-11℃。
朝、また自転車のワイヤーロックの鍵穴が凍ってしまったので、火であぶった。
ちょっと無理に力を入れて回そうとしたら、鍵がひん曲がってしまった。
スペアキーがあってよかった。
タイヤの空気調整をしようとしたら、バルブが凍って回らなかった。
ギアチェンジもできなくなってしまったので、ドライバーを使ってシフトワイヤー周辺の氷を削り落とした。
街中の自転車道は除雪されていないので、街を脱出するまでが大変。
でも、こんな雪国でもやはりヨーロッパは自転車の普及度が高い。
朝の通勤時間、人々はスタッドタイヤを装着した自転車で、慣れた様子で颯爽と僕を抜かしてゆく。
もういいかげんにしてほしい、この幹線道路。
中央に柵があるせいで、ずっと緊張しっぱなしだ。
路肩は除雪されていないので、なおさら。
大型車が迫ってくる気配を感じるたびに、いったん停止して路肩に避難せざるをえない。
そして追い打ちをかけるように、クラクション。
ストレスフル。
こんなにもストレスフルな道路は、日本以外の先進国では初めてだ。
ちなみに、こちらの車線が一車線の時、対向車線は二車線。
数kmごとに、一車線と二車線が交互に繰り返される。
二車線の時のみ、追い越し可能なようにつくっているようだ。
土地があり余っている北欧で、わざわざ幅を狭めて危険な障害をつくるなんて、まったくバカげてる。
おそらく、冬は積雪でスリップしやすいのでスピードを落とさせるためなのだろうけど、それにしてもひねくれた道づくり。
そして、スウェーデンは先進国で唯一のクラクション文化圏なのか。
こんなにも腹が煮え返るのは数ヶ月ぶり、中国以来か。
クラクションには、人間が持つあらゆる醜さが凝縮されている。
僕の中で、抑えがたいほどの憎悪の感情が膨れ上がっていく。
とっとと終わらせてしまいたい。
しかしあいにく、まだあと数百kmも、この最低最悪の道路と心貧しきクラクションドライバーどもとつきあわなければならない。
ニューテントの初設営は雪上。
この夜、このニューテントで、コーヒーをひっくり返した。
クソ忌々しいクソ幹線道路のE4は、数十kmごとに、自転車歩行者禁止の高速に変わるようになった。
いつもなら、幹線道路を自転車通行禁止にするとは何事だ、と怒るところだが、このクソ忌々しいクソ幹線道路E4から逃れられるのなら、望むところだ。
この先は、クソ忌々しいクソ幹線道路E4と並行するセカンドロードで進むことができる。
セカンドロードは広々としていて、障害物もなく、交通量も少なく、そしてクラクションも鳴らない。
ストレスフリー。
道路は、ふつうにつくってくれればいいのだ。
北欧の魅力のひとつは、野宿天国なところだ。
最近は、街中で野宿することもめずらしくない。
街中にも森が点在しており、人に見られないタイミングでさり気なく森に侵入すれば、問題なく野宿できる。
良い子はマネしないでね。
何があっても自己責任です。
再び気温上昇。
日中6~8℃。
雪はすっかりなくなり、木々は高く、広大な農場が開けてきた。
出発地のヘルシンキとほぼ同緯度まで南下した。
時間に追われてゆっくり休むこともできずにひたすら激走した北欧。
ウプサラという街のホステルで、思い切って3泊。
何もせず、ちょっとダラッとしたい。
宿に到着するや、電化製品をまとめて充電。
こんなにゴチャゴチャ持ってどうすんだって感じだけど、今やすべて必要で、手放せない。
スウェーデンクローナ。
Uppsala, Sweden
22104km
2014年11月14日金曜日
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美しい写真ばかりで読み手は和みますが、亮さんは殺気立ちながら走行中のようですね。
返信削除世界とマナーの対比がより気を尖らせるのでしょうか。
年末にかけて更に円安に振れそうですね。
迷惑千万です。
美しい風景で和んでもらい、かつ僕の個人的なグチも聞いていただく。
削除恐縮ですが、虚飾なくリアルに伝えるのがこのブログのモットーです。
円安はもう、どうにでもなれ、っていうレベルですね。
2~3年前は空前の円高の恩恵を受けたので、これでプラマイゼロってとこでしょうか。
僕も亮さんのブログを読んでいて色々先入観があって世界を固定観念で見ていたと思うことがよくあります。
削除実はパキスタン人が陽気だったり、カシミール地方の遊牧民?がとても親切だったり。
年末年始に海外行こうと思っているのでせめて年明けに追加金融緩和して欲しかったです。
僕としては年明け以降だったらプラマイ0の感覚だったと思います。
20クローナがメルヘンチックですてき。
そうですね、いい意味であれ悪い意味であれ、世界はいつでも裏切ってくれます。
削除旅人と出会って話をすると、僕とはまったく違った意見を持ってたりもします。
中南米やアフリカや中東やアジアなどでは、物価が安いから当たり前のようにレストランで食事をしてホテルに泊まったりしてましたが、そんなお金さえない現地人はどんな目で僕を見ていたことでしょう。
円安期の北欧にいる現在の僕は完全に立場逆転で、当たり前のようにレストランで食事する北欧人を「こいつらどんだけ稼いでるんだろう」と歯がゆい思いで見ています。
円安円高は完全に運なのでどうしようもないですが、円安でもその時にしか体感できないことがあると思います。
もしかしてウプサラの大聖堂?俺の大好きな町で良い思い出があります(20年前ですが。。。)。寒そうですが長旅ご無事で。
返信削除いかにも、ウプサラの大聖堂です。
削除のんびりすごすにはちょうどいい規模の街ですね。
20年だと変化が大きそうです。