EU内での陸路国境越えは初めてであったが、国境には数人の警官が立っているだけで、何もせずにスルーできた。
パスポートを見せろとさえ言われなかった。
国境は、あってないようなものだ。
思えば、アフリカの国境はカオスそのものだった。
地中海を越えただけで、対極の世界。
入国早々野宿。
フロントキャリアが完全に折れた。
前回も、やはりフロントのこの箇所が何度も折れ、その度に溶接屋に行った。
ここがウィークポイントのようだ。
前回はアルミ製の安物だったから折れたのだと思っていたが、16000円の鉄製でもこのザマだ。
ミディ運河(世界遺産)。
道路の難易度がいっそう上がった。
非常にわかりにくくてしょっちゅう迷うし、道幅も狭く、その上、車の交通量が多い。
道がわかりにくくて狭くて交通量が多い、といったら日本もまさにそうなのだが、歴史の古い国はどこもそうなのかもしれない。
アメリカ、カナダ、オーストラリア、アフリカはシンプルだった。
しかしこんな道路環境で、よくツール・ド・フランスなんか開催できるな、と思う。
ドライブマナーは良い。
2日目も野宿。
意外にフランスも野宿天国だ。
もちろん、あけっぴろげにではなく、人目につかない死角を探さなければならないが、容易にそういったポイントをみつけられる。
宿泊施設は豊富にある。
小さな街にもキャンプ場があり、大きめの街にはホステルもある。
相場は、キャンプ場が10~20ユーロ、ホステルが15~20ユーロ、ぐらいだろうか。
場合によっては、キャンプ場のほうが高くつく。
今滞在しているキャンプ場は、6ユーロと例外的に安く、思わず連泊してしまっている。
大きな街の間隔は、平均60kmぐらいだろうか。
その間にも、小さな街があったり、所々に大型スーパーがあったりする。
フランスパンがうまい!
さすが本場だけあって、パン屋でも大型スーパーでも大量に置かれていて、フランス人たちは何本もまとめてごっそり買って行く。
回転が速いので、焼きたてをゲットできる確率も高い。
値段はサイズにもよるが、1本1ユーロ前後。
昼飯はいつもフランスパン。
僕は、ヌテラ(チョコレートクリーム)とジャムとピーナッツバターを常時携行しているが、フランスのフランスパンは、何もつけずにそのままかじっても十分イケる。
これでこそ食文化。
スイーツも豊富。
カスタードクリームの塊(1.50ユーロ)。
こういうセンスが、甘狂の心をくすぐる。
モンペリエ。
凱旋門はパリだけではない。
ニーム。
闘技場はローマだけではない。
デニムという素材は、ここが発祥の地らしい。(de Nimes)
街の中心は、「見せるための街」、「残すべき街」という感じだ。
歴史的建造物と、レストランと、こじゃれた服屋があるばかり。
実用的な店は郊外にあるので、歩いて買い物はできない。
自転車屋やアウトドアショップも、絶対どこかにあるはずなのだが、いっこうにみかけない。
溶接屋もどこにあるのやら。
ポン・デュ・ガール(世界遺産)。
ローマ時代の紀元前19年につくられた水道橋。
2000年以上前のものとは思えないほどの巨大さと保存状態。
水源からニームまで50kmにわたって、水を送っていたらしい。
フランスは、ヨーロッパでも特に英語が通じないといわれているが、たしかにその通りで、インフォメーションや宿泊施設など以外では、まったくといっていいほど英語は通じない。
インフォメーションや宿泊施設でさえ、僕にフランス語でペラペラ話しかけてくる人もいる。
フランス語は、スペイン語やイタリア語と同じグループなので共通点もあるが、発音が難しい。
一応、出発前に軽く勉強したのだが、全然しゃべれない。
「Au revoir」(さようなら)が、まだうまく言えない。
アヴィニョン旧市街(世界遺産)。
これは法王庁で、ヨーロッパ最大のゴシック宮殿。
14世紀、ローマ法王がアヴィニョンに移住していた時期があり、ローマに代わるカトリックの本拠地として栄えた。
ローヌ川とアヴィニョン橋。
なんだかまた文句ばかりになってしまったが、とりあえず、フランスパンとスイーツを食べていればゴキゲンである。
なにかとやりづらいこともあるが、でもやはり、先進国では人と衝突することがない。
言葉や文化が違っても、共通する常識というものがある。
カオスのアフリカや中東では、ことあるごとに「なんだこの野郎」とケンカしていた気がする。
Avignon, Franceにて
Dst. 14551km