赤い砂の世界に惹かれて、未舗装を走り続けてやってきた。
国立公園内の60km区間だけは舗装されており、この日はキャンプ場に荷物を置いて、軽い自転車で舗装道路を疾走した。
「ナミブ」はサン族の言葉で「何もない」という意味、ということはよく知られているが、少なくともこのルートの周囲は草木が生え、動物がたくさん生息している。
スプリングボック。
オリックス。
ダチョウ。
1羽のダチョウが、僕のすぐ脇を、ドッドッドッドッっとすごい迫力で駆け抜けて行った。
余裕で自転車より速い。
世界一高い砂丘といわれているDune45。
高さ325mなので東京タワー並みのはずだが、頂上がどこにあるのかまったくわからず、こうやって見るとその辺の小山と変わりない。
ポスターなどの写真を見るとめちゃくちゃでかいのだが、これはガッカリ。
少しだけ登ってみた。
最奥地にあるDead Vlei。
ここは、未舗装無人地帯を何百kmも走り続けてたどり着く最果ての地でありながら、多くの旅行者が訪れる有名なスポット。
以前の投稿で、ナミビアの街は黒人だらけ、と書いたが、フィッシュリバーキャニオンやナミブ砂漠などの国立公園を訪れる旅行者は、ほとんどが白人。
特に僕が行った時はたまたま土日だったこともあってか、あまりにも多くの車が行き交い、キャンプ場も多くの人でごったがえしていた。
やっぱりこういう雰囲気は落ち着かない。
2日目は、夕方にキャンプ場を抜け出し、数km離れたところで野宿した。
そこは完璧な静寂で、完璧な夕焼けと完璧な星空だった。
夜は食べ物の匂いにつられて数匹の動物が寄ってきたが、テントから顔を出すとすぐ逃げてしまうので何だったかはわからない。
落ち着かないと言ったが、決して白人が嫌いなわけではない。
かれらは礼儀正しく、フレンドリーに話しかけてくれる。
走行中も、すれ違うドライバーたちが「水は足りてるか?」と頻繁に声をかけてくれる。
実際、ものすごく助けられている。
未舗装無人地帯で自転車をこいでいると、まるで珍獣でも目撃したかのように、僕にカメラを向ける白人も多い。
ナミブ砂漠からウィントフックまでの道のりも厳しかった。
未舗装は、場所によっては砂が深くてまともにこげず、押して歩くことも多かった。
1時間に7~8kmしか進めず、気温は37℃、水がみるみるなくなっていく。
ハエの襲撃も激化してきた。
だいぶ気分がへこたれていた時、南回帰線の標識が現れた。
南回帰線なんぞどうでもいいや、と写真だけ撮って、標識の下のわずかな日影でヘバっていた。
するとその後、車が続々と止まって、20人ぐらいで僕の写真を撮り始めた。
もちろん南回帰線を撮るために止まったのだろうが、かれらに励まされ、元気付けられた。
コーラをくれた人もいた(←これが一番ありがたかった)。
ウィントフックに向かう途中、シマウマ、クドゥ、ジャッカルなどを見た。
シマウマは普通のウマより警戒心が強いのか、かなり距離が離れていても逃げていってしまうので、まだ写真撮れていない。
Windhoek, Namibiaにて