標高1000m台になると気温がぐっと上がったが、さほど暑いわけでもなく、すごしやすい気候。
予想通り、マナリ以南はほぼ完全舗装されており、交通量は増大し、空気はクラクションと排気ガスで満ち満ちている。
人口は一気に増え、ゴミ溜めのような汚いインドの街と、緑豊かな山景色が交互に現れる。
川は洗車場ではありません。
9~10月は祭りの季節なのだろうか。
それともインド人は年中祭りをやっているのだろうか。
38歳になった。
何もない小さな街で1泊。
バースデーケーキどころか、ろくな晩飯にもありつけないほど、何もなかった。
マナリにはケーキ屋もあったが、あまりおいしそうには見えなかったし、小さいのしかなかった。
ヒマーチャル・プラデーシュと呼ばれるこの地方は避暑地になっており、いくつか有名なリゾートがあるらしいが、特に魅力は感じないので、それらを通らないルートで、淡々と走り続ける。
リゾート地なんか行ったって、何もいいことなんかありゃしない。
ただ、生意気にもリゾートぶったホテルがあちこちにあって、たいしたサービスがあるわけでもないだろうに料金だけは高かったりするので、宿選びが面倒になってきた。
アップダウンの繰り返し。
いつもならダルいはずだが、今は長い登りでもさほどきつくなく、息も切れない。
交通量増大といっても、ちょっと増えすぎだろ。
狭い山道、無数のトラックが一日中絶え間なく行き交う。
気が休まらない。
クラクションは1日1万回ぐらい鳴る。
いや1万回というのは誇張だが、感覚的には1万回とでも百万回とでも言いたくなるぐらい、ほとんど鳴りっぱなしの状態。
クラクションを鳴らさなくても、車というものはちゃんと走るんだよ、安全に流れていくものなんだよ、ということにドライバーたちが気づくまで、あと何百年かかるだろうか。
下りきった。
交通量の多さとキチガイクラクションはそのままだが、フラットで広めの路肩、なめらかな路面。
まともにこげて、サクサク進めるのは、なんか久しぶりだ。
まだ、いつも以上に体が軽い。
風の影響もなし。
毎日快晴。
すっかり乾季。
インディアンフードもおいしい。
チョーメンはもう注文しない方がいい。
ヌメヌメした気持ち悪い、しかも辛い麺が出てくる。
デリーやアーグラでも、辛くて気持ち悪いヌメヌメ麺が何度か出てきた。
ある店ではそれは「spaghetti」と呼ばれ、またある店ではそれは「yakisoba」と呼ばれていた。
インド文化圏に入ったら、素直にインディアンフードを注文した方がいい。
まだメニューをちゃんと把握していないし、「No spicy, please.」と言ってもなぜか通じないので、スパイシーが出てくるか、マイルドが出てくるかは、運次第。
運良くマイルドなものが出てくれば、おいしいインディアンフードを堪能できる。
激辛でなければ、ピリ辛ぐらいだったら僕もなんとかガマンする。
38歳の大人だからね。
朝早く出発すれば、少しだけ静寂を味わえる。
めずらしく踏切。
誰も守ってねー!
しかし、待てど暮らせど列車など来ないし踏切も開かないので、結局僕もくぐった。
車はどうするんだろうな。
やはり、低地でも完全舗装というわけにはいかないのか。
しばらく、スナスナの未舗装と謎の材木運び屋さんが続いた。
インドに入国してから今までの街は、少なからず観光要素があったが、この辺の街は完全にローカル仕様で、利便性があるとは言いがたく、特に面白味もない。
ラダックを抜けてからは外国人はまったくおらず、どこへ行っても大注目される。
走行中も、昼食中も、ホテルの敷地内でさえも、インド人が僕をジッと凝視する。
皆一様に同じ目で、まったく無表情で、何も言わず、ただひたすら僕を凝視し続ける。
意外にインド人はからんでこない。
時にホテルやレストランでは、僕はVIP扱いされることもある。
カーストの名残りだかどうかわからないが、なんとなく外国人は敬われる風潮があるっぽい。
英語を話せる上司が出てきて僕を歓迎してくれて、雑用の従業員はアゴでコキ使われている。
やっぱカーストかな。
いろいろある。
でも、なぜかインド人が憎めなくて、変に癒されている。
Rishikesh, India
4679km