2011年9月22日木曜日

ハラレ

果たして経済崩壊した国とはどんな有り様なのか、少々不安を抱きながらの入国であったが、意外にもすれちがう人々はこぎれいな服装で、笑顔で僕にあいさつしてくれた。
小村では相変わらず手造りの掘っ立て小屋が並んでいるが、街の建物は比較的しっかりしていると感じた。
人も建物も、ザンビアの方がよっぽど崩壊している。

街に着いて、
安宿はないかとたずねると、何人も集まってきて、親切に案内してくれる。
ザンビアでは
僕を見るなり金をくれとか、をくれとか、自転車をくれとか言われることが多かったが(そう言われてはいどうぞとさし出す人がいるだろうか?)、ジンバブエでは純粋にフレンドリーに話してくれる人が多い。

そして、アフリカではめずらしく、接客がまともだ。
今まであえて触れなかったが、ナミ、ボツ、ザンでは接客はひどいもんで、態度やマナーが悪いのは言うまでもないが、効率も悪くてムダに待たされることが多く、こんな仕事をしているようじゃ経済発展などするわけがない、と常々思っていた。
でもまあ、中南米なんかよりはまだましだし、これが世界標準なのだから、日本人的感覚は忘れて、こちらが相手に合わせなければ、と自分に言い聞かせていた。
ところがジンバブエに来て飛躍的に接客レベルが向上したので、お互いに気持ち良く
Thank you!」と言えるようになった。
仕事だから仕方なしに接客するという感じではなく、常に他人を気づかう民族性を感じる。
 

主な民族はショナ族(75%)とンデベレ族(20%)。
僕が出会った人はほとんどがショナ。

一方で、僕が最も忌み嫌うクラクションが増えた。
これまでの国は、路肩が1mほど舗装されている道が多かったので問題なかったが、ジンバブエの道路は路肩未舗装なので車道を走ることになる。
輸送トラックが異常に多く、ヘビートラフィックで、後方から
どけどけと言わんばかりにブーブー鳴らされまくる。
中南米の、悪夢のようなクラクション地獄の記憶がよみがえる。
これが
僕の自転車旅行で最大のストレスとなる。
街中も車優先で、容赦なくガンガン突っ込んでくる。
ドライブマナーは
完全に後進国レベル。

僕個人の愚痴はさておき、食料不足が深刻だ。
大きな街では一通りそろっているが、小さな街では閉鎖している店があったり、営業している店でも、缶詰やクッキーの類しかない。
値段は先進国並みに高い。
日本人の感覚ならまだ買えるが、現地の人にとっては非常に厳しいだろう。
御存知の通り、ムガベ大統領の失策が原因で農業生産がストップし、輸入に依存するようになったからだ。

しかしここは独裁国家で、言論統制もされているので、誰もそういったことは話題にしないし、彼の名を口にすることさえタブーだ。
公共の建物はもちろん、スーパーなどの店内にも、彼の写真が掲げられている。
 

失業率は9割以上という話だが、他の国でも、平日の昼間から多くの人が、何をするわけでもなく突っ立っていたり、座ったりしていて、ジンバブエが突出して失業率が高いという実感はない。
通貨はUSドルだが、紙幣だけでコインはない。
買い物をすると必ず、
お釣りがないと言われる。
お釣りの数十セントを埋め合わせるため、強制的に駄菓子を買わされたり、
こんな駄菓子いらないよと言うと、レジ袋代として繰り上げられたりする。
南アフリカのランドでお釣りがくることもある。

各街には宿があるが、US$30~35と高い。
それなりのクオリティでこの料金ならわかるが、扇風機なし、テレビなし、トイレとシャワーは共同でお湯は出ず、おまけに停電と断水が頻発する。
どうみてもUS$20以下のクオリティだ。
アメリカのモーテルなら、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、ポット、コーヒー、紅茶まで付いて$30台で泊まれる。
僕は必ず値切らせるか、あるいはキャンプ場でもないのにテントを張らせてもらったりして、いまだ正規料金を払ったことはない。
今は、首都ハラレのホステル兼キャンプ場でキャンプしている。
1泊US$7で少々高いが、ここはクリーンでちゃんとしたつくりで、サービスもいい。









かつての農業大国は見る影もなく、農地は荒れ果てている。

と思ったらけっこう育っているところもある。







首都ハラレはけっこうビッグシティだ。

 









外国人旅行者は少ない。

あと、すみません。
おみやげジンバブエドルがみつかりません。
しかも旅行者の話では、イミテーションらしい。
やけにきれいな紙で、見てすぐ偽物だとわかるとか。


Harare, Zimbabweにて

Dst. 5298km



4 件のコメント:

  1. 首都は以外にも発展しているね。

    接客がいいのは民族性かね?
    ジンバブエドルのイミテーションならば問題あるから
    無理しなくていいよ。

    やはり独裁国家は食料が深刻な状況に追い込まれるん
    だね。
    自転車にまぎれて何か入れ込んでおこう。
    日本は彼岸が過ぎ、ようやく秋らしくなってきた。
    自転車ならば快適に走行できるだろう。
    ■周辺国情報
    ・ザンビアの大統領選挙は野党党首が勝利宣言。
     貧困層からの支持が多数あった模様。
    ・パレスチナが国連に加盟申請。
     アメリカが拒否権発動。

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  2. 浅地、写真の才能あるね。写真がいつも綺麗に撮れているの関心します。アフリカは各国大変そうだね。日本は台風シーズンです。今年の台風は大変大きいのが多いみたいです。

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  3. はじめまして。
    同じく自転車で旅しております。
    2年4ヵ月になります。
    RYOさんがハラレで会ったヨセバのブログから
    RYOさんを発見しました。
    自分は今ザンジバルにいます。
    自分は南下です。
    もしタイミングがあればどこかで!
    PC音痴なのでRYOさんの連絡先は見つけられませんでした。どこを見れば連絡先ありますでしょうか。
    もし、良かったらでいいので教えて下さい。

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  4. winlook君
    問題なければ、インスタント味噌汁とかインスタントおしることか入れてくれたら泣けるかも。

    匿名さん
    写真をほめられるのはうれしいです。
    技術も知識もない素人ですが、なにかが伝われば光栄です。
    ところでどなたなのか気になるので、ヒントください。

    ジンさん
    コメントありがとうございます。
    ぜひともお会いしたいです!
    ヨセバからジンさんさんのアドレスをあずかっているのでメールします。

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