2011年5月15日日曜日

イメージ 台湾

16世紀から開発され始め、17世紀にはオランダやスペインが領有し、東アジアの貿易の拠点となった。
日本への鉄砲伝来やザビエルによるキリスト教伝来も、台湾経由であったといわれている。
やがて、労働力として中国本土の福建省や広東省から大量の漢族が居住するようになった。

17~19世紀は清が支配したが、1894年に日清戦争に敗れると、日本の領土となった。
当初は住民の抵抗が強く、1万人の台湾人が戦死したり虐殺されたりした。
日本は、植民地支配における欧米との対抗意識から、インフラの整備、教育の普及、治安の維持に力を注ぎ、後に台湾が発展する土台が築かれた。

第2次大戦で日本が敗戦すると、台湾を含む中国は中華民国の領土となった。
戦後まもなく、中国本土で蒋介石率いる国民党と毛沢東率いる共産党とで内戦になり、1949年、勝利した共産党が中華人民共和国を樹立し、敗北した国民党は台湾に撤退したため、台湾は中華民国のまま継続された。
内戦で疲弊した国民党による台湾の独裁統治は粗暴で強圧的で、住民からは「イヌ(日本)に代わってブタ(国民党)が来た」などど言われ、蜂起が発生した。
日本の旧植民地でありながら台湾が親日国であるのは、ここに起因すると考えられている。

中国本土では、共産党によって国としての体制が整えられ、1970年代には国連は中華人民共和国を正当な国家として承認するようになり、中華民国は中国の中の台湾という地域を占拠するものとみなされた。
これを受けて中華民国は国連を脱退し、現在も国際的には台湾は国家として承認されていない。

日本を含む多くの国が中華人民共和国との国交を結び、中華民国とは断交したが、経済的な交流は維持され、アメリカが台湾をベトナム戦争の物資調達の拠点とした頃からハイテク産業が発展し、飛躍的に経済成長した。
ブルジュ・ハリファに抜かれるまで世界一の高さを誇った台北101(501m、101階)や台湾高速鉄道などは、日本企業によるものがあり、台湾経済の日本への依存度も高い。

自転車工業も発展し、高額車以外はほとんど台湾か中国の工場で生産されるほどの自転車輸出大国となった。
僕のラレーも台湾製。
世界最大の自転車メーカーであるGIANTは台湾のブランド。
今回の震災で、GIANTはマウンテンバイク1000台を被災地に無償提供してくれた。

人口わずか2300万人の台湾の義援金には本当に驚かされた。
今月には160億円を突破したが、まだ増え続けるのだろうか。

事実上は独立国家として機能している台湾だが、政治的にはいまだ空白地帯であり、中華人民共和国との軋轢も続いている。
台湾内部でも、独立派、統一派、現状維持派、などの考え方があり、この複雑な情勢は今後も続くと思われる。

98%が漢族、2%が先住民。
少子化が進んでおり、出生率は世界最低。
公用語は中国語(北京語)だが、日常的には中国語の方言である台湾語や客家語が使われる。
日本統治時代の日本語教育の影響で、台湾語には日本語の名残りが多くみられる。
宗教は道教、仏教、キリスト教など。



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