標高2200m。
今まさに、グレートリフトバレーを見下ろしながら、走行している。
標高2500m。
前方にナイバシャ湖。
人類起源の学説はコロコロ変わるのでどこまで信じていいのかわからないが、数百万年前、この谷底でわれわれの祖先がヒトとしての生活を始めていた、とイメージしてみる。
イメージするだけでいい。
そして、地底ではプレートが激しくぶつかりあっており、数千年後にはこの谷底が引き裂けて大陸が分離する。
これもイメージしてみる。
また夢を壊すようなことを言うが、ここは決してすがすがしい空気ではない。
ナイロビを出てから、排気ガスがすさまじい。
猛烈な排気ガスをダイレクトにくらいながら、かつ標高が高いので低地から上昇してくるガスで非常に息苦しく、ノドを痛めてしまった。
ケニアでは、国立公園でも無人地帯でもない、車がガンガン走っている道路のかたわらで、野生動物が見られる。
シマウマとトムソンガゼル。
「排気ガスきつくないすか?」と聞いてみたい。
インパラ。
バブーン。
セクレタリーバード。
ハタオリドリ。
テリムクドリ。
マラウイをピークとして子供の数は減少傾向にあるが、子供たちの反応はどこも同じだ。
相変わらず子供たちとたわむれる日々。
茂みから突然子供が現れるからびっくりする。
ギブミーマネー攻撃も、マラウイをピークとして減少傾向だと思っていたが、ケニアに来て再び激化している。
子供たちは、僕を見るとなんのためらいもなく条件反射的に「ギブミー」と言う。
なぜそんなに貧しい?
前回の投稿で、「物価が少々上がった」と書いたが、ナイロビを出てからは、安い。
ホテルは1000シリング(860円)か、それ以下。
従業員はよく働くし、礼儀正しい。
物は豊富だ。
街では道端で露店がひしめきあい、それほど大きな街でなくても品ぞろえのいいスーパーがある。
しかし街から離れると、子供たちから「ギブミー」と言われまくる。
なぜだ?
ナイロビを離れても、洋服を着ている人が多く、民族衣装は見なくなった。
にぎやかな街の風景を撮りたいのだが、カメラを向けたら嫌がられそうな雰囲気がプンプン漂っているので、まだ街の写真は撮れていない。
ドライブマナーは、タンザニアに比べたら若干マシになった気がするが、それでも目を疑うような光景がよくある。
近代都市ナイロビでも、歩行者用の信号が青で歩行者が横断している時に、車が信号無視して容赦なく突っ込んでくる。
ジャンクションではゆずりあい精神のかけらもなく、皆我先にと詰め寄り、詰まりすぎて渋滞になる。
今滞在している街で、ついに人を轢く瞬間を目撃してしまった。
轢かれた人はなんともなかったようで、すぐ立ち上がって歩き始めた。
ドライバーは、一応車を停めて降りたが、なぜか笑顔だった。
「やだ~どうしよう~人轢いちゃった~」ぐらいの感じに見えた。
お詫びします。
前回の投稿で、「サファリへの未練がふっ切れた」と書きましたが、実は未練ありまくりでした。
僕はもともと、先日のアンボセリ国立公園と、それからナクル湖国立公園の2つをサファリの候補として考えていた。
ナクルの街に着いて、たまたま宿泊したホテルの1フロアにツアー会社が入っていて、一応料金を聞くだけ聞いてみたら、半日コースで7000シリング(6020円)+入園料US$60と言われ、却下。
しかしその後、オランダ人のカップルが申し込んできて、これに同行するなら1日コースで4000シリング(3440円)+入園料、と言われた。
人数が増えれば割り勘できるので、安くなるのだ。
これは行くしかないだろう、と即決した。
アンボセリの時は、素人が即席ででっちあげたインスタントサファリみたいな感じで頼りなかったが、ここはちゃんとしたツアー会社で、信頼できると判断した。
そんなわけで、行ってきました、ナクル湖国立公園1日サファリツアー。
ナクル湖の最大の売りは、フラミンゴの大群。
湖がピンク一色に染まるほどで、その数は世界一といわれている。
しかし、いない。
ペリカンやサギなどの野鳥はいるが、主役のフラミンゴが、ほとんどいない。
どうやら今は、ここから数十km離れた別の湖に移動しているらしい。
こんなことってあるのか。
しかし、湖の周辺は野生動物の宝庫だった。
インパラは無数にいる。
シマウマも無数にいる。
こいつは妊娠しているらしい。
こいつはケツをライオンにかじられたらしい。
バッファローも無数にいる。
ズームなしで撮るとこんな感じになってしまうが、実際は壮大だった。
ライオンがバブーンを食べている。
捕食シーンは人気があるようで、車が10台近く停まり、渋滞になるほどだった。
客は皆興奮し、オランダ人カップルの彼氏の方も、「このグルルルって音がたまらないぜ」みたいなことを言っていた。
僕はそんなにいいものとは思えなかった。
数十人の人間が食事中のライオンに群がってカメラを向ける光景が異様で、自分もその一員になってしまっていることに嫌気がさした。
仲間(家族?)が食われているのを樹上からみつめるバブーン。
写真を撮る時は人が写らないようにしてきたが、実際は人多い。
車から降りてもいいポイントでは、こんな感じ。
ちなみにサファリ客のほとんどは白人で、あとアラブ人もわずかにいた。
この湖をピンク一色に染めてくれるんじゃなかったのか。
サイがお目当てだったのだが、距離が遠すぎてその巨大さは実感できなかった。
最大ズームでやっと確認できる。
ウォーターバック。
グラントガゼル。
トムソンガゼル。
ディクディク。
ジャッカル。
ナミビアでも見たが、撮影は初。
サバンナモンキー。
無事にサファリを終えた。
ただ、入場の際、ゲートの係員とオランダ人カップルがもめて口論になり、彼女の方が泣き出してしまった、というハプニングがあった。
そのもめごとの内容はたいしたこととは思えなかったが、やはり僕だけではない、アフリカ旅行はいさかいが多いのだ。
便乗させてもらった身分なのであまり文句はいえないが、やはりサファリ中はずっと不自由さを感じていた。
猛獣がいるので自由にさせるわけにはいかないのはわかるが、ただ車に乗せられて連れて行かれて動物を見るだけの動物鑑賞会、という感覚がどうしても否めない。
「サファリ」はスワヒリ語で「旅」という意味だが、僕にとっての「旅」とは程遠い。
でもやはり自然はいいものだし、一度でも経験できてよかった。
Nakuru, Kenyaにて
Dst. 9456km
2011年12月13日火曜日
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メールを送りました。カンパラの信頼できそうな旅行会社に確認したところエチオピアのビザは普通の旅行者でも最近までは取れていたとのこと。今月はやってないので、いきなり制度が変わっていれば、それはまた別とのことですが。
返信削除追記:相変わらず写真が素晴らしい・・・・
返信削除お手数かけまして、すみません。
返信削除メール返信しました。
写真ほめてくださってありがとうございます。
でも自分で思うのですが、車内から撮った動物の写真は、距離が近くても臨場感に欠けますね。
やはり自転車走行中の出会いの方が断然いいです。
野生のライオン・・・・
返信削除日本では考えられない風景に出会えている。
排気ガスは車に触媒の取り付けが義務付けられていない
からだろうね。
アフリカはやはり壮大だ・・・
長女が「写真上手い」って。
南アに着いた時から感じでいたが、排気ガスの匂いが中南米とまったく同じなんだよな。
返信削除最初の頃は、ガスをくらうたびに中南米の情景がよみがえった。
アフリカは当然車検なんてないから、車の故障が異常に多いよ。
パンクやらエンジントラブルやらで、しょっちゅう立ち往生している。
(長女)ちゃんにほめてもらえるなんて、光栄だ。
謙遜じゃなくて、本当に自分では上手いとはまったく思っていない。
被写体が日本の日常とかけ離れているから、良く見えてしまうのだろう。
いずれにしても、写真を見て何かを感じてもらえるなら本望。
ありがとう。