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2014年11月18日火曜日

レイキャビク

ストックホルムから飛行機でアイスランドへ。

今回、大幅に荷物を減らした。
いやもう本当に、荷物の超過料金があまりにも容赦なくて、当たり前のようにチケットよりも高い額をふんだくられたりして、多大な痛手となっていた。
もちろん、人からいただいた物や思い出の品などは捨てられないが、使用頻度の低い物や、いざという時にないと困るがそのいざという時はもう来ないだろうとみなされる物は、バシバシ廃棄した。
そしたら今回、なんと超過料金なし、無料で済んだ!
ノルウェー航空の料金体系がゆるかったおかげでもあるが、これでだいぶ助かる。
ただ、シートに持ち込む荷物がけっこう大量なので、棚を占領してしまって他のお客さんには申し訳ない。

オスロ経由で、チケットは€107(15584円)。
乗り継ぎのため、オスロ空港で一夜を明かした。
一晩すごすからには何か飲み食いしなければならないし、それにノルウェークローネが余っていたので使い切る必要もあった。
キヨスクで売っている、ハムとチーズが入っているだけのバゲットサンドイッチ(温めてくれるとか、そういうサービスはないので冷たくて味気ない)が62クローネ(1068円)。
コーラ500mlが29クローネ(499円)。
セルフサービスのコーヒー小カップが20クローネ(345円)。
ここは富士山の山頂か。

アイスランドに到着。


アイスランドについて。

スカンジナビアとグリーンランドの中間に浮かぶ極北の孤島。
ユーラシアプレートと北米プレートの境界上に位置する火山島で、数多くの火山、温泉、間欠泉が存在する。

一部は北極圏だが、メキシコ湾からやって来る暖流の影響により、高緯度にしては温暖な気候で、冬でも日本の秋田県と同じ程度の寒さ。
よく言われるように、 氷に覆われた極寒の「グリーンランド」、意外に温暖な「アイスランド」、とネーミングと実情が逆のようである。

面積は北海道+四国ほど、人口は32万人で中野区と同じぐらい、人口密度は3人/k㎡。

9~10世紀にノルウェー人やケルト人が移住したのが始まりで、それ以前は無人島であった。
11世紀からノルウェーとデンマークが支配し、1944年に独立。

金融立国であるため、2008年の世界金融危機の影響を強く受けてデフォルトに陥った。
それ以前は国民一人あたりのGDPが世界5位であったが、金融業に依存し、かつ小国であることで、経済のもろさが露呈し、その後EU加盟への動きが高まっている。
しかしアイスランドは捕鯨国ということもあり、EUによる漁業への介入を懸念して、加盟反対派の抵抗も根強くある。
金融危機によるアイスランドクローナの暴落が功を奏して、輸出と観光業が活発化し、現在は景気回復傾向にある。

世界で最も汚職が少ない政治と言われ、軍隊を保持せず、世界平和度指数1位。

公用語はアイスランド語。



見るからに火山性の、ゴツゴツした溶岩地帯が広がる。


路肩に敷かれている石も溶岩。


日中9℃。
シャツ1枚だと肌寒いが、防寒ジャケットを着ていると汗ばむ。

空港からレイキャビク市街まで50km。
キャンプ場に行ってみたが、案の定閉まっていた。
もちろん事前にウェブサイトをチェックしているのだが、オープンシーズンが明記されていないことが多いので、行ってみないとわからないのだ。
そのキャンプ場と併設のホステルは営業していたが、ドミトリーが4900クローナ(4582円)と言われて却下。
ホステルというのは世界中の旅人が集まるところだから、いくら物価が高い国でもホステルの料金は世界標準にしといた方がいいと思うよ。
4000円も5000円もするドミトリーに泊まる旅人が、世界にどれだけいるだろう。
次に現れたホステルは2800クローナ(2618円)。
これならなんとか連泊できる。

世界最北の首都レイキャビク。


人口の約6割がこの都市圏に集中している。







電力供給の73.8%が水力、26.2%が地熱によるもので、火力や原子力はない。
市内の暖房、給湯システムは地熱の熱エネルギーのみで維持されている。
温泉がそのまま家庭に引かれている、という話も聞いたが、たしかに今いるホステルも、かすかに硫黄の匂いがする。
鉄道がないこともあって、車の所有率は世界でもトップクラスだが、水素電池自動車の普及が進められており、化石燃料に頼ることのないクリーンな都市として名高い。







まだ2日目なのでわからないことが多いが、物価は今までの北欧三国の平均より高い感触。
アウトドアショップでガスカートリッジ250gを買ったら1490クローナ(1398円)もした。
スーパーの食料も、最低辺の物でもなんだか買うのをためらってしまうような値段。


Reykjavik, Iceland

22198km



2014年11月14日金曜日

ボスニア湾西岸 2

-11℃。

朝、また自転車のワイヤーロックの鍵穴が凍ってしまったので、火であぶった。
ちょっと無理に力を入れて回そうとしたら、鍵がひん曲がってしまった。
スペアキーがあってよかった。
タイヤの空気調整をしようとしたら、バルブが凍って回らなかった。
ギアチェンジもできなくなってしまったので、ドライバーを使ってシフトワイヤー周辺の氷を削り落とした。

街中の自転車道は除雪されていないので、街を脱出するまでが大変。
でも、こんな雪国でもやはりヨーロッパは自転車の普及度が高い。
朝の通勤時間、人々はスタッドタイヤを装着した自転車で、慣れた様子で颯爽と僕を抜かしてゆく。



もういいかげんにしてほしい、この幹線道路。


中央に柵があるせいで、ずっと緊張しっぱなしだ。
路肩は除雪されていないので、なおさら。
大型車が迫ってくる気配を感じるたびに、いったん停止して路肩に避難せざるをえない。

そして追い打ちをかけるように、クラクション。
ストレスフル。
こんなにもストレスフルな道路は、日本以外の先進国では初めてだ。

ちなみに、こちらの車線が一車線の時、対向車線は二車線。
数kmごとに、一車線と二車線が交互に繰り返される。
二車線の時のみ、追い越し可能なようにつくっているようだ。
土地があり余っている北欧で、わざわざ幅を狭めて危険な障害をつくるなんて、まったくバカげてる。
おそらく、冬は積雪でスリップしやすいのでスピードを落とさせるためなのだろうけど、それにしてもひねくれた道づくり。

そして、スウェーデンは先進国で唯一のクラクション文化圏なのか。
こんなにも腹が煮え返るのは数ヶ月ぶり、中国以来か。

クラクションには、人間が持つあらゆる醜さが凝縮されている。
僕の中で、抑えがたいほどの憎悪の感情が膨れ上がっていく。

とっとと終わらせてしまいたい。
しかしあいにく、まだあと数百kmも、この最低最悪の道路と心貧しきクラクションドライバーどもとつきあわなければならない。







ニューテントの初設営は雪上。


この夜、このニューテントで、コーヒーをひっくり返した。









クソ忌々しいクソ幹線道路のE4は、数十kmごとに、自転車歩行者禁止の高速に変わるようになった。
いつもなら、幹線道路を自転車通行禁止にするとは何事だ、と怒るところだが、このクソ忌々しいクソ幹線道路E4から逃れられるのなら、望むところだ。
この先は、クソ忌々しいクソ幹線道路E4と並行するセカンドロードで進むことができる。


セカンドロードは広々としていて、障害物もなく、交通量も少なく、そしてクラクションも鳴らない。
ストレスフリー。
道路は、ふつうにつくってくれればいいのだ。

北欧の魅力のひとつは、野宿天国なところだ。
最近は、街中で野宿することもめずらしくない。
街中にも森が点在しており、人に見られないタイミングでさり気なく森に侵入すれば、問題なく野宿できる。


良い子はマネしないでね。
何があっても自己責任です。











再び気温上昇。
日中6~8℃。
雪はすっかりなくなり、木々は高く、広大な農場が開けてきた。







出発地のヘルシンキとほぼ同緯度まで南下した。
時間に追われてゆっくり休むこともできずにひたすら激走した北欧。
ウプサラという街のホステルで、思い切って3泊。
何もせず、ちょっとダラッとしたい。

宿に到着するや、電化製品をまとめて充電。

こんなにゴチャゴチャ持ってどうすんだって感じだけど、今やすべて必要で、手放せない。









スウェーデンクローナ。





Uppsala, Sweden

22104km



2014年11月6日木曜日

ボスニア湾西岸 1

スウェーデン入国。


街はショッピングモールが軒を連ね、閑散としたフィンランドの街と比べるとずっと栄えている感じがする。

ヨーロッパでセブンイレブンを見るのは初めてだ。


スウェーデンについて。
ノルウェーと同じくヴァイキングから発展して王国を形成し、17世紀のスウェーデン・バルト帝国時代には現在のフィンランドとノルウェーの一部を含む北欧の大国となり、アメリカにも植民地を築いた。
ロシアとの大北方戦争やナポレオン戦争で敗れて領土の一部を失い、19世紀には小国化した。
二度の世界大戦では中立の立場をとり、冷戦においてもアメリカ寄りの微妙な中立主義を見せた。
1995年EU加盟。
女性の社会進出度を示すGEMは世界1位(4位まで北欧4ヶ国が独占)。

スウェーデン人85%。
フィンランド人5%。

公用語はスウェーデン語。
ノルウェー語とはある程度意志の疎通ができるという。

ボスニア湾。


春が来たので、再びノーマルタイヤに履き替えた。
雪も氷もない舗装道路でスタッドタイヤは重たくて仕方ない。

春が来た、と思っていたらさっそく冷え込んだ。
晴れているが、夕方には氷点下になり、夜は-5℃ぐらいだろうか。
フィンランドの雨で濡れたテントのフライシートは乾かないまま凍ってしまって、バリバリだ。

スウェーデンの道路づくりはひどい。


白線上にガタガタが掘られ(このガタガタはフィンランドの一部にもあったけど)、センターライン上には柵がつくられている。
なぜわざわざこんな障害を設けるのか、危なくて安心して走れない。
ふつうに走れる路肩をください。

あと、道路と森の境界にはネットが張られているが、これはトナカイの道路横断防止だろうか。
このネットがあるせいで、野宿したい時にすみやかに森に侵入できない。

この時期、多くのキャンプ場は閉まっているが、ルーレオという大きな街のキャンプ場は開いていた。
たまには連泊して、ゆっくり休みたい。
と思っていたのだが、なんと210クローナ(3189円)!
シャワーは4分5クローナ(75円)!
Wi-Fiも有料だと言われたが、「いや、いいです。」と言って料金は聞かなった。

もうやだ、こんなキャンプ場。
もちろん連泊する気は失せた。
早くもフィンランドに戻りたくなってしまった。



冷え込んだので、当然のごとくキッチンで寝た。



気温は上がったり下がったり。
日中晴れると冷え込んだり、夜に雪が降ると暖かくなったり。
スカンジナビアの天気は実に奇妙だ。
幸い、風はおさまってくれたので、道は走りにくいけどペースは悪くない。

テントの浸水が深刻になってきた。
弱い雨でもテント内に水たまりができてしまい、まともに寝られない。
今さら買い替えるのもなんだし、物価も高いし、雨が降らないよう祈るしかない。

自転車を掃除すると、雨が降る。
タイヤをノーマルに履き替えると、雪が降る。

そういうものです。

驚くべきことに、スウェーデンに入ってから、1日に数回、クラクションを鳴らされるようになった。
しかも、明らかに僕に対して鳴らしている(後進国では誰に対して鳴らしているのかさえわからない)。
先進国の中でも特に優秀と思われていた北欧でクラクションが鳴るとは、あまりに意外だ。
もちろん世界標準で見ればドライブマナーは超優秀だし、1日数回程度のクラクションならインドなんかと比べたらゼロに等しい。
でも個人的に、これは相当な減点ポイントだ。
とっとと出国したくなった。

シェルレフテオ。




北欧の中でも特に移民問題が深刻になっているというスウェーデン。
ここは都市と言えるほど大きな街ではないが、黒人をはじめとしてさまざまな人種が混在している。
物乞いもめずらしくない。

スーパーの出入口には、「160 - 170 -180」と身長の目印が貼られている。
今までの国にはこんなのはなかった。
ひそかに治安の悪さが物語られている。









テントがいよいよヤバイ。
グランドシートも劣化してきているようで、雨が降らなくても下の草地が濡れていると、ジワジワと水がしみ出てくる。
物価の安い国だったら、ホテルに泊まればいいじゃん、で済むのだが、北欧ではホテルに1泊でもしようものなら財政が大きく傾く。
予報を見た感じ、この先も雨天または雪の日が多そうだ。
もう、テントを買わざるをえないか。

靴の浸水もひどい。
たしかに防水の靴を買ったはずなのだが、雨天走行するとあっという間にジャポジャポになる。
でもこれは我慢しよう。

雪の日の走行中。
パトカーが止まって声をかけられた。
特に違法なことはしてないはず。

「なんか問題ある?」
と少々怪訝に聞いたら、

「ノー。この大雪の中サイクリングしている人がいる、って君の安否を心配して一般通行車から通報が入ったんだよ。大丈夫か? 助けは必要ないか? 今日は泊まるところあるか?」

あああ・・・
可能な限り誰にも迷惑かけずに旅をしているつもりだけど、こんな風に無関係な人にも心配かけてしまってるんだな。
かたじけない。
そして、紳士的に声をかけてくれた警官に対しても、横柄な対応をしてしまった。
せめて日本人として恥にならぬよう、頭を下げて警官にお礼を言った。

なにかと困難が多く、人と接することも少ない北欧。
でも、こんな風に声をかけてもらえるだけで、僕はいくらでもがんばれる。
ありがとう。

雪でズブ濡れになりながら、ウメオーという街に到着。
ユースホステルに宿泊。
ドミトリー170クローナ(2582円)。
あらゆるものが異常に高い北欧(その割にはサービスやクオリティはそんな大したことない)では破格の安さだ。
連泊決定。



ここは朝食は別料金だが、ランドリーは無料。
ここぞとばかりにまとめて洗濯。

全般的にユーロピアンは労働熱心とは思えないが、ここのホステルはレセプションが開いてるのは15~17時のわずか2時間。
この時間を狙ってたどり着かないと、チェックインできない。

宿泊施設によっては、特にキャンプ場なんかは、日曜日はまったく開いていないところも多いようだ。
北欧はスーパーが日曜日も営業しているという点は感心するが、日曜日に宿泊できないというのはひどい話だ。
レセプションの窓口に電話番号が貼られているだけのところがあるが、電話を持っていない僕としてはどうしょうもない。
その代わり、と言うべきだろうか、仕事熱心でないおかけで、キャンプ場のキッチンで寝ていても、夜中にスタッフが点検に来て怒られる、ということもまずない。

今日は一日ゆっくり休んだ。

INTERSPORT(ヨーロッパならたいていどこにでもあるスポーツ用品店)に行ってテントを買った。
シーズンオフのおかげか、4割引で299クローナ(4541円)。
今まで使っていたのとほぼ同じサイズのドームテントで、床面積200×150cm。

旅の終盤でテントを買い替えるというのはなんとももったいないが、テントが水漏れするからといってホテルに泊まったりしたらもっともったいない。
キャンプ場に併設されているコテージが値切って5000円前後、ふつうのホテルならおそらく軽く1万円はする北欧で、マイホームがこの値段で買えるなら格安だ。
耐水性、耐久性は使ってみないとわからない。
もうウェットなキャンプは勘弁だ。

午後はホステルで、YouTubeでたまたまクリックした日本の映画に引き込まれ、最後まで見てしまった。
もともと僕はまったく映画を見ないのだが、今は日本の映画というだけで、しみじみと見てしまう。

日没は早く、16時には夜になる。
たまの休日。 
あっという間に一日が終わる。


Umea, Sweden

21482km