「そんな状態じゃ受け付けない。荷物を取り外してまとめてパッキングしなければダメだ。自転車もパッキングしなければダメだ。」
まあ、こんなこともあろうかと、先日買ったクソテント、まったく役に立たなかった25ユーロのあのクソテントを、捨てずに取っておいていた。
そのクソテントに荷物をすべて入れて折りたたみ、ラッピングした。
自転車は、輪行バッグに入れるとなるとキャリア等も外さなければならず手間が倍増するので、タイヤだけ外してガムテープとワイヤー錠で固定したが、これはなぜかラッピングできないと言われた。
チェックインカウンター、オーバーサイズの荷物受付、ラッピングマシン、の3ヶ所を何度もたらい回しにされたが、どの係員もそれぞれ言うことがバラバラで、要領を得なかった。
しかし、そのいいかげんさが幸いして、本来払うべき超過料金を払わずにスルーできた。
重量は、自転車18kg + 荷物(水、食料、ガス、スプレー類を抜いた状態)45kg = 63kgだった。
ラッピングマシンのおっさんは、「この荷物は重すぎる。きっと受け付けてもらえないよ。」と言った。
そこまで規格外だとは思えないが、その重すぎる荷物をタダで積めたのだからラッキーではあったが、そもそもチケットが法外なまでに高額だったので、僕としてはあまり得した気分でもない。
出国手続きでは、係員はパスポートをまったく見ず、瞬時にポンッとスタンプを押した。
オーバーステイしていたとしても、きっとバレなかっただろう。
特に破損も紛失もなく、無事クロアチアに到着した。
強いて言えば、ウッドスタンドが折れた。
入国手続きでは、質疑応答もカード記入もなく、パスポートのデータを機械で読み取ってポンッて感じだった。
旧ユーゴ諸国とはいったいどんなところなのか、僕にとって謎のエリアだった。
併合と分離を繰り返してコロコロと変わる国名。
異なる民族、言語、宗教の混在。
旧社会主義。
つい十数年前までおこなわれていた内戦。
民族浄化。
実際に見てみると、なんのことはない、ここはヨーロッパだ。
多少は、道路や家屋が荒れていたりするものの、全体として街並みは美しく、経済水準も決して低くはないだろう。
民族はゲルマン人からスラブ人に変わったわけが、今のところ僕の目には同じに見える。
空港から街に向かう途中、さっそく声をかけられ、街の中心まで案内してくれた。
わかりやすい英語で、ていねいにいろいろ教えてくれた。
首都ザグレブ。
ソロをとってる、左から2番目の子の勇ましい歌いっぷりにグッときた。
弟妹たちのやる気のなさっぷりがいい。
楽しいところだ。
音楽の都ウィーンよりザグレブの方がはるかに音楽を感じるぞ。
英語の通用度は高い。
今ところ問題なく通じる。
もちろん、クロアチア語なんてまったくわからないが、あいさつぐらいは言えるようにしたい。
旧ユーゴ諸国の言語はスラブ語派で、大別すればロシア語や東欧の言語と同じ系統。
ホステル兼キャンプ場でキャンプしている。
アフリカ南部にこのタイプが多かったが、ホステル兼キャンプ場というのは一番ありがたい。
キッチンを使えたりラウンジで充電できたりなど、サービスが充実しているし、洗濯物も広々と干せる。
料金は、なにかと神経を使うドミトリーよりも、プライベートを確保できるテントの方が安い。
ここは1泊60クナ(804円)。
到着した金曜日と、明日月曜日は祝日で、土日をはさんでいるので4連休のようだ。
最悪のタイミングで来てしまったと思ったが、クロアチアでは一部のスーパーは日祝も営業しているようだ。
宿泊地から徒歩5分のところに大型スーパーがあり、そこは日祝も営業している。
えらい。
やっぱりスーパー全滅というのはあまりに不便でしょう。
僕が通過した国では、フランス、スイス、ドイツ、オーストリアが、徹底して日祝休業だった。
皮肉なことに、経済水準が高い国ほど、働かない。
要領がいいんだろうか。
Zagreb, Croatiaにて
Dst. 17483km