2015年1月7日水曜日

東進

次は少し南へ行きたいのだが、道は十字型なので、いったん西端まで来てしまったら、同じ道を引き返して、島の中央を縦走するサザンクロス街道まで戻らなければならない。
モロンダバからしばらく東進。



日曜日は店を閉めてしまうところが多い。
正月も、三ヶ日はどこも商業活動は休止されていた。
こういうのも、やたらと休みたがるフランスの影響だろうか。
ただでさえ食が乏しい土地で、店を閉めてしまったらよけい困る。



マランバンディという街の先は、来た時と同じ道を戻れば確実に舗装道路だが、その先南下するルートをとる場合、えらい遠回りになる。
最短でサザンクロス街道まで行けるルートがあるのだが、それは舗装されているかどうか、あやしい。
悩んだ結果、最短ルートで行ってみることにした。

はい、案の定、未舗装でした。




マサイみたいな風貌の人をよく見る。






進めないわけじゃない。


ここで、川が出現。


橋がない。
でも意外に水深は浅く、バッグを外してかついで、2往復半で渡ることができた。

しかし、これはただの支流だった。
この先に本流が出現。


地元の人たちは、何の躊躇もなく、立ち止まることもなく、当たり前のように川に入っていく。








悔しいが、僕は断念。
前進できずに引き返すのはとても悔しい。
しばらく悶々としていたが、これは無理だ。

それにしても、どこの国へ行っても、地元の人たちのこういう「前進力」には勝てる気がしない。
そして、荷物を頭の上に乗せる風習の原点はこれなんだ、と今さらながら気づいた。

乾季だったら行けたかな。
せめて小型ボートかいかだでも置いといてくれれば、何とかなったかもしれない。

近くに4WDが1台止まっていたが、この水深で、しかも川床が砂だと4WDでも不可能のようだ。



結局、引き返して、来た時と同じ舗装道路でサザンクロス街道へ戻る。





2015年に入ってから、米と肉だけ、というメニューがずっと続いていた。
本当に、米と肉(その肉も微々たる量)、あとは駄菓子程度しか食ってない。
食が乏しい国では、タンパク質摂取を優先して肉を食べて、野菜などには金をかけない、と聞いたことがある。
アンタナナリボのマーケットでは野菜が豊富にあったが、この辺はまた事情が違うのか。
でもここで久々に、サラダを売っている屋台を発見。




衛生状態は非常に悪いので、お腹に自信のない人には、ナマモノはお薦めしません。
水道水は、お腹に自信のある人でも、飲んだら大変なことになると思うのでお薦めしません。
というか、水道が通っているのは大きめの街だけで、小さな街や村には水道はなく、飲料水は井戸水。

相変わらず、毎日必ず雨が降る。
最近はまた、夕方から夜に降るパターンなので、なるべく午前中に距離を稼いで、早い時間に切り上げる。

一見ホテルがないような小さな街でも、地元の人に相談してみると、何らかの部屋を案内してくれる。


しかし高い。
照明なし(ロウソクあり)、コンセントなし、水道なし(バケツに汲んである水だけですべて済ます)、雨漏りあり、トイレは離れのボットン、でなんと3万アリアリ(1394円)。
世界水準で言えば、このクオリティなら500円を超えることはないはずだ。
でも東アフリカでも、たとえばジンバブエとかモザンビークなんかも、ロークオリティ・ハイプライスだった。
マダガスカルもその類っぽい。



西部に入ってから、ニーハオ攻撃が激化しているような気がする。
時々おちょくっているような感じもあり(特に子供)、やはりあまりいい気分はしない。
子供を抱いたお母さんがわざわざ僕の前まで来て、「ほら、ニーハオって言いなさい。ニーハオ! ニーハオ!」と子供に教えてたりする。
今までの国だったら、「I'm not Chinese! Don't call me China! Don't say nihao!」と怒ることが多かったのだが、ここでかれらにフランス語で同じことを言ったとしても理解してくれそうな予感がしないので、もうあきらめる。



川を見ると、たいてい人がいる。
釣りをしていたり、水浴びしていたり、洗濯していたり。
水浴びは、女性は上半身裸で、男性は全裸で。
日常の誰もがやることだから、特に恥じらいなどもないのだろう。
上半身裸の若い女性が僕と目が合っても、隠さず平然としている。
むしろ彼女の表情は、自転車に乗った外国人がここにいることの方に驚いているように見える。



ちなみに小便も、女性でも歩いている時ふいにしゃがみこんで用を足し始めたりする。
これも別に当たり前のことだから、本人も周囲の人も、何とも思わない、気にしない。

村に外国人が一人現れただけで大騒ぎされるが、女性が人前で裸になったり野ションしたりしても誰も騒がない。







魚。

味はとてもおいしい。

小規模だが比較的まともな街の宿。

照明あり、コンセントあり、扇風機あり、水道はかろうじてあり、トイレもかろうじて水洗で、2万アリアリ(929円)。


Antsirabe, Madagascar

23817km



2 件のコメント:

  1. 空が広くて高くみえるなあ。悠久のときの流れを感じるというか・・・自然の雄大さというか・・・写真の女性が色は黒いけどアジア系の混ざった顔をしていて、アジアとのつながりを感じます。マダガスカル、旅行者に人気があるのもうなずける。俺もそのうち行ってみようと思いました。写真よかったです。ありがとうございます。長旅お気をつけて。

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    1. ここは本当にオススメです。
      アフリカとの共通点も多々ありますが、やはり別です、島国ということもあって独自の世界があります。
      ただ、行くならやはり乾季がいいと思います。
      未舗装道路でしかアクセスできない国立公園も多いようで、雨季だと通行不能で行けなかったりするらしいので。

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