2013年10月31日木曜日

ノンツーリスティックエリア 1

大河、ガンジス。




ひたすら平原、農村走行。


踏切が開いた。

すれ違うガキどもが次々に僕の自転車に触る。

カシミールやラダック、デリーやアーグラなど、今までのインドのツーリスティックエリアは相当、外国人や金持ちインド人旅行者に合わせてくれていたということがわかってきた。
この辺の完全ローカルエリアは、なかなかハードだ。
どこまでもインド的で、容赦ない。
交通はよりいっそう激しく粗野で、街に着いても、とても落ち着いて気を休められるような雰囲気ではない。
大きな街ほど不便で、必要な物資も入手しにくい。
インドって、どうしてスーパーをつくらないんだろうな。
食事は、ランク高めのレストランを見つけない限り、ひどいのが出てくる。
また痩せそうだ。
宿は、観光地ではこんなにつくってもしょうがないだろうと思うぐらい無数にあったが、この辺はめっきり少なくなった。
盗難詐欺暴行の標的にされる確率が低いという意味では治安は悪くないが、この安心感のなさ、このやりづらさはなかなかハイレベルだ。

しかし、これもまた旅。





人々は、生まれて初めて外国人を見たかのような反応をする。
それぞれの土地で、僕を見た時の人々の反応を観察するのは面白い。
インド人はあまりからんでこないが、自転車やバイクに乗った少年が僕を追跡する。
話しかけてきたりはせず、皆一様に同じ目で、無表情で、黙って僕を凝視する。
自分たちもまた観察されているということなど、かれらは露ほども思ってなさそうだ。



宿は減ったが、時々、農村地帯に突如高級ホテルが出現することもある。
高級ホテルといっても、遠目だと立派だが、近づいて見るとやはりお粗末なつくり。
エアコンもつかなければお湯も出ない。
まあ、僕は水と電気さえあれば十分だが、サービスに欠陥ありなら値引きしてほしいな。
アフリカ以来思っていたことだが、インフラ整備が不十分なところでは、高級ホテルなどありえないのだ。
一応、Wi-Fiについて聞いてみたが、支配人はWi-Fiという言葉を聞いたことがないようだった。

広大なホテルに、客は僕ひとり。


門番、受付、調理、清掃、と従業員は多数。
どうやって経営が成り立つんだろうな。

また踏切待ち。
待機中も、こうやってかれらは1秒たりとも僕から目を離してくれない。


この車が走行できているのは奇跡じゃないだろうか?


踏切待機中にクラクションを鳴らす人はいない。
以前、車止めの柵に対して鳴らしている光景を見たことがあるが、踏切に対して鳴らしても踏切が開くことはない、ということは理解しているみたいだ。
それとも、鳴らし疲れて手を休めているだけなのか。

順番を守らずズルして右側で待機していると、踏切が開いた後に対向車とぶつかり合うことになって渋滞が悪化する、という予測はまだできないみたいだ。




街中でも、2ケツ自転車や2~3ケツバイクが僕を尾行し、時々こうやって前に出てきて振り返って僕を凝視する。






写真を撮っている僕に手を振って笑顔を見せてくれた。


そしたらたまたま通りかかった牛車も、わざわざ立ち止まって「オレたちも撮ってくれ!」と。


これだけで一気に和む。



街中や村中でも、テント生活をしている人たちがいる。
空き地の奥の方にテント集落が見える。






2ケツバイクがしょっちゅう、こうやって立ち止まって振り返って僕を凝視する。

1分ぐらいこの状態をキープしてたけど、首疲れないのかな。

パキスタンの低地でも、日々無数のバイクにつきまとわれた。
でもかれらの多くは、英語であれウルドゥー語であれ、話しかけてくれたりあいさつしてくれたりしたので僕も相手をしたが、無言で追跡というのはやはり気分悪い。

ちなみに自転車やバイクによる追跡は、アフリカでも日常茶飯事。
でも、地域によってスタイルや性質が違う。









そういえば、ラダックを出てから女性とまったく接してないな。
売店でもネットカフェでもレストランでもホテルでも、従業員は男性のみ。
女性は人前に出る仕事はしない。
まるでパキスタン。
最初は、パキスタンに比べて女性が解放されているなと感じていたが、けっこうイスラムとの共通点は多い。
実際、この辺もムスリムは多い。







交通整理していた警官が、コーラとサモサをごちそうしてくれた。


サモサというのは、ウズベキスタンでハマったサムサ(マトンのミートパイ)とルーツは同じだと思う。
インドやパキスタンでよく見るサモサは、パイではなく揚げ餃子に近く、中身は肉ではなくポテトで、辛い。
ウズベキスタンでは道端サムサ屋さんを見るたびに立ち寄っていたが、インド・パキスタンのサモサにはまったくそそられない。

警官の服を着ているのはひとりだけで、それ以外の、ここでたむろしている人たちは何なのだろう?


親切に丁重に僕と接してくれたが、そんな警官でさえ何の躊躇もなくゴミをポイ捨てする光景には、どうしても失望してしまう。











ちゃんと自転車屋さんもあります。








これは、今までのインディアンフードで一番うまかった。

ナンは、これだけじゃ全然足りないので、追加で注文する。














Nepalganj, Nepal

5262km



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