2013年12月4日水曜日

セカンドロード





再び山へ。
カトマンズへは、メインロードではなくセカンドロード的な、細いけど一応舗装されているルートで行く。
道幅が狭いのでトラックとバスは通らないが、ジープとバイクはひっきりなし。

クラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクション









山の中の村で1泊。
この辺の人々はもの静かで、あまり話しかけてこないし、子供もからんでこない。
近づいてきて無言で凝視する人ならいる。
インドに戻ったかのようだ。

外国人の立ち寄らない村で宿泊するということは、食事は選択の余地なくダルバート、ということだ。
夕食の時間が憂鬱。
腹は減っているのに食欲がない。
この奇妙な感覚は、アジア旅行でのみ体験できる。

改めて、おかずはひたすら辛いだけで、ライスはパサパサのボロボロのグソグソ。
なんとか気合いでようやく食べ終わる、というところで、すかさずおばちゃんがおかわりをドッサリと盛り付ける。
いやいや、もう勘弁してください。
でも失礼にならないよう、ポーカーフェイスで平静を装って、やっつける。

インドのターリーとネパールのダルバートは、世界のワーストフードにランクイン間違いなしだ。

チトワンのウソつきおじさんの話では、ネパール人は1日3食、毎日このダルバートばかり食べるそうだ。
ウソつきの言うことなので、そのまま受け入れるわけにはいかないが、でもだいたいそういうイメージで差し支えなさそうだ。
恐ろしや。

こういう食文化なので、店で売られているのは駄菓子ぐらいで(その駄菓子も辛口ばかり)、自炊しようにも食材がそろわない。
経済的に貧しいから食が乏しいというわけではない、アフリカや中南米で食材の入手に困ったことはあまりなかった。

標高1800m。


クラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクションクラクション

永遠に鳴り止むことのないクラクション。
人も動物も、生まれてから死ぬまで一生、このノイズまみれの空気の中で生きていく。
この耐性があれば、世界中どこへ行ってもストレスなく生きていけそうだ。
しかし、一般にクラクション社会の人々は、外国に行けるような経済的な余裕はない。
世界にはクラクションが鳴らない社会もある、ということを知らずに人生を終える。
人生の思い出を振り返る時、どの場面にも同時にクラクションが再生される。
うわー、やっぱ嫌だな。





標高2000mの峠をふたつ越えた。
標高はたいしたことないが、けっこうスティープで険しく、時間かかった。



カトマンズの街が見えてきた。




都市圏に突入。


話に聞いていた通り、インドの都市と変わりないカオス。
渋滞、喧騒、悪臭、大気汚染。
現地人でさえ、マスクをしている人が多い。
長期滞在する外国人の多くが、カトマンズではなくポカラでゆっくりすごす、というのも当然だ。
日も沈み、歩行者と自転車とバイクと車がメチャクチャに入り乱れるカオスの道を突き進み、なんとか宿にチェックイン。


Kathmandu, Nepal

6432km



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