おとといの夕方、荷物はホステルに置いたまま、荷物なしの自転車でベオグラードの大型ショッピングセンターに行き、エントランス前の自転車置き場に停め、柱にくくりつけてワイヤーでロックし、20分かそこらで戻ったら、忽然と姿を消していた。
辺りにはたくさんの人、警備員、路上には警察もいた。
何が起きたのかわからず、しばらく放心状態でさまよった。
我に帰って、警備員に監視カメラをチェックするように頼み、警察に行って被害届を作成、日本大使館にも行った。
しばらく連絡を待つ。
現場は、前回の投稿で写真を貼った、このショッピングセンター。
写真左下の自転車置き場、まさにここに停めていた。
おそらく犯人は、あらかじめ切断する器具を持って物色していて、短時間ですみやかに事をすませ、立ち去ったのだろう。
お金には替えられない、何よりも大切なもの。
友人、家族、お店の方の協力を得て、わざわざ日本からマラウイまで送ってもらった自転車。
店で売っている完成車ではなく、長期ツーリング用に、僕の体形や荷物の重さに合わせてカスタマイズされた、唯一無二の自転車。
アフリカからヨーロッパまで、長く厳しい旅路に屈することなく耐えてくれた、強靱な自転車。
乗り心地も最高に良かった。
強盗に遭って金品を奪われたり、ケガをしたり、病気になったり、などいろいろなアクシデントの想定はしていた。
でも、自転車を盗まれるというのは、想定していなかった。
想定できなかった。
自転車旅行なのに自転車を失うなんて、そんなことがあってたまるか。
行く手を阻まれるようなことがあっても、自転車さえあれば、とりあえず先が見える。
しかし、自転車だけが奪われてしまった、この現実。
まだ思考の整理がうまくできていない。
これからどうするか、いくつかの選択肢を考えているが、今はまだ決められない。
しばらくベオグラードに滞在する。
自転車をマラウイまで送るのに協力してくださった皆さん、本当に申し訳ありません。
本当にごめんなさい。
Beograd, Serbiaにて