2012年12月10日月曜日

カスピ海フェリー(バクー→アクタウ)

不定期便だが、2、3日に1本は運航しているようだ。
ホステルの人に頼んで電話をしてもらい、今日フェリーが出ると確認できたので、チェックアウトして港へ。


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チケット95マナト+自転車10マナト=105マナト(11012円)。

待合室などもなく、いつ出るかもわからないフェリーを外で気長に待つ。

しばらくして税関の職員が、「マイフレンド! こっちへ来い!」と言って昼食をごちそうしてくれた。
モツとポテトを揚げたようなものをパンにはさんで食べる。
うまい。
「もっとドンドン食べろ」と言われたので、遠慮なくガンガン食べた。

そしたら、歯が取れた。

飲み物はウォッカ。
酒を飲まない僕にはウォッカは強すぎるのでチビチビと飲んだが、こっちの人は水でも飲むかのようにゴクゴクと一気に飲み干す。
おかしい。

彼はうれしそうにニコニコしながら電話をかけた。
もちろん僕はアゼルバイジャン語はまったくわからないが、この時彼が電話で話した内容は明確に理解できた。

「もしもし、母さん? 今ね、自転車で旅行している日本人が、母さんがつくった弁当をうまいうまいって言いながらムシャムシャ食べてるよ。あ、ちょっと待ってね、写メ送るから・・・・パシャッ。」

ごちそうになってうれしいのはこっちなのに、なぜか彼もとてもうれしそうだ。

そうこうしているうちに、乗船の許可が出た。

言われるがままに出国の手続きをする。
係員たちは皆、僕が日本人だとわかると 「ヤクザ、ヤクザ」と言う。







取れた歯をポケットにしまっていたのだが、なんとポケットに穴が開いていて、落としてしまったようだ。
船内を探したが見つからず、出国してしまったので再上陸もできない。







16時半、出航。

船室は4ベッドのドミトリーで、僕は年配の夫婦と同室だった。
他にも旅行者が2、3人いた。
旅行者といっても趣味で旅行しているのは僕ぐらいで、他の人はなんらかの事情があって移動しているのだろう。

トイレ・シャワーは共同。

なぜか、シーツ代で1マナト請求された。
食事も別料金。
こういうのは全乗客が利用するものだから、チケット代に含めておいてほしいよ。

しかし、船上レストランはすばらしかった。


つくっているおじさんもおばさんも、気さくに話しかけてきて歓迎してくれた。
肉もパスタもスープも、ひとつひとつに「おかわりはいるか?」と聞いてくれた。
おかわりはいるかと聞かれて断るわけがない!
ここぞとばかりにたらふく食った。
満足。

ひとりの船員が僕に「I want to speak English.」と何度も話しかけてきた。
英語を話せる船員は給料が上がるから練習のため英語で話をさせてくれ、ということらしい。

大人で英語を話せるアゼルバイジャン人は少ないが、今は学校で英語教育がさかんで、 若者で話せる人は多いようだ。
彼の子供も英語が上手だそうで、子供からもよく教わる、と言っていた。

いろいろ話しかけてもらったが、しばらくするとやはりヒマになるので、映画を見た。
トビリシで会ったサトシさん&アサミさんから、映画や日本のTV番組をデータでたくさんもらっていたのだ。
便利なもので、かれらが持っているハードディスクに入っているデータを、ごく短時間で僕のラップトップに取り込むことができる。
今や、こういったデータ交換は旅人たちの間で当たり前のようにおこなわれているらしい。
僕は日本にいる時は映画もテレビもまったく見ないが、しばらく日本を離れると見たくなるものだ。

アゼルバイジャンマナト。




翌日16時半、カザフスタンのアクタウに到着。


時差を引けば、23時間の航行。
真夜中に到着することもあるらしいで、順調に着いてラッキーだった。

言われるがままに入国手続きをすませる。
この時、入国カードにスタンプが1つだけ押される。

中央アジアでは、ソ連時代の無意味な慣習が今も残る。
カザフスタンの場合は、入国後5日以内に滞在登録(レギストラーツィア)をしなければならない。
IMMIGRATION POLICEに行って手続きをする。


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手続きといっても、入国カードにもう1つスタンプをもらうだけ。
ここは英語の案内板がなくてわけがわからないので、ひたすら「レギストラーツィア、レギストラーツィア」と連発して窓口に案内してもらう。
「30~40分待て」と言われたが、1時間半も待たされた。
スタンプ1つに1時間半。
この手続きを完了させなければ、つまりスタンプが2つ押されたカードを所持していなければ、出国時に多額の罰金や逮捕もありえるらしい。
以上のことは入国時には何の説明もない。
僕はガイドブックで知った。


Aktay, Kazakhstan

24329km


3 件のコメント:

  1. 無事アジア入圏おめでとう。

    ガイドブックにはないルールが多々あり苦労しているなぁ・・・
    船内の食事が美味しいのは救われるな。

    しかし、歯をどうするか・・・アゼルバイジャン語が話せないと
    治療の要求が理解してもらえないかもしれない。
    良い歯科医がいればいいんだが。

    16日に総選挙投票日だ。前政党が勝利する事になれば、日本は
    必ず衰退する。

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    1. 未知の領域に突入するのはいつもドキドキするけど、今のところ思っていたほどストレスを感じてないよ。
      アゼルバイジャン以外は、旅行者も年々増えてるだろうから少しずつ旅しやすくなっていくと思うんだけど。

      選挙結果、今からチェックする。


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  2. とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。

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