2012年8月17日金曜日

プリシュティナ

ニーシュでの取材はローカル放送ではなく全国放送で流れたらしい。
僕は見ていない。

ちょっと頭のおかしなおばさんにストーキングされて身の危険を感じた。

夕方、アイルランド人のサイクリストがやってきた。

僕がクソ重い鍵を3つもかけているのに対して、この人はゼロ。
いつか痛い目にあうぜ。

ホステルは2000ディナール(1660円)と高かった。
でも、ドミトリーは他に客がいなくて個室状態で、エアコンも効いてて、快適だった。



走行中、突然車が止まって、カメラを向けられてインタビューされた。

なんらかのメディア関係の人たちなのか、よくわからないが、自然な感じで質問されたのでけっこううまくしゃべれた。

コソボとの「国境」に近づくと、長蛇の列。


セルビア側のイミグレーションでは、係員は僕を見るなり笑顔になって、「自転車の日本人が来たぞ!」と中にいる係員を全員呼び出して、写真撮影会。
セルビアとコソボの国境といったら、もっと緊張感あふれるものを想像していたのだが、なんともなごやか。
しかしそもそも、セルビアはコソボを国として認めていないのだからここにイミグレーションを設置するのはおかしいだろう、と思ったが、ここはただのパスポートチェックで、イミグレーションではないらしい。
セルビアにとってはここは国境ではないので、出国のスタンプも押されなかった。

コソボ側のイミグレーションでは、今まで通り面倒な記入も質疑応答もなく、瞬時にポンッだった。

コソボのスタンプを押されると、もうセルビアに戻ることはできない。
セルビア→コソボはOKだが、コソボ→セルビアはNGのようだ。

出入国がスムーズにすんだのは、外国人旅行者だからなのかもしれない。
あれだけ長蛇の列ができていたということは、現地人は厳しいチェックを受けるのかもしれない。

コソボに「入国」。


また難しいところへやっきた。

2008年に独立宣言。
現在、国連193ヶ国中90ヶ国が、コソボの独立を承認している。
なんて中途半端な数字。
国であって国でない・・・?

コソボ独立の承認国否認国のリストを見ると、面白い。
それぞれの国の事情がそのまま反映されている。
そりゃまあ、ロシア、中国、インド、スペインなんかは承認するわけにはいかないわな。
否認国はコソボをセルビアの一部とみなしているが、セルビアはコソボへの実効支配をすでに失っている。
ヨーロッパの大半の国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本は承認。

一方、パレスチナ独立の承認国否認国のリストを見ると、コソボとはほぼ真逆。



人口の92%がアルバニア人。
今までの南スラブ人とは顔の特徴が違う。
アルバニア語は、セルビア語やクロアチア語とは全然違う。

とてもフレンドリーで、ウェルカムしてくれる。


国境近くでも、おそらくここではセルビアのニュースは流れておらず、誰も僕のことを知らない。



ボスニアでよく見たミナレット。


笑顔で手を振ってくれる人がいる。







首都プリシュティナ。
























やはりイスラムチックな音楽が流れる。





イスラム国なのかと思っていたが、肌を露出している人の方が圧倒的に多い。







アフリカ?


反米のセルビアとはうって変わって、コソボはアメリカ大好き!










アメリカは、アルバニア人の人権擁護を名目にセルビアを空爆し、そしてコソボの独立を率先して支持したから、セルビアにとっては敵、コソボにとっては救世主。
露骨な反米国ならいくらでもあるだろうが、こんな露骨な親米国はなかなかめずらしい。



















ムスリムのカップルが腕を組んで歩いている光景は、アフリカ中東では見られなかった。


一生に一度着るか着ないかというような花嫁衣装の店がたくさんあるのが謎。


当然のことながら、観光地的ではない。
仮にもヨーロッパの一国の首都だが、インフォメーションも見当たらず、街の地図も入手できない。
なんとなく勘で街を歩く。

今のところ、東洋人も黒人もまったく見ていない。

英語の通用度は低い。

異様に信号が少ない。

タイヤが路面にこすれるキューっという音が常に鳴っている。

通貨はユーロ。

物価は安い。
500mlのペットボトルが0.50ユーロ。
ネットカフェは1時間数十セント。

安いのはいいことだが、どこへ行っても20ユーロ紙幣や50ユーロ紙幣が拒否される。
経済水準が低下するほど、「お釣りがない」と言われる。
これも世界共通の法則。





フルーツを買う時はいつもネクタリン。

小ぶりだが甘くておいしい。

ホステルは10ユーロ。
こんな広々としたドミトリーは初めて。

やはり他に客はないので、個室状態。

ホステルのスタッフは英語がまったく通じない。
「I need a room」すら通じなかったので、グーグル翻訳でやりとりする。

相変わらずジェリコ君は、こまめにメールしてくる。
彼はグーグル翻訳を使ってこのブログもちゃんと読んでいる。
「最後のお別れの言葉はグーグル翻訳で調べたわけじゃないぞ」とクレームをつけられた。
こんなサイトがあるんだと。
http://maki.typepad.com/justhungry/2008/09/ganbatte-vs-goo.html
http://japanese.about.com/od/simplejapanesephrases/p/sjp53-8.htm

ユーロ。



Pristina, Kosovoにて

Dst. 19532km


5 件のコメント:

  1. トリプルロックは圧巻だな。

    オバハンのストーキングは勘弁だねぇ・・・
    ところで、白くて外部に目隠しフェンスみたいなのが設置されて
    いる建築物は何?興味をそそられる・・・

    独立紛争の影響なのかね、あのアフリカの雰囲気は?

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    1. 勝手にこちらの滞在を1日のばすことを前提にして、勝手にお食事会やらニーシュ観光を計画し始めて、抵抗を感じたので断ったら、逆ギレ気味になったり、ホステルやネットカフェにまで現れた。
      たぶん悪気はないんだろうけど、強引に誘われるほど、こっちも頑に断る。
      気持ちはありがたいけど、誘い方ってものがあるよな。
      自分の意志で自由に旅したい。

      格子だらけの建物のこと?
      あれは国立図書館らしい。

      内戦、独立以前からここはセルビア国内最貧地域だった。
      そして内戦の影響もあり、いまだ全体的にボロボロ。
      生活臭ムンムンなところはアフリカと通じるものがある。

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    2. そりゃ~いい迷惑だな。
      この旅は、ryoの意思で動いているから、向こうからしたら善意でと
      思っての行動だろうけど、断られたらそれ以上踏み込んでもらいたくない領域って
      あるな。

      国立図書館か、使用しているのかな?
      仕事柄なんだか興味をそそられる建築物だね。

      やはり、まだ内戦があるのか?
      破壊された町並みに、リムジンやメルセデスが止まっているのが不思議な
      構図に見えた。

      ジェリコさんの努力が良いね!

      今週少し夏休みをとるつもり。
      少し体を休めたい・・・

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  2. コマツのユンボに反応しちゃった(笑)
    相変わらず天気に恵まれていい写真が撮れてるね。

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    1. 晴天続きで。
      一時涼しかったけど、また暑くなってきました。
      ペルセウス座流星群は見れず。

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