昨日、カイロに着いた。
カイロにいたるまでの約100kmにわたって、数々のピラミッドを見てきた。
1. メイドゥーム
フニ王のピラミッド。
BC27世紀頃、元々の高さ92m、現在の高さ64m。
フニ王によって着工され、息子のスネフェル王が引き継いで完成させた。
当初は真正ピラミッドだったが、後に外部が崩壊して内部の階段ピラミッドだけが残っている。
一連のピラミッドは、ナイル川から少し離れた砂漠の中、メジャー道路沿いではなくマイナー道路沿いにある。
僕が持っている地図は大ざっぱすぎて正確に描かれていないので、前日にネットカフェでグーグルマップでチェックしたのだが、それでも実際に行ってみると、標識も何もなく、人に聞いても信頼できる答えをもらえず、非常にわかりにくかった。
メイドゥームの次にリシュトというピラミッドがあるはずなのだが、どうやら違う道を行ってしまったようで、残念ながら見ることができなかった。
GPSの必要性を感じた。
道を間違えて砂漠の中を迷走中。
2. ダハシュール(世界遺産)
スネフェル王の赤ピラミッド。
BC26世紀頃、高さ104m。
最初の真正ピラミッド。
きれいな三角形をしている。
ひとつひとつの石は、思っていたより小さい。
石は遠目だと水平に並んでいるが、近づくと不規則で乱雑に見える。
スネフェル王の屈折ピラミッド。
BC26世紀頃、高さ105m。
建設中に途中から角度を変えたため屈折ピラミッドと呼ばれ、特徴的なルックスをしている。
化粧石がきれいに残っているが、これは補修されたものかも。
下から見上げると、頂上が見えないので変な感じ。
スネフェル王は、メイドゥーム、赤、屈折、の計3つのピラミッドを完成させている。
ピラミッドは一般に王の墓とされているが、ひとりの王が3つもピラミッドをつくっているということ、それから、いまだピラミッドからは王の遺体が発見されたことがない、ということから、「ピラミッド=王の墓」を否定する説もある。
アメンエムハト3世の黒ピラミッド。
ダハシュールを見終えて、次のサッカラにたどり着いた時には、日が暮れかけていた。
サッカラの街にはホテルがなく、寝場所探しに苦労した。
警察を頼ろうと思ったら警察署もなく、消防署でも断られ、レストランでも断られ、「その辺にテントを張ってもいいか」と聞くと皆口をそろえて「キャンプはだめだ」と言う。
たしかに、野宿はダメそうな空気だ。
さあどうしようかと、夜の街をさまよい続けていたら、運良く優しい人に助けられ、その人の店のガレージの中でテントを張らせてもらった。
3. サッカラ(世界遺産)
ジョセル王の階段ピラミッド。
BC27世紀頃、高さ62m。
史上初のピラミッドであり、史上初の高層建築物といわれている。
天才建築家イムホテプによる設計。
補修されてしまっている。
階段ピラミッドの両隣に、崩壊したピラミッドがある。
遠くにダハシュールが見える。
マスタバと呼ばれる墓。
マスタバには、死者のための住居がつくられており、古代エジプト人の死生観が反映されている。
このマスタバを積み重ねたものが、階段ピラミッドである。
マスタバの内部。
とても4600年前の壁画とは思えないクオリティと保存状態。
マスタバがピラミッドのルーツであるなら、普通に考えて、やっぱりピラミッドは王の墓のような気がする。
光沢。
砂と緑の差がはげしすぎ。
サッカラでは、現代エジプト人が次々に寄って来て、ゆっくり落ち着いて見ることができなかった。
勝手にガイドし始めるヤツもいた。
4. アブシル
標識がなくて迷いまくってやっとたどりついたのに、残念ながら一般公開されておらず、中に入ることはできなかった。
ゲートから写真だけ撮らせてもらった。
一般公開されていないのに、日本人がひとりいた。
話をしてみたら、TBSの「世界遺産」という番組で取材に来ている人で、特別に許可を取って中に入れたそうだ。
その人も、一般公開されていない遺跡に日本人が自転車に乗って現れたので、最初は不思議そうに僕をみつめていた。
メイドゥーム以外の遺跡は、ピラミッドはすべて3つで1セットになっている。
これは偶然か、それとも何か意味があるのか?
次は本命のギザ。
Cairo, Egyptにて
Dst. 11081km
2012年1月28日土曜日
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