標高2000m、マナリ。
レーからマナリまで12日。
その間、村はあったが街と呼べる規模のものはなかった。
宿で、12日ぶりに鏡で自分の顔を見た。
きったないヒゲヅラになっていたので、愕然とした。
日焼けと乾燥で、鼻の皮がボロボロにむけていて、下唇はパッカリ割れていた。
服を脱ぐと、もうガリガリのヒョロヒョロ。
痩せすぎだ。
この宿はなんと、お湯が出る。
レーの宿では申し訳程度のぬるま湯で、限りなく水に近かったが、ここはちゃんとした熱いお湯。
最後に熱いシャワーを浴びたのはいつのことだったか、思い出せない。
申し分ない部屋で、200ルピー(318円)という安さ。
これは長居したくなる。
マナリは、規模は小さな街で、地図で見つけるのも苦労するほどだが、ラダックへのゲートということもあり、程良い標高で避暑地になっているということもあり、意外にツーリスティックな街。
レーに比べたら、大都会のようだ。
なんといっても、電気がある。
いつでもネットができる。
2度ほど、停電とネット断線があったが、短時間で復帰、深刻なレベルではない。
そしてうれしいことに、チベタンフードが食べられる。
僕の中での定番、チョーメンとモモ。
チョーメンはチベタンフードではないけど、辛くないし、具だくさんでボリュームもあるし、いいでしょう。
日本人の感覚だと、チョーメン2人前+モモ1人前=計3人前ぐらいのボリュームだろうか。
肉を食べたのも12日ぶり。
日本人がたくさん来ているとは思えないが、和食メニューがある店もある。
すき焼きとオムライス。
全然期待していなかったのだが、思いのほか本格的なのが出てきたのでびっくりした。
しかしながら、ルックスは本格的でも、味は、おいしくはない。
すき焼きはしょう油の味付けではないし、オムライスはケチャップの味付けではない。
僕が知っている日本のすき焼きとオムライスとは、まったく異質。
でもまあ、辛くないし、具だくさんでボリュームもあるし、いいでしょう。
日本人の感覚だと、すき焼き2.5人前+オムライス1.5人前=計4人前ぐらいのボリュームだろうか。
ちなみに、すき焼きとはいえ、インドでは牛肉は食べないので、チキンかマトンかを選ぶ。
これはマトン。
以上はちょっと高いレストラン(といっても500円ぐらいだったと思う)だが、大衆食堂や屋台でもチベタンフードが食べられる。
屋台のモモは、5個で20ルピー(31円)。
体が栄養をガンガン吸収する。
店を出た後も、屋台でモモをつまみ、売店でチョコチップクッキーをドッサリ買いこむ。
こういう時の僕は、いくら食べても満腹にならない。
バキューム。
ラダック人であれインド人であれ、山岳地帯の人は感じがいい。
店でも宿でも笑顔があり、軽く話しかけてくれる。
粘着質にしつこくからんでくるわけでもなく、程良い感じ。
アムリトサルからインドに入国して、最初はシク教、カシミールはイスラム教、ラダックは仏教、そしてここからはほぼヒンドゥー教。
コロコロとよく変わる。
チャパティは、僕のもとを離れ、マナリの街の闇へと消えていった。
小さな街なので、歩いているとチャパティに出くわす。
ちゃんと僕のことを認識してくれるが、もう後をついてくることはない。
出発する前日にも会ったが、その時はもう、僕のことは半分おぼえているが半分忘れているような、そんな反応だった。
メリットのない主従関係なら、当然記憶から消されていくだろう。
マナリで自分の縄張りを確保し、この街の無数の野良犬たちとうまくやっていけることを願う。
それともまた、通りすがりの旅人についていって、別の街に移動していくのだろうか。
Haridwar, India
4648km
2013年10月22日火曜日
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しばらく更新がないと思っていたらちょっとハードな行程だったようですね。
返信削除チャパティもこんな賑やかなところの方がいろんな人からおこぼれもらえそうな気がします。
しかし町が一気に垢抜けましたな。
ラダックは行政上はインドですが、インドではないと思ってます。
削除ここからは別世界。