2014年11月14日金曜日

ボスニア湾西岸 2

-11℃。

朝、また自転車のワイヤーロックの鍵穴が凍ってしまったので、火であぶった。
ちょっと無理に力を入れて回そうとしたら、鍵がひん曲がってしまった。
スペアキーがあってよかった。
タイヤの空気調整をしようとしたら、バルブが凍って回らなかった。
ギアチェンジもできなくなってしまったので、ドライバーを使ってシフトワイヤー周辺の氷を削り落とした。

街中の自転車道は除雪されていないので、街を脱出するまでが大変。
でも、こんな雪国でもやはりヨーロッパは自転車の普及度が高い。
朝の通勤時間、人々はスタッドタイヤを装着した自転車で、慣れた様子で颯爽と僕を抜かしてゆく。



もういいかげんにしてほしい、この幹線道路。


中央に柵があるせいで、ずっと緊張しっぱなしだ。
路肩は除雪されていないので、なおさら。
大型車が迫ってくる気配を感じるたびに、いったん停止して路肩に避難せざるをえない。

そして追い打ちをかけるように、クラクション。
ストレスフル。
こんなにもストレスフルな道路は、日本以外の先進国では初めてだ。

ちなみに、こちらの車線が一車線の時、対向車線は二車線。
数kmごとに、一車線と二車線が交互に繰り返される。
二車線の時のみ、追い越し可能なようにつくっているようだ。
土地があり余っている北欧で、わざわざ幅を狭めて危険な障害をつくるなんて、まったくバカげてる。
おそらく、冬は積雪でスリップしやすいのでスピードを落とさせるためなのだろうけど、それにしてもひねくれた道づくり。

そして、スウェーデンは先進国で唯一のクラクション文化圏なのか。
こんなにも腹が煮え返るのは数ヶ月ぶり、中国以来か。

クラクションには、人間が持つあらゆる醜さが凝縮されている。
僕の中で、抑えがたいほどの憎悪の感情が膨れ上がっていく。

とっとと終わらせてしまいたい。
しかしあいにく、まだあと数百kmも、この最低最悪の道路と心貧しきクラクションドライバーどもとつきあわなければならない。







ニューテントの初設営は雪上。


この夜、このニューテントで、コーヒーをひっくり返した。









クソ忌々しいクソ幹線道路のE4は、数十kmごとに、自転車歩行者禁止の高速に変わるようになった。
いつもなら、幹線道路を自転車通行禁止にするとは何事だ、と怒るところだが、このクソ忌々しいクソ幹線道路E4から逃れられるのなら、望むところだ。
この先は、クソ忌々しいクソ幹線道路E4と並行するセカンドロードで進むことができる。


セカンドロードは広々としていて、障害物もなく、交通量も少なく、そしてクラクションも鳴らない。
ストレスフリー。
道路は、ふつうにつくってくれればいいのだ。

北欧の魅力のひとつは、野宿天国なところだ。
最近は、街中で野宿することもめずらしくない。
街中にも森が点在しており、人に見られないタイミングでさり気なく森に侵入すれば、問題なく野宿できる。


良い子はマネしないでね。
何があっても自己責任です。











再び気温上昇。
日中6~8℃。
雪はすっかりなくなり、木々は高く、広大な農場が開けてきた。







出発地のヘルシンキとほぼ同緯度まで南下した。
時間に追われてゆっくり休むこともできずにひたすら激走した北欧。
ウプサラという街のホステルで、思い切って3泊。
何もせず、ちょっとダラッとしたい。

宿に到着するや、電化製品をまとめて充電。

こんなにゴチャゴチャ持ってどうすんだって感じだけど、今やすべて必要で、手放せない。









スウェーデンクローナ。





Uppsala, Sweden

22104km