道はさらに険しくなり、ジープは通らなくなった。
人間だけの移動はバイク、物資の運搬はロバ。
標高3000m。
長ッ!
このマニ車は、一回転させれば一回お経を唱えるのと同じ功徳があるという。
もちろん時計周りで。
しかしこれじゃ全部回すのも大変だな。
長い木材などはロバではなく人が運ぶ。
ラダック以上に不便な生活だと思うが、人々は楽しそうだ。
民族と宗教は変わったが、言語はネパール語のまま。
時々「ジュレー」と言う人もいるが、大半は「ナマステ」と言う。
低地で聞いたネパール語と同じとは思えないほど、激しい口調。
特に女性のしゃべり方がとても激しく、ふつうの会話をしているのだろうけど、甲高い声を張り上げたりドスをきかせたり、まるでケンカをしているようで、聞いていて面白い。
昨冬は極寒の中央アジアを旅したが、中央アジアは外はいくら寒くても、屋内はセントラルヒーティングというすぐれた暖房システムで、暑いぐらいだった。
しかしこちらのアジアは、暖炉以外の暖房システムはなく、宿は手づくりで隙間風が吹き込み、室温は外と大差ない。
朝起きてすぐ温度計を見たら、-1℃だった。
日陰は-5℃。
アンナプルナⅢ峰(7555m)。
満たされるひととき。
ヤク。
Pokhara, Nepal
6123km