翌日。
ムニッシュは腹痛でダウン。
インド人がインドの食にあたるとは、興味深い。
1日ひとりで散歩。
湖畔で唯一の村、コルゾク。
1匹のイヌがずっと尾けてくる。
振り返って見つめると、「別に尾けてないし。」と目をそらす。
インドでは、ヒトもイヌも、頼んでもいないのに道案内してくれる。
ツォ・モリリ(標高4500m)。
ラダック東部にはいくつかの湖があり、いずれも標高4500mほどで、塩湖。
味見してみたが、塩っ気はほとんど感じなかった。
1cmほどの小さな魚がたくさんいる。
鳥もいる。
人はまったくいない。
僕とイヌ1匹だけ。
旅行者も地元民も皆無。
釣り人さえいない。
湖は人々の生活の糧にはなっていないのか。
いつの間にか僕は、イヌがちゃんとついてきているか、いちいち確認するようになっていた。
「あれ、あいつどこ行った?」なんて感じで。
いかん、こうやって情が湧いてきてしまうものなのか。
旅をしていると、頻繁にイヌに襲われるので、あまり好きじゃないはずだったのだが。
地図には一応、湖を一周するルートが描かれているが、実際にはこの湖は軍の管轄で、一般人や旅行者が行き来できるのはコルゾクを含む北部のみらしい。
コルゾクまでの道は石だらけのゴツゴツの未舗装だが、対岸の軍事施設までは新しいきれいな舗装道路となっている。
ひどいもんだ。
何も知らない旅行者は、舗装道路に従って進み、軍のゲートまで行って追い返されるらしい。
僕らも、分岐に気づかずに喜んで舗装道路をしばらく進み、途中で間違いに気づいて引き返した。
パーミットで金を払ってやってんだから、道路ぐらいまともにつくってほしいものだ。
しかしムニッシュによると、軍人は災害時などで活躍するので、人々から尊敬されているらしい。
走行中、軍用車とすれ違うと、ムニッシュは必ず敬礼する。
僕は、軍用車もむやみにクラクションを鳴らして歩行者や自転車をどかすし、民家はオンボロなのに軍事施設だけはきれいで立派だったりするから、とてもいい印象は持てない。
どんな職業もそれ自体は尊敬されるべきだが、軍人が特別偉いという扱いには抵抗がある。
カシミールにしてもラダックにしても、軍事施設の多さと軍人の多さは、ちょっと異常だ。
領土を守るために軍事費を投じるのは間違いだとは言わないが、やはりこういう国はバランスがおかしい。
ナキウサギ。
しばらく消えてたのに、いつの間にかまたついてきている。
滞在した宿は500ルピー(801円)だが、ムニッシュとシェアしたので割り勘。
水道は出ない。
バケツに井戸水が汲まれて用意されており、これでシャワー、洗濯、トイレ、のすべてをまかなう。
まじめに心臓発作を起こすんじゃないかと思うほどキンキンに冷えた水だが、きれい好きの僕はなんとか気合いで水浴びもするし、洗濯もする。
電気は夜だけつく。
こういう時に充電しておかないと、カメラのバッテリーがもたない。
別料金で食事も出る。
残念ながら、ここもインディアンフード。
野宿が続くと空腹感が増大する。
こういう時にガツガツ食いまくりたいところだが、出てくるのが辛い料理、というのはなんとも残念。
空腹時ならこの3倍は軽く食べるが、この時は2倍食べたところで、体が辛さを拒否し始めて、「もういいや」ってなった。
ラダック自体が辺境の地だが、ここは辺境の中の辺境。
冬になると道路は閉鎖、湖は凍り、村は完全に孤立する。
食べ物の文句なんか言ったら張り倒されそうだ。
Manali, India
2013年10月14日月曜日
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ああ・・・絶景かな・・・地球上にこのような風景があるとは。
返信削除時間が止まるような感覚があるかな。
偏狭の地を行く半そでのryoに力強さを見た!
とてつもなく感動するのは、観光地や名所ではなく、いつも決まってこういう辺境の地。
削除世界の美しい湖ベスト3に確実にランクインするレベルだけど、人っ子ひとりいやしない、いやイヌが1匹いたけど、全部独り占めできたよ。
夜は氷点下だけど、日中は日差しが強くてけっこう暑いんだよ。
この絶景を独り占めとは・・・こういうのを本当の贅沢というのだ。
削除しかしながら、鼻汁の出すぎだよな子供たち・・・
基本、インド人はティッシュやトイレットペーパーを使わないからな。
削除この子たちはこれから手鼻のかみ方をおぼえるのだろう。