完成。
ハンドル、レバー、ブレーキ、サドル、クランク、ペダル、ディレーラー、スプロケット、フロントバッグなどは今までのものを継続。
キャリアは26インチ用に新しく交換したが、バッグをかける四角い部分は今まで使っていたものを継続。
日東のキャリアは縦棒が足りない。
これは出発前に溶接屋のウッチーに縦棒を付け足してもらった。
BROOKSのサドルはこんな渋い色になった。
買った当時はこんな色だったのに。
BROOKSの知名度は高い。
サイクリストじゃなくても、よく白人から「BROOKSじゃないか!」と言われる。
実際、このサドルは最高にいい。
完成したが完璧ではない。
前回も書いたように、チェーンがガイドプレートに触れてしまう。
ドライバーでストローク調整するいわゆるディレーラー調整でなんとかできるレベルではない。
関連パーツをすべて外して、付け直して、一からやり直した。
フロントディレーラーの高さを変えてみたり、ガイドプレートをちょっと斜めにしてみたり、再びマニュアル通りの付け方に直したり、とにかくあらゆることを試したが、結局うまくいかず、原因もわからず。
一応走行可能にはなったが、使えるギアが限られてくる。
これはもう、僕の理解を超えている。
リロングウェにも一応自転車屋らしき店はあるが、めちゃくちゃにされそうで怖い。
僕が丸2日かけてできないことを、かれらがすんなりできるとはとても思えない。
今日、試走した。
乗り心地は抜群にいい。
たまらん。
体が直接触れるハンドル、サドル、ペダルは今までと変わっていないが、ホイールの違いが決定的にでかい。
ラレーのホイールも決して悪くなかったが、やはり26インチで太いタイヤの方が安定感があるし、個人的にも好きだ。
フレームは、ラレーと形状も材質も変わりないと思うので今のところわからないが、耐久性に期待する。
ひとつ、ミスをした。
本来、チェーンを交換する際はスプロケットも交換しなければならない。
両方とも微妙に磨耗しているから、どちらかだけ交換するとうまくかみ合わない。
今回は出費と重量を抑えるため、チェーンだけ新調したら、一番使用頻度の高いギアにチェーンがうまく乗っかってくれなくなってしまった。
古いチェーンはすでに捨ててしまった。
一応、自転車屋らしき店に行って、ロード用のスプロケットはないかと聞いてみたが、やはりなかった。
ダルエスサラームかナイロビあたりに、まともな自転車屋があればいいが、もしなければヨーロッパまでこのまま我慢。
アフリカの宿泊施設にはバーが併設されていることが多く、宿泊客以外にも多くの人が訪れる。
僕が自転車をいじっていると、ジロジロ見られたり、話しかけられたりする。
なんとなく予期していたが、やはりPanasonicに引っかかる人が多い。
「Panasonicって電気製品のブランドじゃないのか? 自転車もつくってるのか?」
僕としては「はい。」としか答えようがない。
「この自転車いくらするんだ?」
貧困国では、初対面でも躊躇なく他人の所持品の値段を聞いてくる。
これは無礼なので僕はふだんは答えないのだが、昨夜は、陽気な黒人のおっさんについ気を許し、「2000ドルぐらいかな」と軽く言ってしまった。
するとおっさん、本当にたまげた様子で、
「2000ドルだと!? 自転車に2000ドル!? 気は確かか!? マラウイでは2000ドルあれば家が買えるぞ !」
「おれが2000ドル持ってたら、絶対に自転車なんか買わないね! 絶対だ。車ならともかく、どうして体力を消耗する乗り物に金をかける? 」
「おまえの母ちゃんはなんと言ってる? もしおれが2000ドルの自転車買ったら、間違いなく母ちゃんに殴られるね!」
と興奮しっぱなしだった。
あと、言うまでもないが、古いバッグやキャリアなどは黒人従業員がきれいに持って行ってくれた。
明日、出発する。
リロングウェには予想以上に長居してしまった。
レストランの店員にも、ネットカフェの店員にも、スーパーの店員にも、顔をおぼえられた。
通行人にも何人か知り合いができた。
一刻も早く走行再開したくてウズウズしている反面、なんとなくこの街にも思い入れができてしまった。
都市を離れて田舎に入ると、またあのアズングー攻撃が始まるだろう。
Lilongwe, Malawiにて
2011年10月22日土曜日
来た!!!
発送から10日、昨日、ついにニュー自転車が届いた!
破損なし。
紛失なし。
パーフェクト!
ご協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました!
おばちゃんウソつき!
フレーム、ホイール、タイヤ、チューブ、キャリア、バッグ、チェーン、ワイヤー、バーテープ、その他備品、スペアなど。
あと、ようかんも!
和菓子~!
フレームはPanasonicのツーリング用で、フレームカラーや各パーツを自分で選んでオーダーできるもの。
フレームの形状、太さ、重量はラレーとほぼ同じで、素人目には違いはわからない。
ラレーは溶接が荒くて有名らしい。
強いていえば、26インチ対応なので、フォークの幅が広く、MTB用の太いタイヤも履ける。
ホイールがすばらしい。
26インチでスポークは36本。
当然、スポーク本数が多いほど1本にかかる負担が小さくなるので、折れにくい。
普通は32とか34で、36はなかなかないのだが、僕のわがままを聞いてみつけてくださった。
リムは幅広で、ハブはXT。
理想的だ。
キャリアは今までのを継続して使いたかったが、26インチ用に買い替える必要があった。
バッグはORTLIEBに。
数字上ではTOPEAKの方が大きいはずだが、どう見てもORTLIEBの方が大きい。
だいぶ余裕ができそうだ。
あと、レーシングスポーツ フジタさんは、さりげなく予備のケーブルやアンプルピンやグリスなどを入れてくださった。
本当にありがとうございます。
サービスしすぎで商売にならないのでは?
ラレーはこんななってしまった。
あんまりがんばってくれなかったけど、よくがんばってくれた。
なんとなく予期していたが、ホステルで組み立て中、何人かの黒人従業員にじっとみつめられ、
「古い方はどうするんだ?」
「おれがもらうよ!」
「いや、おれだ!」
と皆に欲しがられた。
こんな状態でもらってもどうしようもないと思うのだが、アフリカの人はなんでも欲しがる。
「いくら?」と聞かれたけど、もちろんかれらからお金をとる気はない。
ラレーを獲得したスタンリー。
満面の笑みで、「君のこと忘れないよ!」と何度も感謝された。
やっぱり感覚にギャップがありすぎる。
現在、組み立てはほぼ終わり、調整している段階。
フロントディレーラーの調整で壁にぶち当たっている。
やったことある人なら分かると思うが、本来ディレーラー調整は微妙な調整なのだが、最初からチェーンがガイドプレートにガッチリ当たってしまっていることがある。
微調整ではきかない。
各パーツの取り付け位置や、ワイヤーのテンションなどをチェックしても、問題があるとは思えない。
しばらく苦戦して、どうにもならないので、休憩がてら現在ネットカフェに来ているところ。
調整と慣らしで、あと1、2日かかると思う。
完了次第、出発する。
明日は日曜なので、ネットはできない。
順調に行けば月曜には出発しているかもしれない。
あとちなみに、荷物を受け取った時、税金を15000円ぐらい払わされた。
品代と送料に、それぞれ何パーセントだかをかけて別々に税金を算出するのだが、品代の方はあまりにも莫大な額の税金になってしまうので、免除してくれた。
なので送料にかかる税金だけ払った。
それでも15000円。
仮に、日本からマラウイ人の友達にプレゼントを送ったとしても、高額なものだと受け取る側が高い税金を払うことになる。
マラウイ人は15000円なんて絶対払えないと思う。
Lilongwe, Malawiにて
2011年10月20日木曜日
出国しなくていいみたい
昨日、リロングウェの郵便局に行って荷物のことを聞いてみた。
コンピュータで検索してもらったが、まだここには届いておらず、今どこにあるのかもわからず、要は何の情報も得られない、とのことだった。
ふつうはこの時点で冷たく突き帰されるのだが、マラウイ人はけっこう客の会話に付き合ってくれる。
「いつ着くと思いますか?」
「んー、そうねえ。7日後。」
「7日後?僕急いでるんですけど。船便じゃあるまいし、航空便でそんなかからないでしょう。」
「えー、だって日本って遠いのよ。わかってる?日本ってすごく遠いから、それだけ時間もかかるのよ。じゃあ、3日後にまたここに来てちょうだい。そしたら、また検索してあげる。」
もともと僕は、せっかちでイライラしやすい性格なのだが、このおばちゃんのゆるい空気に呑まれて、
「うん...じゃあ、あと7日待ってみようかな。」
という気分になってしまった。
しかし、7日後ではオーバーステイになってしまう。
以前出会った旅行者から、「いったん出国して、隣国で3日すごせばリセットされ、再入国できる。」という話を聞いたことがあった。
ここから一番近い国はザンビアかモザンビーク。
バスで2、3時間もあれば行ける。
今の宿泊先に自転車と荷物を置かせてもらい、バスでザンビアまで行って無意味に3日すごし、マラウイに再入国する、というなんとも面倒な作戦を立てた。
ザンビアに入国するとまた無意味にビザ代を払わされる。
しかも僕は、バスとか電車とかの乗り方がまったくわからない。
乗り方を調べなきゃ、と思うだけで気が重くなる。
自転車はすでに洗車し、細かいパーツの油汚れもきれいに洗い落とし、ニュー自転車に取り付けらるれようにスタンバイしてあるので、今は乗りたくない。
フレームも折れっぱなしだし。
他に手段はないものかと、ネットで調べてみたら、
「30日をこえて滞在する場合は、入国管理局で申請すれば90日まで延長できます。」
とあっさり出てきた。
しかも入管は国境や空港だけでなく、リロングウェの歩いて行けるところにもあった。
なので、今日さっそく行って延長手続きしてきた。
手数料10000クワチャも取られたが、延長の理由を問い詰められることもなく、20分ほどで完了した。
こんな簡単なものだったのか。
これで、年末までマラウイにいられる。
絶対いたくないが。
問題がひとつ解決しただけで、気が楽になった。
他の問題は依然として何も解決していないが。とりあえず、郵便局のおばちゃんが7日後に着くって言うんだから、きっと7日後に着くのだろう。
もう少しの辛抱。
最近マンゴーにはまっている。
日本では、マンゴーをこんな風にまるごと食べることってなかった。
その辺の道端で、1個20クワチャで売っている。
ぼちぼちマラリア対策。
予防薬のメフロキンと、治療薬のコアルテム。
合計6400クワチャと、思ってたより高かった。
最大の予防は、こまめな虫除け。
蚊取線香(Mosuquito Coil)って、けっこうどこの国でも売ってるけど、ルーツはどこの国なんだろう?
あと、どうでもいいことかもしれないが、Picasaウェブアルバムが容量無制限で写真をアップできるようになった。
今までは1024MBとあまりにも小さすぎ、僕はもうすぐその限界に達しそうだったのだが、Google+という、またよくわからないSNS的なものに形だけでも加入するだけで、条件付きではあるが、容量無制限になった。
使い勝手もよくて容量無制限なら、Picasaはウェブアルバムとしては一番おすすめだと思う。
Lilongwe, Malawiにて
コンピュータで検索してもらったが、まだここには届いておらず、今どこにあるのかもわからず、要は何の情報も得られない、とのことだった。
ふつうはこの時点で冷たく突き帰されるのだが、マラウイ人はけっこう客の会話に付き合ってくれる。
「いつ着くと思いますか?」
「んー、そうねえ。7日後。」
「7日後?僕急いでるんですけど。船便じゃあるまいし、航空便でそんなかからないでしょう。」
「えー、だって日本って遠いのよ。わかってる?日本ってすごく遠いから、それだけ時間もかかるのよ。じゃあ、3日後にまたここに来てちょうだい。そしたら、また検索してあげる。」
もともと僕は、せっかちでイライラしやすい性格なのだが、このおばちゃんのゆるい空気に呑まれて、
「うん...じゃあ、あと7日待ってみようかな。」
という気分になってしまった。
しかし、7日後ではオーバーステイになってしまう。
以前出会った旅行者から、「いったん出国して、隣国で3日すごせばリセットされ、再入国できる。」という話を聞いたことがあった。
ここから一番近い国はザンビアかモザンビーク。
バスで2、3時間もあれば行ける。
今の宿泊先に自転車と荷物を置かせてもらい、バスでザンビアまで行って無意味に3日すごし、マラウイに再入国する、というなんとも面倒な作戦を立てた。
ザンビアに入国するとまた無意味にビザ代を払わされる。
しかも僕は、バスとか電車とかの乗り方がまったくわからない。
乗り方を調べなきゃ、と思うだけで気が重くなる。
自転車はすでに洗車し、細かいパーツの油汚れもきれいに洗い落とし、ニュー自転車に取り付けらるれようにスタンバイしてあるので、今は乗りたくない。
フレームも折れっぱなしだし。
他に手段はないものかと、ネットで調べてみたら、
「30日をこえて滞在する場合は、入国管理局で申請すれば90日まで延長できます。」
とあっさり出てきた。
しかも入管は国境や空港だけでなく、リロングウェの歩いて行けるところにもあった。
なので、今日さっそく行って延長手続きしてきた。
手数料10000クワチャも取られたが、延長の理由を問い詰められることもなく、20分ほどで完了した。
こんな簡単なものだったのか。
これで、年末までマラウイにいられる。
絶対いたくないが。
問題がひとつ解決しただけで、気が楽になった。
他の問題は依然として何も解決していないが。とりあえず、郵便局のおばちゃんが7日後に着くって言うんだから、きっと7日後に着くのだろう。
もう少しの辛抱。
最近マンゴーにはまっている。
日本では、マンゴーをこんな風にまるごと食べることってなかった。
その辺の道端で、1個20クワチャで売っている。
ぼちぼちマラリア対策。
予防薬のメフロキンと、治療薬のコアルテム。
合計6400クワチャと、思ってたより高かった。
最大の予防は、こまめな虫除け。
蚊取線香(Mosuquito Coil)って、けっこうどこの国でも売ってるけど、ルーツはどこの国なんだろう?
あと、どうでもいいことかもしれないが、Picasaウェブアルバムが容量無制限で写真をアップできるようになった。
今までは1024MBとあまりにも小さすぎ、僕はもうすぐその限界に達しそうだったのだが、Google+という、またよくわからないSNS的なものに形だけでも加入するだけで、条件付きではあるが、容量無制限になった。
使い勝手もよくて容量無制限なら、Picasaはウェブアルバムとしては一番おすすめだと思う。
Lilongwe, Malawiにて
2011年10月18日火曜日
ケーキ!!
ケーキってなんてすばらしいんだろう!
世界中で食べられる、世界共通のスイーツ。
アイスもそうかな。
昨日は僕の誕生日で、マラウイでは母の日で祝日だった。
36歳になった。
ということは今年は兎年か。
30分かけてやっつけた。
昔は一気食いしていたが、最近は時間をかけてゆっくり食べるようになった。
甘党王も年には勝てぬか。
でも今は自転車もこいでなくて、運動もせずぐうたらな日々を送っているのに、どうしてこんなにたくさん食べられるのかな、とも思う。
そしてよく眠れる。
荷物はまだ届かない。
発送から7日が経過した。
ネットで追跡するサービスがあるのだが、マラウイは対象外のようで、今どこにあり、いつ着くのか、まったくわからない。
刻一刻と、出国の期日が迫っている。
ちなみにマラウイはビザなしで入国できるので、ビザ延長というのもない。
ちゃんと調べたわけじゃないが、おそらく出国しなければならない。
前回の投稿は、白人を批判するかのような印象をもたせる文章になってしまったかもしれないが、基本的には自己批判、自己反省。
死ぬほど貧しい人を見て、心を痛めない人はいない。
アフリカ旅行は葛藤の連続。
めちゃくちゃに混乱している自分の思考を、ブログという道具を使って、多少なりとも形にして現在の自分のアフリカ観をまとめてみた。
これから向かう東アフリカは、スワヒリ文化という、また違った世界が展開されるだろう。
Lilongwe, Malawiにて
追記
docomoの携帯をお持ちの方。
どういうわけか、docomoにメールを送信できないことが時々あります。
今日も何通か書いたのですが、送信できません。
PC用のアドレスを教えてもらえると幸いです。
2011年10月15日土曜日
内と外
この旅を始める以前は、黒人というものに対して少なからず恐怖心があった。
野生的で、筋肉ムキムキで、口より先に手が出そうな。
貧弱で武器も持たない日本人などは、狙われたらなすすべもない。
ケープタウンに着いて、現実にこのブラックワールドを目の当りにした時は、けっこうビビったものだ。
でも実際かれらに近づいてみると、かれらは自分たちが怖がられているという自覚は持っていないことがわかる。
考えてみりゃそうだ、黒人だらけで、黒人であることが当たり前の世界だから、「黒人=怖い」という認識が生まれるはずもない。
むしろ逆に、かれらは白人や東洋人などの外国人を恐れているフシがある。
かれらはしばしば、僕を「Boss」と呼んだり、「Sir」とか「Mister」を付けたりする。
ふつう、ただの旅行者にこんな敬称を使う必要はない。
ちょっと相手をおだてて、持ち上げて、金をせびろうとする輩もいるが、僕が感じるのはそうではない。
かれらには、強いコンプレックスがある。
15、16世紀にヨーロッパによるアフリカ開拓が始まって以来、黒人たちはずっと被支配者であり続けた。
民族としての黒人が歴史の表舞台で活躍したことはないし、世界の覇権を握ったこともない。
アメリカへは、人としてではなく奴隷として「輸出」された。
1960年代に植民支配が終わり、独立してもう半世紀がたつというのに、いまだ黒人国家で経済的に成功した例はひとつもない。
「いつまでたっても自分たちは貧しいまま。支配されたまま。外国人は雲の上のような存在。」
そんな悲壮感がある。
実際、先進国との経済格差はとてつもない。
僕が宿泊しているいわゆるバックパッカーズホステル兼キャンプ場は、おもに白人の長期旅行者がたくさん集まる安宿で、ここだけ異空間な感じになっている。
ジャンル的には貧乏旅行者だが、もちろん現地人から見れば大金持ちだ。
こういう長期旅行を実現させるには、数十万~数百万円の資金が必要になる。
今の旅行者は皆ノートパソコンを持っている(僕もほしい)。
ここはWi-Fiフリーなので、夜はネット三昧。
でも一歩この敷地から外に出れば、スクラップ同然の日本の中古トラックや中古ハイエースに、黒人たちがありえないぐらいぎゅうぎゅう詰めになって乗っていたり、足の不自由な人や目の見えない人が道端で一日中手を差し出していたりする。
旅行者たちは、日々の物乞いや押し売りに、少々うんざりしている。
でもこの敷地内にいれば、たかられることもないし、盗まれることもないし、「アズング~」とか「チャイナ!」とか言われることもない。
自分と似たような経済力、教養、常識、礼儀、マナーを共有できる。
だから、外国人同士で変な仲間意識が生まれる。
外で黒人に話しかけられたら「Sorry」の一言で一蹴するが、外国人同士なら、握手して互いに自己紹介する。
これは人種の壁ではなく、経済の壁だ。
なんだかくだらない。
アフリカ旅行とは何なのか?
世界旅行とは何なのか?
異文化の人をものめずらしい目で見て、写真を撮ってチップを払って、それでおしまいか。
下心なしで、僕に話しかけてくれる黒人も多い。
ちょっと仲良くなってしまうこともある。
「明日も会えるかな」なんて言われることもある。
でも、仲良くなることはできても、かれらの世界に溶け込むことはできない。
経済の壁は厚い。
黒人は、よく歌を歌う。
道行く人も、働いている人も、宗教の集会でも、恥ずかしがることなく大きな声で歌う。
僕は足を止めてその歌声に聴き入り、泣き出してしまいそうになることがある。
この湧き上がるようなパワーは何だろう?
くだらないことすべてを吹き飛ばしてしまうような、生きる力。
同じ人間。
僕の旅も、もしかしたらくだらないただの道楽なのかもしれないが、このパワーを感じとることができただけでも、アフリカへ来た甲斐があったと思う。
この力に、この土地に、せめて敬意を払いたい。
Lilongwe, Malawiにて
野生的で、筋肉ムキムキで、口より先に手が出そうな。
貧弱で武器も持たない日本人などは、狙われたらなすすべもない。
ケープタウンに着いて、現実にこのブラックワールドを目の当りにした時は、けっこうビビったものだ。
でも実際かれらに近づいてみると、かれらは自分たちが怖がられているという自覚は持っていないことがわかる。
考えてみりゃそうだ、黒人だらけで、黒人であることが当たり前の世界だから、「黒人=怖い」という認識が生まれるはずもない。
むしろ逆に、かれらは白人や東洋人などの外国人を恐れているフシがある。
かれらはしばしば、僕を「Boss」と呼んだり、「Sir」とか「Mister」を付けたりする。
ふつう、ただの旅行者にこんな敬称を使う必要はない。
ちょっと相手をおだてて、持ち上げて、金をせびろうとする輩もいるが、僕が感じるのはそうではない。
かれらには、強いコンプレックスがある。
15、16世紀にヨーロッパによるアフリカ開拓が始まって以来、黒人たちはずっと被支配者であり続けた。
民族としての黒人が歴史の表舞台で活躍したことはないし、世界の覇権を握ったこともない。
アメリカへは、人としてではなく奴隷として「輸出」された。
1960年代に植民支配が終わり、独立してもう半世紀がたつというのに、いまだ黒人国家で経済的に成功した例はひとつもない。
「いつまでたっても自分たちは貧しいまま。支配されたまま。外国人は雲の上のような存在。」
そんな悲壮感がある。
実際、先進国との経済格差はとてつもない。
僕が宿泊しているいわゆるバックパッカーズホステル兼キャンプ場は、おもに白人の長期旅行者がたくさん集まる安宿で、ここだけ異空間な感じになっている。
ジャンル的には貧乏旅行者だが、もちろん現地人から見れば大金持ちだ。
こういう長期旅行を実現させるには、数十万~数百万円の資金が必要になる。
今の旅行者は皆ノートパソコンを持っている(僕もほしい)。
ここはWi-Fiフリーなので、夜はネット三昧。
でも一歩この敷地から外に出れば、スクラップ同然の日本の中古トラックや中古ハイエースに、黒人たちがありえないぐらいぎゅうぎゅう詰めになって乗っていたり、足の不自由な人や目の見えない人が道端で一日中手を差し出していたりする。
旅行者たちは、日々の物乞いや押し売りに、少々うんざりしている。
でもこの敷地内にいれば、たかられることもないし、盗まれることもないし、「アズング~」とか「チャイナ!」とか言われることもない。
自分と似たような経済力、教養、常識、礼儀、マナーを共有できる。
だから、外国人同士で変な仲間意識が生まれる。
外で黒人に話しかけられたら「Sorry」の一言で一蹴するが、外国人同士なら、握手して互いに自己紹介する。
これは人種の壁ではなく、経済の壁だ。
なんだかくだらない。
アフリカ旅行とは何なのか?
世界旅行とは何なのか?
異文化の人をものめずらしい目で見て、写真を撮ってチップを払って、それでおしまいか。
下心なしで、僕に話しかけてくれる黒人も多い。
ちょっと仲良くなってしまうこともある。
「明日も会えるかな」なんて言われることもある。
でも、仲良くなることはできても、かれらの世界に溶け込むことはできない。
経済の壁は厚い。
黒人は、よく歌を歌う。
道行く人も、働いている人も、宗教の集会でも、恥ずかしがることなく大きな声で歌う。
僕は足を止めてその歌声に聴き入り、泣き出してしまいそうになることがある。
この湧き上がるようなパワーは何だろう?
くだらないことすべてを吹き飛ばしてしまうような、生きる力。
同じ人間。
僕の旅も、もしかしたらくだらないただの道楽なのかもしれないが、このパワーを感じとることができただけでも、アフリカへ来た甲斐があったと思う。
この力に、この土地に、せめて敬意を払いたい。
Lilongwe, Malawiにて
2011年10月12日水曜日
発送
昨日(日本時間の夜?)、荷物が発送されたようだ。
サイズも重量もかなりあるはずなので心配だったが、なんとか規格内におさまったようだ。
通常3~6日で届くが、マラウイは実績がないのでもっとかかるかもしれない、とのこと。
winlook君には繰り返しお礼を言いたい。
平日も休日も忙しいところ、余計な仕事を増やしてしまって本当に申し訳ない。
ありがとう!
それから、まだ直接コンタクトをとっていないが、レーシングスポーツ フジタさんにも、こんなムチャな依頼に多大なご協力をしていただき、心から感謝いたします。
しかも、信じられないほど安くすませてもらいました。
こんなに安くて大丈夫なんでしょうか?
「浮いた分で少しでも栄養を蓄えてほしい」と言ってくださったそうです。
ありがとうございます!
僕は必要な物の条件だけ伝え、品は藤田さんに選んでいただきました。
最初からそうすべきだったのです。
ラレーは誰にも相談せずに自分の判断だけで決めたがゆえの失敗でした。
藤田さんもこのブログを見てくださっているそうなので、ここでラレーの損傷具合を報告したいと思います。
まず最初に、ボトム部分で4本のチューブを集約しているパーツから、シートチューブが引っこ抜けました。
それから、シートステーがトップ部分で左右ともに折れました。
計3ヶ所、いずれも走行中ではなく、自転車を持ち上げた時に折れました。
3ヶ所ともそれぞれ2度ずつ溶接しましたが、そのうち1ヶ所は、リロングウェに着く直前にまた折れ、現在も折れたままの状態です。
走行不能というわけではないですが、溶接はあくまで応急処置で、しばらくするとまた折れます。
ちなみに、前回の旅の時はダウンチューブが崩壊し、この時は走行不能となりました。→参照
ブランドはTREK、材質はアルミ。
出発から1年2ヶ月、走行距離34669kmの時でした。
それにしても、自転車のフレームが折れるなんて、かなりレアなことだと思うのですが。
しかも今回は出発してまもなくのこと。
あまりにも早すぎる・・・
バッグは、横ブレ防止用のフックが折れました。
本来ならキャリアから外れないように黄色の丸いパーツがロックしてくれるはずなのですが、根本的にキャリアとバッグの寸法が微妙に合ってなくてロックできず、外れてしまうことがよくあります。
ある時、バッグがキャリアから外れて落ちそうになり、横ブレ防止用のフックがキャリアに引っかかって宙吊りになって、折れてしまいました。
これも走行不能というわけではないですが、横ブレが激しいのでキャリアに負担がかかると思います。
他のパーツは特に問題なしです。
Lilongwe, Malawiにて
サイズも重量もかなりあるはずなので心配だったが、なんとか規格内におさまったようだ。
通常3~6日で届くが、マラウイは実績がないのでもっとかかるかもしれない、とのこと。
winlook君には繰り返しお礼を言いたい。
平日も休日も忙しいところ、余計な仕事を増やしてしまって本当に申し訳ない。
ありがとう!
それから、まだ直接コンタクトをとっていないが、レーシングスポーツ フジタさんにも、こんなムチャな依頼に多大なご協力をしていただき、心から感謝いたします。
しかも、信じられないほど安くすませてもらいました。
こんなに安くて大丈夫なんでしょうか?
「浮いた分で少しでも栄養を蓄えてほしい」と言ってくださったそうです。
ありがとうございます!
僕は必要な物の条件だけ伝え、品は藤田さんに選んでいただきました。
最初からそうすべきだったのです。
ラレーは誰にも相談せずに自分の判断だけで決めたがゆえの失敗でした。
藤田さんもこのブログを見てくださっているそうなので、ここでラレーの損傷具合を報告したいと思います。
まず最初に、ボトム部分で4本のチューブを集約しているパーツから、シートチューブが引っこ抜けました。
それから、シートステーがトップ部分で左右ともに折れました。
計3ヶ所、いずれも走行中ではなく、自転車を持ち上げた時に折れました。
3ヶ所ともそれぞれ2度ずつ溶接しましたが、そのうち1ヶ所は、リロングウェに着く直前にまた折れ、現在も折れたままの状態です。
走行不能というわけではないですが、溶接はあくまで応急処置で、しばらくするとまた折れます。
ちなみに、前回の旅の時はダウンチューブが崩壊し、この時は走行不能となりました。→参照
ブランドはTREK、材質はアルミ。
出発から1年2ヶ月、走行距離34669kmの時でした。
それにしても、自転車のフレームが折れるなんて、かなりレアなことだと思うのですが。
しかも今回は出発してまもなくのこと。
あまりにも早すぎる・・・
バッグは、横ブレ防止用のフックが折れました。
本来ならキャリアから外れないように黄色の丸いパーツがロックしてくれるはずなのですが、根本的にキャリアとバッグの寸法が微妙に合ってなくてロックできず、外れてしまうことがよくあります。
ある時、バッグがキャリアから外れて落ちそうになり、横ブレ防止用のフックがキャリアに引っかかって宙吊りになって、折れてしまいました。
これも走行不能というわけではないですが、横ブレが激しいのでキャリアに負担がかかると思います。
他のパーツは特に問題なしです。
Lilongwe, Malawiにて
2011年10月10日月曜日
リロングウェ
毎度のことながら、ホステル兼キャンプ場でキャンプしている。
1泊850クワチャ(390円)。
1ヶ月滞在したとしても、高級ホテル1泊分ぐらいだ。
しかし、マラウイの滞在許可は30日。
すでに入国して13日が経過している。
荷物が届くのに何日かかるかわからないが、仮に7日として、組み立てと調整に3日、ここからタンザニア国境まで6日、計29日。
とりあえず荷物が届いてくれれば、あとは自力でなんとかできるが、こればっかりは、無事に届きますようにと祈るしかない。
日本から物を送ってもらうなんて初めてのことで、しかも総費用はかなりの額で、しかもここはアフリカ。
無事受け取るまでは、不安で落ち着かない日々を送ることになるだろう。
マラウイ湖は低地で暑かったが、再び標高1100mほどまで上がり、ここはすごしやすい気候だ。
田舎街に比べると物価は高く、安レストランも少ないが、それでもあまり金を使っている気がしない。
長期滞在するには好条件だ。
人や店が集中しているのはOld Townと呼ばれるエリアで、ショッピングモールと市場がある。
これが首都リロングウェのすべてだ。
まともな自転車屋やアウトドアショップなどは、探すまでもなく、ない。
どこの国の都市にも、SHOPRITEやSPARといった大型スーパーがある。
今までは、こういった大型スーパーでできるだけ安い商品を探して自炊してきたが、最近はスーパーが一番高くつくようになった。
スーパーで売られている商品の多くは、南アフリカからの輸入品。
南アフリカは文化の発信源で、買い物をしていても、音楽を聞いていても、テレビを見ていても、強い存在感と影響力を発揮している。
しかし、マラウイまで来ると輸送費がかかるせいなのか、たとえばソーセージやコーヒーやシャンプーなどの南ア製品(要はマラウイで自国生産できないもの全般)が、日本の金銭感覚をもってしても高いと感じるようになった。
毎日のように食べていたお気に入りのクッキーも、「誰が買うか」と思うような値段になっている。
その横で、マラウイ産のクッキーが50円ぐらいで売られている。
大好物のJELLY BEANSも、買うのをためらうようになった。
客層も、富裕層や外国人が多く、セレブな雰囲気になってしまった。
バオバブジュース。
これはまずかった。
市場ではあらゆるものが安い。
このOld Townから数km離れたところに、City Centerと呼ばれるエリアがある。
きっとそこはビジネスの中心地で、高層ビルが並ぶオフィス街になっているのだろうと思い、昨日自転車で行ってみたのだが、あまりの大自然に驚いた。
大手銀行や官庁らしき建物がポツポツとあるだけで、98%ぐらいは森林だ。
ちょっと離れたところから見たCity Center。
以上が首都リロングウェのすべてで、観光するようなところも面白いところも、特にない。
ネットカフェはたくさんあるが、営業していても「今は使えないよ」と入店拒否されることが多い。
停電もよく起こる。
さいわい、宿泊しているところがWi-Fiフリーなので、iPhoneで無制限にネット閲覧ができる。
日本のニュースを読む余裕もできた。
でもやはり超スローで、よく回線が途切れる。
リロングウェのちょっと手前で出会ったフランス人サイクリスト。
フランスから出発して、アフリカを一周してフランスに戻るらしい。
サトウキビ積んでる。
Lilongwe, Malawiにて
1泊850クワチャ(390円)。
1ヶ月滞在したとしても、高級ホテル1泊分ぐらいだ。
しかし、マラウイの滞在許可は30日。
すでに入国して13日が経過している。
荷物が届くのに何日かかるかわからないが、仮に7日として、組み立てと調整に3日、ここからタンザニア国境まで6日、計29日。
とりあえず荷物が届いてくれれば、あとは自力でなんとかできるが、こればっかりは、無事に届きますようにと祈るしかない。
日本から物を送ってもらうなんて初めてのことで、しかも総費用はかなりの額で、しかもここはアフリカ。
無事受け取るまでは、不安で落ち着かない日々を送ることになるだろう。
マラウイ湖は低地で暑かったが、再び標高1100mほどまで上がり、ここはすごしやすい気候だ。
田舎街に比べると物価は高く、安レストランも少ないが、それでもあまり金を使っている気がしない。
長期滞在するには好条件だ。
人や店が集中しているのはOld Townと呼ばれるエリアで、ショッピングモールと市場がある。
これが首都リロングウェのすべてだ。
まともな自転車屋やアウトドアショップなどは、探すまでもなく、ない。
どこの国の都市にも、SHOPRITEやSPARといった大型スーパーがある。
今までは、こういった大型スーパーでできるだけ安い商品を探して自炊してきたが、最近はスーパーが一番高くつくようになった。
スーパーで売られている商品の多くは、南アフリカからの輸入品。
南アフリカは文化の発信源で、買い物をしていても、音楽を聞いていても、テレビを見ていても、強い存在感と影響力を発揮している。
しかし、マラウイまで来ると輸送費がかかるせいなのか、たとえばソーセージやコーヒーやシャンプーなどの南ア製品(要はマラウイで自国生産できないもの全般)が、日本の金銭感覚をもってしても高いと感じるようになった。
毎日のように食べていたお気に入りのクッキーも、「誰が買うか」と思うような値段になっている。
その横で、マラウイ産のクッキーが50円ぐらいで売られている。
大好物のJELLY BEANSも、買うのをためらうようになった。
客層も、富裕層や外国人が多く、セレブな雰囲気になってしまった。
バオバブジュース。
これはまずかった。
市場ではあらゆるものが安い。
このOld Townから数km離れたところに、City Centerと呼ばれるエリアがある。
きっとそこはビジネスの中心地で、高層ビルが並ぶオフィス街になっているのだろうと思い、昨日自転車で行ってみたのだが、あまりの大自然に驚いた。
大手銀行や官庁らしき建物がポツポツとあるだけで、98%ぐらいは森林だ。
ちょっと離れたところから見たCity Center。
以上が首都リロングウェのすべてで、観光するようなところも面白いところも、特にない。
ネットカフェはたくさんあるが、営業していても「今は使えないよ」と入店拒否されることが多い。
停電もよく起こる。
さいわい、宿泊しているところがWi-Fiフリーなので、iPhoneで無制限にネット閲覧ができる。
日本のニュースを読む余裕もできた。
でもやはり超スローで、よく回線が途切れる。
リロングウェのちょっと手前で出会ったフランス人サイクリスト。
フランスから出発して、アフリカを一周してフランスに戻るらしい。
サトウキビ積んでる。
Lilongwe, Malawiにて
2011年10月7日金曜日
マラウイ湖とマラウイ人
このマラウイ湖から、大地の裂け目、グレートリフトバレーが始まる。
アフリカで3番目に大きな湖で、琵琶湖の44倍。
地元の人はここの魚を獲って食べるが、生物学的にきわめて貴重な固有種が多いため、捕獲量は制限されている。
しかし鑑賞用としても人気が高く、日本などにも多く輸出されている。
(注)淡水魚です!
(注)餌付けはよくないです!
マラウイ湖の一部は世界遺産になっているが、自然保護の意識は行き渡っていない。
彼はパンを水中に浸して魚をおびきよせ、手づかみして僕に渡して見せた。
子供が水浴びするのはいいが、お母さんは子供の体に石鹸を塗りたくり、そのまま湖に突っ込んで泡を洗い落としていた。
やはりここはアフリカだ。
ほぼ丸一日ガイドしてくれたオースティン。
40歳ぐらいかなと思って年齢を聞いたら、27歳だと。
昼食はオースティンの家で。
主な民族はチェワ族。
チェワ語が国語で英語が公用語。
他人のことは言えないが、マラウイ人は他のアフリカ諸国に比べて、英語はあまり得意でないように思える。
写真を撮らせてくれと頼んだら、「マネー! マネー! マネー! マネー!」とうるさかった。
でもいざカメラを向けたら、照れてやがる。
異様に子供が多い。
どこもかしこも子供だらけ。
この国の平均年齢は10歳以下なんじゃないかと思うほどだ。
走行中は、左右両サイドから無数の子供がうじゃうじゃわいてきて、大興奮しながら「アズングー! アズングー!」と絶叫する。
日本語で「アソボー! アソボー!」と言っているようにも聞こえる。
どうせろくな言葉じゃないだろうが、あまりにもしつこく言われるので人に聞いてみたら、「azungu」は「白人」という意味だそうだ。
そんなところだろうと思っていた。
誇張なしで、1日に200~300回はこの言葉を浴びせられる。
しかしこういうのはどうやって伝播するのだろう?
興味深いことに、この「アズングー」の言い方、調子が、どこへ行っても同じ感じなのだ。
これを言うのは5歳以下の子供で、学校にも行かないだろうし村の外に出ることもないだろう。
一般家屋にはテレビも電気もないので、マスメディアの影響だとも思えない。
親が教え込むにしても、全マラウイ人が同じように自分の子供に、「外国人を見たらアズングーと叫びなさい」とインプットさせるだろうか。
文化人類学者か誰か、これについて調べた人いないだろうか。
マラウイ人の教育水準、知的レベルは非常に高い。
だいたい5歳以下の子供が、
「アズングー! アズングー!」
「ハロー! ハロー!」
「バイバイ! バイバイ!」
と絶叫する。
もう少し年長の子になると、
「ギブミーマネー! ギブミーマネー!」
「ハワユ! ハワユ!」
「ハウマッチ! ハウマッチ!」
と知ってる英語を並べたてる。
マラウイでは、「ギブミーマネー」という言葉はひとつのあいさつのようだ。
街中でも、僕とすれ違う時に軽く「ギブミーマネー!」と言ってそのまま過ぎ去って行く人がいる。
それから、中国語のものまねをしたり、カンフーのものまねをしだす人もいる。
英語だけでなく中国語もできるとは。
立派な青年になると、僕に自転車で勝負をしかけてくる。
かれらはもともとそんなに速くないので僕は抜かしてしまうのだが、その後猛ダッシュで抜き返してくる。
表情は真剣そのものだ。
でもしばらくするとスピードが落ちるので、また僕が抜かすことになる。
終日こんな感じなので、なかなか気が休まらない。
でもマラウイ人は仕事はちゃんとしてる。
ホテルや店などでイライラさせられることはない。
笑顔があり、「Thank you」や「Sorry」といった言葉もある。
僕はだいぶこの国を気に入ってしまったようだ。
マラウイクワチャ。
一番大きい紙幣が500クワチャ(230円)なので、ATMで1万円ほどおろそうとすると、この500クワチャ紙幣が40枚以上出てくる。
Lilongwe, Malawiにて
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