2010年10月2日土曜日

イメージ スイス

スイスには、僕がヨーロッパで最も楽しみにしているアルプスがある。
アルプスは7ヶ国にまたがっているが、イメージ的に「アルプス=スイス」だろう。
スイス・イタリア国境にはマッターホルン(4478m)がある。
最高峰ではないが、マッターホルンはアルプスの象徴であり、スイスの象徴でもある。
写真を見ていると、どこかへ連れ去られてしまいそうになる。
カナディアン・ロッキーでは、信じられないほど美しい山と湖を見たが、アルプスも同じぐらいの期待をしてしまう。

九州ほどの小さな国土に、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つの公用語がある多言語国家。
5世紀にローマ帝国がスイスから撤退した後、4つの民族が住みついたことがこの基礎をつくった。
山がちな地形であまり混じり合うことがなかったのか、現在もそれぞれの言語話者は地理的に明確に分かれている。
フランク王国、神聖ローマ帝国などの支配の後、1648年に独立。
1815年に永世中立国として国際的に認められた。
二度の世界大戦では、中立国といっても無縁ではいられず、逆に中立国ゆえに、他国がスイスを舞台に国際諜報や外交を行い、政治難民の避難地ともなった。
第1次大戦後の1920年、国際連盟の本部がジュネーブに置かれた。
第2次大戦後の1945年に設立された国際連合には長らく否定的であったが、2002年にようやく加盟。
EUには加盟していない。

永世中立国に加えて多言語という利便性もあり、WHO、IOC、FIFAなど、国際機関の本部が多数置かれている。
永世中立国であるゆえ、他国から攻められた時に誰も頼らず自衛せねばならぬため、重武装の軍事国家でもある。
ほとんどの住宅、建物にシェルターがあることで有名。

主な産業は、観光業、精密機械工業、金融業などで、経済水準は非常に高い。
賃金の高さはデンマークに次いで世界2位。
物価の高さはジュネーブが世界6位。
通貨のスイスフランは、金よりも堅いといわれるほど世界で最も安定している。
多くの国民が、EU加盟には何のメリットもないと考えている。

ドイツ語話者は64%だが、標準ドイツ語とは通じあえないほどの方言。ドイツ語圏はゲルマン系アレマン人が住む。
フランス語話者は19%。フランス語圏は19世紀にフランスから来たケルト人+ゲルマン人が住む。
イタリア語話者は8%。
ロマンシュ語話者は9%。世界でもスイスのごく限られた地域でしか話されない(高齢が多い)、絶滅危惧語。
人口は756万人だが、そのうち2割が外国人定住者あるいは短期労働者。
特に旧ユーゴスラビア出身者が多く、ユーゴスラビアの言語やトルコ語の話者も多い。
英語の通用度も高い。
カトリック43%、プロテスタント35%、イスラム教4%。

スイス出身の有名人
ジャン・ジャック・ルソー(哲学者、思想家、作家、作曲家)
アンリ・デュナン(赤十字社の創設者)
フェルディナン・ド・ソシュール(言語学者)
グスタフ・ユング(心理学者)
アルフレッド・コルトー(ピアニスト)

スイス連邦地図  スイスの位置 



2 件のコメント:

  1. スイスはヨーロッパ内で非常に気になる国
    行ってみたいね。

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  2. 前回の旅で出会った人たちは、皆スイスは美しい国だと言っていた。
    バイクで世界を旅するスイス人夫婦も親切だった。
    いい国に違いない。

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