2014年10月2日木曜日

初心にかえる

準備万端、出発。


スタッドタイヤは、シュワルベのマラソンシリーズ。

これよりワンランク上で、さらに鋲が多くてゴツイのもあるが、それは€65もするので、今回はこれで。

バッテリーバンクはリーさんにもらった。

これもけっこう高いので、助かった。

バッテリーバンクとケーブル接続部は防水ではないので、ビニールにくるんで、さらに防水バッグに入れる。

これで、こいでるだけで電気が貯まっていく。

後になってわかったことだが、この発電機で充電できるのは、iPod、iPhone、iPadのみで、カメラとラップトップは充電できない。
高額の割には、まだ不完全なんだな。
でも、紙の地図を持たずにGPSに頼りきっている現在、一番の生命線はiPhone。
カメラはスペアバッテリーがあるし、ラップトップは宿泊施設でしか使わない、ということでよしとしよう。

自転車整備、寒冷地対策、フライト代、などなど、必要経費とはいえ予算をはるかに上回る出費であった。
今や貯金残高は目をそらしたくなるような数字になってしまった。
これからはストイックにいく。

街の周辺は自転車道が整備されており、基本的に車道とは隔離された側道を進む。


土地が広いって、いいことだ。
交差点では側道はトンネルになっていたりするので、信号待ちすることも少ない。 

街を離れると、ふつうの車道。


針葉樹林の海へ。

寝場所に困ることはなさそうだ。
初日は野宿にうってつけの廃墟を発見し、廃墟泊。

買った防寒着はアタリだったようで、値段の割に、軽さの割に、かなりの保温性。
ていうか、ちょっとアツイ。
しばらくは、Tシャツ1枚とこのジャケットだけでしのげそうだ。
夜も、寝袋の上にこのジャケットをかけておくだけで、薄着でも暖かく眠れる。

朝の気温、6~8℃。
体もベタつかず、野宿に最適の気温。











トナカイが道路を横断するのを見た。
黒毛で大きな角。
走行中に大型野生動物と遭遇する、この感じは久しぶりだ。
写真は撮れなかった。



小刻みなアップダウンの繰り返しだが、山はない。
追い風。
1日100kmペースを維持できる。
今のところ。

物価高、冬の到来、そして例によってシェンゲンルールによる3ヶ月のタイムリミット、という厳しい制約があるため、のんびりはできない。
可能な限り連泊せず、雨が降ろうが雪が降ろうが、進み続けるつもりだ。



やはり、アラスカやカナダと似た自然環境。
果てしなく続く針葉樹林。
名もなき無数の湖。





フィンランドは、日本よりひとまわり小さい国土で、人口は532万人。
それでも、アラスカやカナダと比べれば人口密度は高い。
(たとえばアラスカは日本の4.5倍の面積に人口たった71万人。)
1日走行して、街や店がまったくない、ということはない。
今のところ。



なんとありがたいことに、スーパーは日曜日も営業してくれている。


ヨーロッパ南部では、日祝も営業しているのは宿泊施設とレストランぐらいで、それ以外のすべての店は休み、スーパーも全滅で、食料を補給できずに痛い目にあったことが何度もあった。
やっぱどこの国でも、物価の高い国ならなおさら、せめてスーパーだけは毎日営業してほしいよね。
日曜日だけならまだしも、祝日なんて知らねーし。







街は人気が少なく、活気もなく、ひっそりと静まり返っている。
その割には、道路はけっこうな交通量。

ヨーロッパ南部では、間違えて高速に入ってしまうことが多々あった。
注意していても、本当にわかりにくいのだ。
北欧はそれほど高速が網羅されているわけではなく、今はGPSを使っているので迷うこともあまりないが、それでも街中の自転車道はけっこう複雑。
地元の人は熟知しているだろうが、不慣れな者にはけっこうわかりにくいこともある。
通りすがりのおじさんが、高速を避けて自転車道で行ける道を誘導してくれた。


世界一の教育先進国、皆さぞかし英語ペラペラなのかと思いきや、意外に英語の通用度は低い。
このおじさんは、基本的な英語もまったく話せないようだった。
まあ、ヨーロッパ南部も、都市部や観光地を離れればどこもそんな感じだった。
アフリカ南部東部の方がよっぽど英語が通じる。

フィンランド語は、巻き舌を多用して、ラテン系っぽい響きだ。

ヘルシンキのキャンプ場は通年営業しているようだったが、辺鄙なところのキャンプ場はすでに閉まっている。
閉まっているのはいいが、どうしても水が必要。
申し訳ないが、キャンプ場の水道水を拝借。

スーパーで売っている水は、1.5Lで€2以上する。
買えるわけない。





走る。
食う。
寝る。

走る。
食う。
寝る。

走る。
食う。
寝る。

極度に単純化された自転車旅生活。
日の出とともに走りだし、日没とともに眠りに落ちる。
生きていくのに必要最低限の物にだけお金を使う。
アジアで緩んでしまった生活習慣を、ピンと張り直す。

自然に寄り添う。

初心にかえる。

物価が安くてメシがウマイ文化圏では、自作のスープスパゲティなどまったく食う気しないが、不思議なことに今は自作のスープスパゲティが極上のメシで、毎日食うのが楽しみ。
水道水もおいしい。


Oulu, Finland

19209km



2 件のコメント:

  1. 直近国の台湾に比べると日差しはかなり弱そうですね。
    写真写りの明度?が全然違います。
    絡んでくるガキと犬がいなくて寂しくありませんか?

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    1. 日中でも太陽はずっと低いままです。
      でも幸い日照時間はそれほど短くはなく、7~19時ぐらいまでは活動できます。

      光、空気、全然違いますね。
      飛行機でワープしてくるとなおさら強く違いを感じます。

      北欧に限らず先進国ではからまれること少ないです。
      今は突っ走りたい気分なので、寂しさはないです。

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