再び山中湖。
白虹または霧虹と呼ばれる、レアな現象。
通常の虹は、太陽光線が水滴の中で屈折して七色に分散されるが、水滴の大きさが太陽光線の波長と一致した時、光は分散されずにそのままの色で目に映る。
ここは、僕の自転車旅の原点。
21歳の大晦日、埼玉の実家からここまで、自転車で来た。
なぜそんなことをしようと思ったのか?
そんなのわかるわけない。
得体の知れない衝動に駆られて、だ。
持ち物は、地図と飲み物だけ。
何も考えてなかった。
ただただ、自転車をこぐ。
そのひとこぎひとこぎが、言いようもなく気持ち良かった。
満天の星空の下(なぜか夜出発した)、いつ終わるのかわからない長い長い登り。
ようやく峠を越えて、下りになり、重力に従うまま滑り落ちた。
不意に視界が開けて、闇夜に、富士山の白い頂きが浮かび上がった。
圧倒的、あまりに圧倒的。
あらゆるものを吹っ飛ばす。
当時の僕にとっては、ここへ来ただけでも、立派な冒険だった。
今の感覚からすれば他愛のない距離だが、あの時体験したあの感じは、今もはっきりと脳裏にあり、それはその後も旅を続ける原動力となっている。
あれから18年。
その興奮が冷めぬまま、地球2.5周分の距離を走った。
ずいぶん飛び出しちゃったな。
その後、6回ほど自転車で富士五湖に行ったが、やはりこの山中湖から見る富士山が、一番しっくりくる。
山梨県河口湖町
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