ケニア入国。
ビザ代US$50。
国境の街ナマンガが、アンボセリ観光の拠点となる。
宿泊したホテルで、日帰りサファリツアーの手配をした。
総額15000シリング(12900円)だといわれた。
「総額でこの料金なんだね? 入園料も含まれているんだね? これ以上はビタ一文払わないからね。」
と念を押した。
その従業員は、「No problem. Don't worry.」となんとも適当そうに答えた。
翌朝、いろいろと不安を抱きながらも、ドライバーとガイドに率いられ、アンボセリへと向かった。
国立公園のゲートに着くと、案の定というべきか、入園料を請求された。
僕はすでに払ってある旨を伝えたが、ドライバーもガイドも雇われているだけで、こちらの契約については何も知らないし、お金も何も預かっていない、という。
ドライバーがホテルに電話して問い合わせたところ、入園料は別で、僕が今払わなければならない、という。
もう口論するのもバカバカしく、この時点で完全にやる気を失った。
「もういい。やめた。帰ろ。」
と言って引き返した。
(この日は曇天のためキリマンジャロはまず見れなかっただろうから、心おきなくあきらめることができた。)
ちなみに入園料はUS$60で、さらに車1台につき2000シリング払わなければならない(なぜ入園料だけドル払いなのかはわからない)。
サファリ代の15000シリングと合計すると、日本円で約2万円になる。
さらに、ケニアはチップ社会だと聞いており、サファリが終わった後、ドライバーとガイドに数十ドル要求されるおそれもあった。
これは日帰りサファリなので、遠足みたいなものだ。
誰が遠足に2万も払うか!
おそらくアフリカでは、こういうトラブルはよくあることなのだと思う。
今までも、白人旅行者と現地ガイドまたはドライバーがもめている光景を、何度か見たことがある。
いくらルーズな気質でも、お金がからんでいるからにはビジネスなのだから、契約は絶対に遵守しなければならない。
しかしここの人たちは、後で起こりうるトラブルなど考えもせず、何の根拠もなく「No problem. Don't worry.」と気軽に言う。
まあでもおかげで、サファリに対する未練がふっ切れた。
もう今後、他のサファリの誘惑に迷うこともないだろう。
自転車旅行なんだから、余計なことに金を使わず、自転車だけこいでればいいのだ。
いつもそうだが、国境を越えていきなり世界が変わるわけではなく、進みながら徐々に変化に気づく。
まず、英語の通用度が上がった。
田舎でも英語が通じる。
英語が通じると楽だが、もうスワヒリ語が上達することはないのかと思うと、ちょっと残念。
タンザニアはスワヒリ語が国語で英語が公用語だが、ケニアはスワヒリ語も英語も公用語。
意外にも、英語は話せるがスワヒリ語は話せない、という人が多い。
各民族は、それぞれ独自の言語を母語とし、第2言語として英語を話すようだ。
ナマンガでの一件をのぞけば、ケニア人はフレンドリーで人当たりが良く、無礼な言動も少ない。
街のエントロピーもだいぶ減少した。
手作りの掘っ立て小屋も見なくなった。
確実に、タンザニアとは別の国だ。
「赤道に近づくごとにディープになっていく」という法則が、ここで崩れた。
タンザニアがピークだったのかな。
それを裏付けるかのように、物価が少々上がった。
ホテルは、今のところ1500~2000シリング(1290~1720円)。
アフリカの物価になれてしまうと、宿泊に1000円以上というのはすごく高く感じる。
メシがめちゃくちゃうまい!
まだタンザニアとの違いははっきりつかんでいないが、どの店に入ってもハズレがない。
僕は今ピラウ(ピラフ)にハマっていてピラウばかり食べているが、肉も野菜もスープも、すべてが感動的なまでにうまい。
ボリュームも値段も良い。
すばらしい。
今まで、アフリカンフードがうまいなんて聞いたことなかった(そもそも何を食べているのかもよく知らなかった)が、これは大いに絶賛して宣伝していいレベルだ。
日本にもアフリカンフードを広めましょう!
ケニアシリング。
首都ナイロビ。
1名メット未着用。
無人ゴンドラ放置。
アメリカ大使館跡。
1998年にアル・カーイダによって爆破され、現在はメモリアルパークとなっている。
当時の写真。
100シリング紙幣と同じ構図。
コンファレンスセンターの屋上から。
左の道路はいつも渋滞しているらしい。
交通量が多いのに信号をつくらず、ラウンドアバウトだと大渋滞になるという例、かな。
東アフリカ最大の都市であるとともに、最危険都市としても知られている。
特に外国人旅行者を標的とした強盗や凶悪犯罪が頻発しており、ガイドブックでは最高レベルの警告が発せられている。
シティセンターと呼ばれるエリアだけは危険度が低いようなので、そこにたどり着くまでは僕も最高レベルの警戒心をもってのぞんだ(といっても具体的な対策は特になかったのだが)。
しかし今のところ、まったく危険な匂いはない。
おそらく、ナイロビを訪れた旅行者は誰もが、「どこが危険なの?」と拍子抜けするのではないだろうか。
そう油断させておいて実際に犯罪が起きるから危険といわれているのか、それとも近年は治安良好になりつつあるのか、なんともいえない。
ショッピングモールなどの建物に入る際は、金属探知機でボディチェックされる。
展望台があるコンファレンスセンターのビルに入った時は、空港並みにX線による所持品チェックがあった。
シティセンターを歩いていると、しょっちゅう怪しい者から「コンニチハ」「トモダチ」などと声をかけられる。
大半はサファリの勧誘のようだ。
アフリカでは、街を歩いていても日本人はめったに見かけないのに、現地人は日本語で話しかけてくるから不気味だ。
ダルエスサラームでもモシでもアルーシャでも、日本語による客引きは多かった。
うっとうしいが、心情的には「チナ」「ニーハオ」と言われる方がはるかに不愉快だ。
スーツ姿のビジネスマンが多い。
ビジネスマンでなくても、多くの人が普通の洋服を着ていて、民族衣装はあまり見ない。
これだけ大都市なのに、自転車屋がない。
1軒あったが、MTBパーツのみで、必要な物は入手できなかった。
宿泊しているホテルは、やはり5階建てで、僕の部屋は5階。
たのむからエレベーターつくってくれ。
でも2日目に、3階の部屋が空いたので移ってもいいよ、といわれた。
なかなか良心的だ。
「ナイロビ」はマサイ語の「エンカレ・ナイロビ」(冷たい水)に由来する。
赤道直下だが、標高1600mで一年中すごしやすい気候。
Nairobi, Kenyaにて
2011年12月7日水曜日
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サファリツアーは災難だったな。
返信削除やはり外国人で日本人となると狙われるのだろうか?
ナイロビは大都市だね。
建築様式が様々で興味をそそられる。
しかし、ここにもテロの標的があったんだな。
あの食事は美味そうだ!
日本でもきっとうけるはず。
大都市なのに自転車店が無いのは、車社会だから
じゃないかな?
ところで、あのデッカイ虫はなんだ?
苦手なので思わず速くスクロールしてしまう・・・
なにこのロボみたいな百足超かっけ~!(◎_◎;)
返信削除動画が音声しか聴こえんのが残念。
動くとこ見てぇ!
動画観れた(^O^)
返信削除質感も動きも金属っぽいね。
winlook君
返信削除サファリ中に強盗にあう例もあるらしい。
食がうまそうに見えてよかった。
日本人は世界中の食を受け入れる味覚を持ってるから、きっとうけると思う。
あのムカデはなんだろうね。
まったくわからん。
溶接屋さん
エイリアンっぽいよね。
でもだいぶ弱ってるみたいだった。