2014年1月23日木曜日

雨、雨、雨

ミリの街を抜けた後、海岸沿いには「大豪邸」と言ってもいいレベルの屋敷が続々と現れた。








道はフラット、整備されていて走りやすい。


これぐらいの幅の路肩があれば十分安全なのだが、大型トラックは僕を追い越す時、スピードを落として対向車が完全に走り去ってから、大きく僕をよけて追い越してくれる。
そこまでしてくれなくても大丈夫だけど、おかげでここでは車に轢き殺される脅威はないし、クラクションストレスもない。

ちなみに後進国では、追い越す車が優先される。
追い越される車や、対向車でさえも、追い越す車のためによけてやらなければならず、自転車なんかはクラクション鳴らされて路肩にはじき飛ばされることもある。
皆よけてくれるから、こちらの常識ではありえないタイミング、対向車がすぐそこに迫ってきているようなタイミングでも、かまわず追い越しを仕掛けてくる。



雨が降らない日はない。
カメラが防水ではないのでやんでる時の写真ばかりだが、毎日よく降る。

靴も買い替えたい。
ネパールで買ったトレッキングシューズには一応「GORETEX」と書かれているが、激しい雨が振ると1分以内に完全浸水する。



時々、村人やドライバーが手を振ってくれる。

バナナ畑。


エクアドルの強盗未遂事件を思い出した。
あの時も、ちょうどこんな感じでバナナ畑がえんえんと続く、人気のない道だった。

ロングハウスと呼ばれる集合住宅。




集落が点在していて人はいるが、店はなかなかない。
この日は100km以上走って、レストランと売店が1ヶ所あっただけだった。



この辺は森林伐採されて、大規模なプランテーションになっているようだ。



また降り始めた時、いい宿が現れた。


おそらく路上販売をする建物なのだろう。
一応、近くの民家に断りに行ったら、英語を話せる人がひとりだけいて、快くOKしてくれた。
屋根があるだけで、野宿の快適度は格段に上がる。

この辺の人はマレー人だが、イスラムっぽさはまったくない。
女性は髪も肌も見せているし、モスクも見当たらない。




ビントゥルー。




「酒店」は「ホテル」のこと。





翌日は、朝から丸一日、ヘビーレイン。

プランテーションから再びジャングルになった。
道はフラットではなく、小刻みなアップダウンの繰り返しになった。
ロングハウスが頻繁に現れるようになった。

雨なので、写真はほとんど撮れていない。
唯一撮った写真がこいつ。




ゴアテックスのレインウェアを着ていても、長時間降られると少しずつ中が濡れてくる。
けっこう長く使っているので劣化してきているのかもしれないが、高額なのでまだまだ使い続ける。

小さな街が現れた。
あまり距離は進めなかったが、体が冷えて良くないのでここでストップ。

もちろん外国人が立ち寄るようなところではなく、英語を話せる人も少ない。
大注目を浴びる。
でも話しかけてくる人はいない。

運良く小さな宿が一軒あった。
宿代は高い。
あまりきれいではなく、お湯も出ないしWi-Fiもないのだが、しっかり60リンギット(1885円)もとられた。

小さな街でも、レストランは豊富にある。
大衆食堂はメニューがなく、英語も通じないので、注文するのに苦労する。



いまだに、マレー料理と中華の区別がつかない。
どうも、僕が今まで食べてきたのはほとんど中華っぽい。
でも、ウイグル自治区で食べた中華とはだいぶ違う。

とりあえず今は、辛くないだけでありがたい。

肉まん、あんまん、野菜まん、と各種ある。


ABCと呼ばれるミックスかき氷。

3リンギット(94円)。

これはテンション上がるッ!

ココナッツミルクベースで、各種ゼリーやフルーツや小豆が入っている。
スイーツにコーンが入っていることもめずらしくないようだ。

これも名前はABCで、一見シンプルだけど、下に具が沈んでた。

2.5リンギット(78円)。

ドリンクとデザートをつけても10リンギット(314円)以内ですますこともできるが、ボリュームがないのでまったく腹が膨れず、何軒かハシゴしたりマーケットでドーナツを買ったりすることになる。

引き続き、雨、ジャングル、アップダウン、ロングハウス。















村で見かけるのは、モスクではなく教会。


マレーシアの国教がイスラム教、ってウソっぽく思えてきた。
ちょっと無理があるだろ。

また小さな街で1泊。
40リンギット(1256円)。

靴が常時濡れていて、気持ち悪いしクサくてかなわんので、サンダルを買った。
日本一周していた時、サンダルで雨天走行して、コケて足の爪が剥がれてしまったことがあったので、それ以来サンダルはタブーなのだが、指先がカバーされているものならOK。

翌日はまた、ほぼ丸一日、雨。

なが~い。


教会と、キリスト教式の墓地をよく見る。
やはり村人はクリスチャンが多数派なのでは?

ボルネオを走る自転車旅行者は少ない。
しかしこの日、めずらしく荷物を積んだ自転車が向こうからやってきた。

なんと日本人の女の人。


彼女は今回はボルネオだけを走りに来たが、今まで世界各地を走行してきている。

これまたすごい偶然だが、彼女は、昨春僕が一時帰国した時期に住んでいた同じシェアハウスの、 同じ部屋に住んでいた!
時期もかぶっていた!
でも、顔を合わせた記憶がない!
各ベッドがカーテンで仕切られていて見えないようになっているとはいえ、同じ部屋に住んでいてすれ違ったことすらないとは。

残念ながら方向が逆のため、路上で立ち話だけして、お別れ。

雨はやまない。
こんなに長く降り続けるはずはない、と思いながらもやまないまま、シブという比較的大きな街に着いた。

街に着いてすぐ、「ボルネオポスト」という新聞社の人に声をかけられて、取材を受けた。
掲載されるのかどうかは不明だが、けっこう根掘り葉掘り聞かれたし写真撮影もしたので、もしかしたら掲載されるのかもしれない。


Sibu, Malaysia

7082km



4 件のコメント:

  1. 記事になってますよー。
    http://www.theborneopost.com/2014/01/23/sarawak-a-close-brush-with-nature-and-exotic-food-for-japanese-on-two-wheels/

    Skyscraper cleaner Ryo Asajiで早くも吹いた。

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    1. 記事としてSkyscraper cleanerと書くのが必要なのか、疑問ですが、なぜかこの仕事は面白がられることが多いです。
      僕としては自転車で旅していることがあまりアピールされてないのが残念です。

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    2. 何か記者の「おら村最高」って言葉を代弁させられているような感じですね。

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    3. 旅行者がサラワクを褒め称えている図式が欲しかった、そんな印象ですな。

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