2012年12月24日月曜日

カラカルパクスタン

ウズベキスタンの北西部はカラカルパクスタン共和国と呼ばれる自治区になっている。
そのカラカルパクスタンの中心都市ヌクス。
























ウズベキスタンにはATMがないようだ(一部の都市にはあるらしいが)。
なので事前にUSドルをつくっておいた。
ためしに信頼できそうな銀行に行ってみたが、ATMもないし両替もできないという。
市場で両替所を探してみたが、それらしきものは見当たらない。
どうしたものか。
そんな僕の心中を察するかのように、ひとりの男が声をかけてきた。

「ヘイ! エクスチェンジ! ダラー! コンニチハ!」

世界を旅していると、こういううさん臭い両替商に声をかけられることはめずらしくない。
つい僕はいつものクセで無視してしまったが、考えてみたらこの人と交渉してみるしかないじゃないか、と思って立ち止まった。
それにしても、東洋人の顔をした人たちの中に紛れ込んで歩いているのに、よく僕が日本人だとわかったな。

ウズベキスタンでは、闇両替が一般的だと聞いた。

公定レートだと、US$1=1980スム。
闇レートだと、US$1=2750スム。

1ドルにつき770スム(32円)もの差がつく。
ただし、ドルをつくった時点で二重の手数料を払っているので正確な損得の計算はまた別だが、なんにせよ闇両替すべきだ。
(しかし、ATMもなく銀行でも両替できないなら、公定両替はしたくてもできないではないか。)

このおっさんは明らかに闇の人。
おっさんは、紙袋から札束をドカドカ出した。
US$200を両替したら、こんなにどっさり来たよ。

55万スム。
1スム=0.042円で、最高額の紙幣が1000スム(42円)。
US$200だと、1000スム紙幣が550枚来る。

これじゃATMが普及しないわけだ。
デノミするか、高額紙幣をつくるか、なんとかしてくれ。
この国の金融はどうなってんだ?
まったく、どうすんだよこれ。

僕はその場で札をチェックするフリをしたが、もちろん正確に数える気など起きなかった。
後で落ち着いてチェックしてみたが、特にごまかしもなく、ニセ札が混じっている様子もなかった。

屋台ピロシキ。

こういうの大好き。
3つ買ったら2000スム(85円)だって。
3で割り切れねえじゃん。


これは一見なんてことないパンだけど、中にアツアツの挽き肉とタマネギが入っている。
パンの中に肉まんの具が入っている感じで、めちゃくちゃウマイ。
どっさりもらって3000スム(127円)。

ヌクスは、活気があるのはこの市場だけで、ここ以外は閑散としていて人気も店も少ない。
散歩しても寒いだけだ。



舗装道路。


ボコボコだけど、凍結してないなら走れる。





行けども行けども、向かい風。





南下したせいか、ぐっと暖かくなった。
日中3℃もある。
厚着しすぎて暑いぐらいだ。
これなら野宿でも熟睡できる。
水も飲めるし調理もできるだろう。



















ウズベキスタンでは、宿泊するすべての箇所で滞在登録が必要。
ホテルのレセプションでやってくれるので、こちらは何もせず、その滞在登録書をもらって保管しておけばOK。
出国時にこの滞在登録書をチェックされ、1日分でも欠けていたらペナルティが課せられる、とガイドブックには書いてあるが、今まで出会った旅人の話では、そこまで厳しくチェックされることはなく、野宿してもまあ大丈夫だろう、と聞いた。

なので野宿するつもりだったのだが、ホテルが現れた。
25000スム(1063円)。
ソビエト式というのだろうか、なかなかこぎれいで広く、シャワー付きの個室だったが、なぜかトイレだけは離れのボットンだった。



舗装道路だけど、これじゃ未舗装と変わらない。


これはひどい。

メンテナンスする気ゼロでしょ。



売店で買い物したら、「中に入れ」と言われ、またごちそうになってしまった。






ウズベキスタンでは、チャイは限りなく中国茶に近い。
砂糖もミルクも入れないみたいだ。
器も東洋な感じ。

「サケ、サケ」と言いながらウォッカを注がれた。
僕がチビチビ飲んでいるのを見て、「一気にグイッと飲むもんだ」と言う。
アルコール度数40%だぞ。

どこへ行っても言われるのだが、僕の年齢で未婚というのは本当に異常なことのようだ。
怪訝な顔をして「なぜ結婚しないんだ?」と聞かれるが、ウズベク語またはロシア語で理由を説明できるわけない。
でも、先日のアゼルバイジャンのホモ親父の一件で思ったのだが、結婚しないのは同性愛者だからだと誤解されるおそれがあるので、日本では僕の年齢でも未婚の人はたくさんいるよ、ということをなんとか筆談で説明した。
ここでは20歳にもなれば皆、結婚するらしい。



この後、完全に酔っ払いながら走行。
しかし、酒は感覚を麻痺させるというが、向かい風がしんどいという感覚はまったく麻痺してくれなかった。


Xiva, Uzbekistan


1 件のコメント:

  1. よくぞカラカラ何とかまで行ってくれましたね。ここの美術館行きましたか。NHKで見ました。ソヴィツキ美術館。

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