マイケル・サンデルによるハーバード大学での講義が、NHKで毎週日曜に放送されているようだ。
ハーバードの講義が一般に公開されるのは史上初で、毎回1000人以上の学生が集まるというあまりの人気ぶりに、公開に踏み切ったという。詳しくはこちら。
僕はテレビを持っていないのでネットで見るしかない。
今のところ日本語でアップされているのはこの回だけ。
漂流した4人の船乗りが、そのうちの1人を殺して食べて生き延び、24日目に救助されて故郷で裁判にかけられた、という実話が題材となっている。
法的に有罪か無罪かではなく、道徳的に許されるか許されないかという議論。
僕は大学で哲学を専攻していたので、この種の議論は目新しいものではないが、仕事や趣味のことばかり考える生活を続けていると、忘れる。時々ふと思い出したりもするが、哲学的思考が年々衰えていくのを感じる。
マイケル・サンデルと、ハーバードの学生たちの明晰な議論を聞いて、哲学の感覚が蘇ってきた。
自分が実際に極限状態に置かれた時、どんな行動に出るのかはわからないが、こういった問題を突き詰めて考えてみることは、日常の生き方にも反映されると思う。
根底にあるテーマは功利主義だが、僕は仕事をしている時、無意識に功利主義者を演じてしまっていることに気づいた。「個人のことよりも全体の利益を優先しよう」なんていうキナ臭い態度を、何の疑いもなく振りかざしている。
これを機に、改めて日常の自分を疑ってみようと思う。
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