、36歳の僕は完全にオッサンに見えるはずだが、友達のように対等に会話が成立してしまっているのが面白かった。
日本語を教えたり、ブルガリア語を教わったり。
日本のアニメやドラマやその主題歌といった話題には、とてもついていけなかった。
平均的な日本人より、彼女たちの方がずっと詳しいのではないだろうか。

いつから日本はこんなに愛されるようになった?
アニメのおかげ?

15~16歳の少女たちと、 ベンチに座って夜遅くまで話をするなんて、日本ではありえない(通報される)。

サニーのお母さんから、チェリーの砂糖漬けみたいなものをもらった。

これはうまい。
ヨーグルトに合いそうだ。



タイヤ交換した。
粘ればまだ使えそうだが、寿命が近づいてくるとパンクが頻発するし、ヨーロッパ走行も終盤でいい区切りなので、交換することにした。
何度も繰り返し絶賛するが、シュワルベのマラソンは、見事にサイクリストの常識を覆してくれた。
マラウイでリニューアルしてから10ヶ月、約13000km。
従来のタイヤの、軽く4~5倍の耐久性。
はっきり言って、スペアタイヤいらない。
マラウイから10ヶ月、毎日スペアタイヤを積んで走り続けてきたのがバカみたいだ。
今はマラソンプラスという、さらにグレードアップしたバージョンも出ているらしい。
ドイツの技術はすごいな。


首都ソフィア。




































旧ユーゴ圏から出て東欧に入ったが、やはり同じ旧共産圏ということで、経済水準は低い。
でも、EU圏内に戻ってきた感はある。
道路が石畳だったり。
見おぼえのあるチェーンスーパーがあったり。
どうでもいい不要な店ばかりが並んで実用的な店をみつけるのに苦労したり。

マケドニア以降、スーパーなどの店内に入る時に「バッグを預けていけ」と言われることが増えてきた。
このバカげたルールは、アフリカの一部や中南米全域で当たり前のように流布している。
僕は個人的にこのルールが大嫌いなので、いちいち警備員と言い合いになる。

「僕がリュックに商品を入れる可能性より、あなたが僕のリュックから物を抜き取る可能性の方がはるかに高い。泥棒はどっちだ? ちょっとは考えてからルールをつくれ。上司にそう伝えておけ。」

かなり失礼な言い方かもしれないが、そもそも客の私物を没収するなんて失礼きわまりないのだから、これぐらいきつく言ってやった方がいいのだ。

さらにバカげたことに、リュックは禁止だが女性のハンドバッグはOKらしい。
女性は財布を服のポケットに入れずにハンドバッグに入れて買い物するから、というのが理由らしいが、あんな口の開いたハンドバッグこそ、かっこうの万引き道具になるではないか。
仮に僕が万引きするとしたら、リュックに商品を入れるなんて、そんな目立つやり方は絶対しない。
まったくアホくさい。

こっちのスーパーにはバッグを入れるロッカーがあるが、どうせスペアキーがあるだろうから、鍵付きのロッカーなんて意味がない。
最も疑うべきは従業員なのだから。
実際に、僕は中米のスーパーで従業員にカメラを盗られた。

大事なものは宿に置いておけばいい、と言われるかもしれないが、ホステルのロッカーに物を入れて出かけたら鍵を開けられてごっそり持って行かれた、という話を何度か聞いたことがある。

滞在しているホステルは、1泊20レヴァ(1003円)。
片言の日本語を話すスタッフがいる。
日本の接客も学んだのではないかと思うぐらい、丁寧に案内してくれた。

日本人の客が非常に多い。
本棚には「地球の歩き方」をはじめ、日本の本がけっこう置いてある。

ここはなんと、朝食だけでなく夕食もフリー。
こんなとこ初めてだ。
メニューはスパゲティ。
4分の1人前ぐらいの微々たる量に見えたので、こっそり何度もおかわりしてやろうとたくらんでいたのだが、まさかの辛口ミートソース。
1杯でギブアップ。
口の中が痛いだけで、うまいのかまずいのか、まったく味を感じない。
スパゲティが辛いなんて、誰が予測できただろうか?
しかも、なんとドリンクがビール。
なぜ、よりによってビール?

・・・ひどい。

結局、その後マックに行くハメになった。
アイスとアップルパイとスプライトで糖分補給。
シュガーが全身に行き渡るのを感じて、復活。

ブルガリアはヨーロッパ最終国。
この後、アジアに突入する。
はたしてアジアにまともな自転車屋があるのかどうか、まったく未知なので、今のうちに消耗パーツを買いだめしておいた。

準備万端、と思ったらキャリアが折れていた。
以前フランスでフロント左が折れ、今回はフロント右。
ドイツはすばらしいタイヤを開発したのに、日本製のキャリアはダメだなあ。
もう疲れたから、次の街で溶接屋を探す。
長期ツーリングでは、溶接屋探しと歯医者探しが日課になる。


Sofia, Bulgariaにて


2012年8月24日金曜日

スコピエ

また暑くなった。















マケドニアに入国。


入国してまもなく、首都スコピエに入国。

また一段とエントロピーが上昇した。
特に市場周辺はカオス的で、茶系の肌の人が多く、ヨーロッパに見えない。

旧ユーゴの紛争は21世紀にまでもつれこんだ。
その最終局面がマケドニア。
人口の64%がマケドニア人、25%がアルバニア人。
このアルバニア人が、コソボに触発されて、アルバニアの人権拡大を求めて政府と衝突した。
21世紀に入ってまでこんなことをしていたわけだから、当然、経済発展から大きく取り残された。

どこの国にも物乞いやストリートチルドレンはいるが、若い男性から親しげに話しかけられて、「ワンダラーくれ」と言われてびっくりした。
ヨーロッパに入ってから、こんなことは一度もなかった。
そしてなぜ、ワンユーロではなくワンダラー?

一見治安は悪そうだが、人々は穏やかだ。
道を尋ねると、親切に教えてくれる。

スコピエ中心地の広場。














まったく歴史を感じさせない真新しい彫像と建築物。
でも、とりあえずデカイので見ごたえがある。
噴水もバリエーション豊かで楽しい。















スコピエは、マザー・テレサの生誕地。






ここでもまた、「ベオグラードで自転車を盗まれた日本人か?」と呼び止められた。
一度目はセルビア人旅行者で、二度目はマケドニア人。
「なんでマケドニア人が知ってるの?」と聞くと、「新聞で見た」と言う。
たしかに、PressやKurirといった、セルビアと同じ新聞がここでも売られている。

マケドニア語は、セルビア語やクロアチア語と同系統のようだ。

ダビデ。


ダビデと同じ敷地内にモスク。




土曜日の夕方にスコピエに着いて、「明日ゆっくり散策しよう」と思って日曜日に出かけたら・・・


クロアチアやセルビアでは、日曜日でも一応街は機能していたが、ここは全滅。
変なところでヨーロッパ的。

ネットカフェは皆無。
「Internet Cafe」と書かれた看板はいくつか発見したが、店の実体がどこにも見あたらない。

まったくやることないので、ホステルで誰かと話でもするしかない。

日系ブラジル人のササキさん。

日本語けっこう上手で、ほぼ日本語で会話した。
ササキさんは、妻子があるにもかかわらず、単独世界一周旅行を何度もしていて、トータルで140ヶ国を旅している。
今回の旅では、北朝鮮やチェルノブイリなども行ったようで、非常に興味深い話が聞けた。

http://www.ontheworld2012.blogspot.com/

辛ラーメンを食べる韓国人のByounghoon。

彼も日本のことをよく知っていて、日本語のフレーズもいくつか知っていて、とても礼儀正しい人だった。
僕は韓国のことはよく知らず、韓国語もまったく知らず、かつ辛いものがまったく食べられないので、ちょっと申し訳ない気分になった。

1泊8ユーロ。
トイレットペーパーは流してはいけない。


























Sofia, Bulgariaにて

Dst. 19856km