標高3000mほどまで下って、中国最後の街タシュクルガンへ。
ここからクンジュラブ峠(標高4700m)を越えてパキスタンへ入国するのだが、タシュクルガンからパキスタン最初の街スストまでは自転車の通行は認められておらず、強制的にバスに乗せられる。
このカラコルム・ハイウェイをちゃんと走りたくて、わざわざ一時帰国して季節を合わせてやって来たのに。
悔しい。
ちなみに国境が開いているのは5~11月。
いつものことながら、英語が通じないところで、国境越えがからむ乗り物に乗るのはとても苦労する。
街のバス乗り場でチケット売り場を発見したのだが、係員はチケットを売ってくれず、どうすればチケットを買えるのか丁寧に案内するどころか冷たく突き放し、その辺にいる人に聞いても誰一人として英語を話せないので、わけがわからない。
四苦八苦した結果、街の中心から2kmほど離れたところにイミグレーションがあり、そこでチケット購入、出国手続き、バス乗車、がまとめてできるということがわかった。
英語が通じない国に限って、外国人にもわかるような案内板といったものが存在しないのだ。
バックパックで旅行している人は、日々こんな苦労をして乗り物に乗っているのか。
情報収集力がサイクリストとは桁違いなのかもしれない。
地元民はこのイミグレーションを「カスタム」と呼んでいるが、この建物には英語表記は一切なく、「紅其拉甫(クンジュラブ)口岸」とだけ書かれている。
他に「出境」「入境」といった看板も見えるので日本人ならなんとなくわかる。
10時すぎぐらいから人が集まり始め、出国手続きは11~12時ぐらい。
チケット225元+自転車100元=325元(5200円)。
さすがに国境係員の漢族は英語が話せる。
乗客のほとんどがパキスタン人。
かれらは英語を話し、親切だ。
しかし、かれらの大量の荷物で僕の自転車が下に埋まってしまった。
実際に出発できたのは13時半ぐらい。
なかなか快適。
車窓から。
隣のパキスタン人が、なんと日本語を話せる人だった。
宝石商で、日本に住んでいたことがあるらしい。
成増に住んでいたらしく、僕の実家からそう遠くない。
「世界中で宝石を売ってきたけど、日本が一番すばらしい国だ。」と絶賛してくれた。
このおじさんと話をしていたら、いつの間にかクンジュラブ峠を越えてパキスタンに入っていた。
まいっか。
ふつうに考えたら、国境の手前でバスから降りて、手続きを済ませて、国境を越えたら別のバスに乗ると思うのだが、これは強制輸送バスなので、パキスタン最初の街までノンストップで行く。
パキスタン側に入ってから、一度トイレ休憩があったが、ちゃんとした休憩所があるわけではなく、その辺で適当に、といった感じだった(やはりムスリムは立ちションではなく座りションだった!)。
あと、国立公園を通過するということで強制的に入場料を払わされた。
支払いはルピーでも元でもドルでも可。
こういった状況は乗客のパキスタン人たちが、わかりやすい英語で教えてくれた。
運転手は唯一の中国人(タジク族?)で、不親切な上に英語がまったく話せなかったので、パキスタン人たちにはおおいに助けられた。
果たしてカラコルム・ハイウェイは完成したと言ってよいのか?
パキスタン側ではいたるところで工事していて、未舗装箇所も多かった。
しかしこれだけ険しい地形で、これだけ崩れやすそうな地質に道路をつくり、かつ維持していくのは並大抵ではないと思う。
中国元。
Gilgit, Pakistan
2075km
2013年7月15日月曜日
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