2010年3月26日金曜日

イメージ ジンバブエ

ジンバブエといえば、史上最悪のハイパーインフレーション。2008年のインフレ率は2億3100万%。
2008年7月、1000憶ドル紙幣発行。翌月、デノミによって0が10個切り捨てられた。
2009年1月、100兆ドル紙幣発行。翌月、デノミによって0が12個切り捨てられた。
もはやジンバブエドルは完全に価値を失い、100兆ドル紙幣をもってしてもパンひとつ買えない紙クズと化した。

冗談のような話だが国内は深刻だ。
失業率は9割。
国民の7割が飢餓に苦しみ、トウモロコシの粒や昆虫を食べて飢えをしのいでいる。
追い討ちをかけるようにコレラが流行。9万人が感染。4000人が死亡。

そんな中、独裁者ムガベ大統領は、85歳の誕生日の祝宴に2400万円をかけた。
大統領夫人は香港に5億円の別荘を購入。その豪邸を撮影したカメラマンを殴って怪我を負わせた。

ムガベは、1980年にイギリス領南ローデシアからジンバブエを独立させた英雄であった。
その英雄が、イギリスに代わって今度は自分が独裁支配し、国をめちゃくちゃにしている。

事の発端は、2000年に白人の農場を取り上げたこと。
以前は、白人農場主による効率的な農業で収穫を上げ、「アフリカの穀物庫」と呼ばれるほどの農業国であった。
(ただし、これを支えていたのは低賃金で過酷な労働を強いられていた黒人。)
これを強制収用して黒人に分配したことで、白人の持っていた技術やノウハウが失われ、農作物の収量が激減。
そして経済が崩壊した。

2005年には、貧しい都市の露店の強制退去と住居破壊を行い、70万人が家や職を失った。

反体制派への暴行、秘密警察による監視、言論統制、外国メディアの報道規制などにより、不満を言うこともできず、「世界最悪の独裁国家」といわれている。

国際社会からの批判や制裁を受けても、ムガベ大統領は強気な態度をとり続けている。

こんな国を自転車旅行者が通り抜けて良いものか、という疑問はある。

民族構成は、ショナ人75%、ンデベレ人20%。
主要言語はショナ語、ンデベレ語。公用語は英語。
「ジンバブエ」はショナ語で「石の家」という意味。かつてそう呼ばれていた石造建築の遺跡がある。

ジンバブエ共和国地図  ジンバブエの位置 



2 件のコメント:

  1. なんだか穏やかではないね。
    サバイバル旅行になってきそうな感があるね・・・

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  2. これだけ悲惨な状況でも、外務省は退避勧告は出していないようだ。
    ヴィクトリアの滝があるから、外貨獲得のためには観光客を閉め出すわけにもいかないだろう。
    実際どんな状況なのか、行ってみなければわからないな。

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