16~19世紀、インドはトルコ系イスラム教徒の支配によるムガル帝国であった。
現在も、イスラム建築があちこちに残る。
モスクだけど、ヒンドゥー教寺院のルールと同じく、靴を脱いで入場する。
ここまで来て、気づいた。
僕は短パンでモスクに入ってしまっていた。
しかし、お咎めなし。
撮影も自由のようだ。
モスク内で寝るもよし、祈るもよし、自由の国インディア。
ミナレットに登ってみた。
このモスクは入場料は無料だが、カメラ持ち込みで300ルピー(473円)も取られ、ミナレットに登るのにはさらに100ルピー(157円)取られる。
ミナレット周辺では、やたらと「写真を撮ってあげよう」とチップ目的の者が群がってくる。
「こんな大きなリュックを持ち込むならチップを払わなければならない」と意味不明な要求もされた。
どうやらこのモスクは完全にヒンドゥーに乗っ取られてしまっている。
モスクの近くのためか、この界隈はアラブ系やペルシャ系の顔つきの人も多い。
ムガル帝国の城跡。
ガンジーミュージアム。
これは高野一蓮という日本人による作品。
いい店発見!
このお姉さんがひとりでつくってくれる。
オクラ丼100ルピー(157円)と味噌汁65ルピー(102円)。
米はやっぱり、ロンググレインだとどうやっても粘り気と旨みが出ないのかな。
でも、オクラのネバネバ感と半熟卵のトロリ感で、ロンググレインのパサパサ感をカバーできている。
醤油の味付けも久しぶり、いいもんだ。
味噌汁は、日本の味噌汁とは程遠かった。
でも安いし、ボリュームもまあまあだし、デリー滞在中は毎日ここに通うことにする。
インドに来て日本料理評論をしてしまって、すみません。
今のところ、デリーはとても気に入っている。
不衛生極まりないのに、どういうわけかクリーンな感触がある。
この喧騒と貧困の中でも、人々は穏やかで落ち着いているように見える。
ひとつはヒンドゥー教という宗教の影響、もうひとつは街のあちこちで焚かれているお香の効果、かもしれない。
ヒンドゥー教は、創始者もいない、経典もない、インドの土地に根づいた民間宗教。
コーランという絶対的な掟にがんじがらめにされている不自由なイスラム教よりは、のんびりとゆるい感じのヒンドゥー教に僕は好感を持ってしまう。
もし自分がここの貧困層に生まれ育ったとしても、それほど不幸な人生でもないかも、と思わせるものがある。
少なくともアフリカのような悲壮感は、ここにはない。
手のつけようのないほどのカオスだから、 富裕層であれ貧困層であれ何であれ、このカオスの渦に身をまかせて生きていくしかない。
経済成長で急速な近代化が進んでいるのだろうけど、20年後30年後も、このカオスそのものはインドの本質で、ずっと変わらないような気がする。
今日はこの程度で。
Delhi, India