ここもまた、出入国はいたってイージーで、瞬時にスタンプが押された。
非シェンゲン国でもこれだけ簡素化されているとなると、シェンゲンルールのメリットがいよいよわからない。
あれだけ広大な範囲にたった3ヶ月しか滞在できないというデメリットだけが際立つ。
ちなみにこの辺の非シェンゲン国は、1国につき3ヶ月滞在できるので、リミットに追われるようなことはまずない。
モンテネグロは、2006年にセルビア・モンテネグロから分離独立した。
公用語はモンテネグロ語(セルビア語と方言程度の違い)。
クロアチア語とセルビア語はほぼ同じで、文字だけが異なる。
クロアチア語はローマ字、セルビア語はキリル文字を使う。
と聞いていたが、標識や看板やテレビの字幕を見ると、モンテネグロでもローマ字の方が主流のように感じる。
EU加盟をねらっているようで、分離独立以来、通貨はユーロを使用している。
クロアチアに引き続き、海岸はたくさんの海水浴客でにぎわい、ビーチリゾートっぽい感じもあったが、クロアチアに比べるとだいぶさびれてきた。
海とおさらばして、内陸へ。
その国名から推察できるが、内陸はえんえん山。
人口希薄で、一部で農業や牧畜もおこなわれているが、肥沃な土地には見えない。
これは湖。
内陸では、僕のルート上ではニクシッチという街が唯一の街らしいところだった。
地図には、中規模程度にやや大きめに描かれているが、かなりすたれていた。
建物はボロく、廃虚もあちこちに見られた。
20~30年前の古びた車が目立つ。
観光に力を入れていないようで、インフォメーションもなければネットカフェもなく、宿泊施設もわずか。
大型スーパーもショッピングモールもない。
しかし、歩いているのは今までと同じく、モデルのようなスタイルできれいな身なりの白人。
ちょっと不思議な感じ。
白人以外の人種はまったく見ない。
黒人もムスリムも東洋人もいない。
経済水準は低下したが、物価が安くなったとは感じない。
英語の通用度は低い。
モンテネグロは、特に行ってみたい国というわけではなく、ついでだからちょっとのぞいてみるか、ぐらいのノリだったのだが、これはすばらしい。
観光業に力を入れれば経済発展につながると思うが、ここはこのままでいい、とも思う。
Sarajevo, Bosnia and Herzegovinaにて
Dst. 18679km