準備は整った。
あさって30日、ハルツームに飛ぶ。
国際空港はカンパラから40kmほど離れたエンテベというところにあり、明日そっちに移動する。
ハルツームまで距離は近いのに直行便がなく、ナイロビ経由で6時間。
チケットは102万3050シリング(3万2532円)。
荷物の超過料金で大金をふんだくられないか、心配だ。
行きのシンガポール航空はぶっちぎりの史上最悪で、8万円も取られた(ふつうは数千円)。
アフリカも、外国人からはいくらでもふんだくっていい、という風潮があるので、こういう時は怖い。
スーダンビザは難なく取れたが、滞在許可が2週間なのであまりゆっくりできないかもしれない(観光ビザなので延長はできるとは思うが)。
スーダン大使館はNakasero Rd沿い、南アフリカ領事館のすぐ近くにある。
ビザ申請受付は火木のみ。
用意するものは、パスポート、写真2枚、15万シリングまたはUS$60。
翌日発行。
大使館職員の対応は良く、スムーズに事は運んだ。
エチオピアでスーダンビザを取る場合は、まず事前にエジプトビザを取ってそれを提示し、US$100も払い、それで2週間のトランジットビザしかもらえないらしい。
エジプトで取る場合もUS$100らしい。
なので、スーダンビザはカンパラが一番安くて取りやすいと思う。
スーダンではATMでお金がおろせない、という情報があった。
カンパラでスーダンポンドを取り扱う両替屋をみつけられなかったので、大量のUSドルを用意した。
スーダンに着いたら、このドルをスーダンポンドに替える。
今のところ、街にある両替屋はレートが良く、両替してもあまり損はしない。
ただ、「この国では国際キャッシュカードが使えないから外国人は現金をたくさん持ち歩いている」ということが悪い人に知られたら大変だ。
ハルツームからは、イスラム教のアラブ世界で、また別の新たな世界が始まるだろう。
地理的にはアフリカだが、文化的には中東に突入する感じか。
ブラックアフリカはここで終わり、このカンパラがひとつの区切りとなる。
半年前、ケープタウンの空港に着いて自転車を組み立てていた時、たくさんの人に話しかけられたが、一番最初に話しかけてきた人が、なんとカイロからケープタウンまで自転車旅行をしたことがある、というさわやかな白人の青年だった。
僕は興味しんしんでいろいろ質問した。
彼の流暢できれいな英語は僕の耳にはあまりうまく聞き取れなかったが、「difficult people」という言葉が何度か繰り返され、その言葉がずっと頭に残っていた。
彼は僕に「I envy you(君がうらやましいよ). Good luck!」と言ってさわやかに去って行った。
実際にアフリカを旅してみると、たしかにこの異次元ワールドには「difficult」な人たちがたくさんいた。
どうしようもないほど貧しくて、不便で、あまりにも「こちら側」と常識が違いすぎて、腹が立つことも多く、イライラさせられることも多く、トラブルになったり、ケンカになったり、ひどい言葉で罵ってしまったこともよくあった。
世界旅行をするのだから、自分と常識が異なる人と接するのは当たり前で、むしろそれを楽しみにしていたのだが、現実にこの異次元ワールドに飛び込んで生活するということは、強い忍耐力と広い懐が要求された。
自分と異質な者をどう理解し、どう受けとめるべきか、苦悩の連続でもあった。
しかし今、もうこのブラックアフリカともおさらばなのかと、改めて人々をみつめてみると、たまらなくいとおしい。
エネルギッシュで、プリミティブで、やたらと声がでかくて、やたらと歌がうまくて、うっとうしいほどフレンドリーで、屈託のない笑顔で、力強い握手で・・・
僕はかれらからパワーをもらっていた。
ああ、お別れするのはさみしい。
ストリートチルドレンに、お菓子と果物と水を配った。
4歳か5歳ぐらいに見える女の子が「ウッキャー!!!」とすごい声で叫んで飛び跳ねた。
子供たちはすぐに食べようとはせず、少し離れたところにいる母親のもとへ持って行った。
子供にこんなことさせるんじゃねえよ、と怒りがこみあげる。
でも、家族全員で分け合って食べ始めた。
いったいどうしたらこの貧困から脱却できるのか、いくら考えても僕には明確な案は思い浮かばなかった。
アフリカは、戦後の日本のように、欧米の社会システムをすんなり受け入れて、がむしゃらに働いて経済大国にのしあがる、なんてことはまずない。
アフリカは日本とは違うし、欧米とも違う。
いつの日か、アフリカなりの発展をとげて貧困から立ち直ることができるのだろうか?
それとも何十年たってもこのままなのだろうか?
気になる。
今年は、日本にとって大変な年だった。
こんな時に旅行なんかして罪悪感もあり、ずっと日本のことも気になっていた。
いつものように気軽に「よい年を」とは言えないかもしれないが、復興を願いながら、言わせてください。
みなさん、よい年を!!!
Kampala, Ugandaにて
2011年12月28日水曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
エチオピアビザの力になれず申し訳ありませんでした。今後も事故に気を付けて頑張ってください。
返信削除とんでもないです。
返信削除いろいろ教えてもらって本当に助かりました。
やっぱりスーダン北部2週間で抜けるのはちょっと厳しいですね。
着いたら延長します。
ルートがとうとう決まったか。
返信削除自転車の輸送費がいくら掛かるのか・・・
航空会社はどこにした?
それにもよるだろう。
成田からの輸送費は破格だったな。
スーダンからエジプトへ向かうのか・・・
南の情勢はニュースで探せるのだが、北部は大丈夫なのだろうか?
今後は、イスラム圏内でアラブ諸国だから戸惑うことも
多いかもしれないね。
髭伸ばさなくていいのかな?
伸びないんだっけ?
出発からもう半年が経過したのか・・・
ブログを通じてだが、楽しませてもらっている。
ryoはスーダンで年越しか?
よいお年を!
最後の自転車の写真好きだなぁ。
返信削除来年も素晴らしい旅を!!!
winlook君
返信削除航空会社はKenya-Airwayで、自転車の超過料金はUS$168といわれたがUS$150にまけてもらった。
でも高いな。
スーダンの治安はたぶん大丈夫。
ハルツームからエジプトにかけてのルートは多くの旅行者が通っている。
イスラムはコーランがすべてで、理屈が通じなさそうだから怖いな。
ヒゲとかまで強制されることはないと思うが。
winlook君には本当にお世話になった。
今年もよろしく。
110-U君
ありがとう。
君にも元気づけられた。
そちらはどう?
仕事は順調?