2011年2月12日土曜日

アラビア語

過去に2度ほどアラビア語に挑戦したことがあるが、いずれもあまりの難しさに挫折した。
(といっても他の言語もたいしてやってないのだが。)
どこがどう難しいのかというと、

まず、文字を読むのが困難。
アラビア文字は30のアルファベットからなり、それらをつなげて書いて単語をつくるのだが、単語の語頭、語中、語尾のどの位置に来るかによって形が変わり、さらに独立形というのもあるので、1つの文字につき4つの形を覚えなければならない。
アラビア文字はほとんどが子音で、たとえばب(b)に母音記号なるものを付けて、بَ(バ)、بِ(ビ)、بُ(ブ)という音を作っていく(エ、オの母音は存在しない)。
ただし、この母音記号は初心者や子供向けのふりがなのようなもので、通常は付かない。
おそらくなんらかの法則があるのだろう、慣れてくると母音記号なしでも読めるようになるらしい。

発音も変わってる。
خ(kh)はおっさんがタンを吐く直前に出すような音。
حとهはいずれもh、دとضはd、سとصはsの発音だが、微妙に違いがあるらしい。
CDを聞いてみても違いがよくわからない。

ちなみに僕の名前「アサジリョウ」をアラビア文字にあてはめてみると、

اسجي ريو (右から左に読む)


これであってるだろうか?

まあでも、文字が難しいといっても、漢字ほどではないだろう。
日本語(漢字+平仮名+片仮名)ほど文字数の多い言語って他にあるだろうか?
アラビア文字はとても特異に見えるが、その流れるような書体は美しく、書道もあるようだ。

文法も、日本語やヨーロッパ言語とはまったく異質。
英語のbe動詞に相当するものがなく、「私 日本人」のように単語を並べるだけで「私は日本人です。」という文を作れる。
文頭にهل(ハル)を付ければ疑問文になる。
この辺はシンプルでいい。
動詞は複雑に活用するが、動詞の原形が男性3人称単数過去形だというのは変わってる。
名詞は男性名詞、女性名詞の区別があり、単数、双数、複数の区別もある。

ال(アル)は英語のtheにあたる定冠詞で、アルカーイダ、アルジャジーラ、アルハンブラなどにもみられる。
アルハンブラ宮殿はスペインにあるが、スペインもイスラム帝国の支配下にあった時代があったため、スペイン語にはアラビア語の影響がみられる。
「神」を意味するالله(アッラー)はال(アル)とله(ラー)をつなげて発音している(英訳するとthe god)。

アルカリ、アルコール、ソーダ、コーヒー、シュガー、シロップ、シャーベット、アスパラガス、コットン、ガーゼ、パジャマ、ソファー、チェス、マガジン、ラケット、タンバリン、などは元々アラビア語で、中世のイスラム帝国全盛期にヨーロッパに持ち込まれて英語になったもの。


現在アラビア語が話されているのは、北アフリカから中東にかけてのいわゆるアラブ世界で、25ヶ国ほど。
総話者数は2億3千万人。
各地の方言はアーンミーヤと呼ばれ、同じアラビア語でも通じ合えないほど異なるらしい。
フスハーと呼ばれる標準語は厳格な文法体系によって規定されており、どこでも通じ、ニュースなどでも使われる。

とりあえず、あいさつ、数字、旅行に必要なお決まりフレーズぐらいは習得したい。
自分で文章を作ったり文字を書いたりするのは、ちょっと難しい。
キーボードで文字入力するのも、すごく難儀する。

ちなみにアラビア語で「こんにちは」は、

السلام عايكم (アッサラームアライクム)

という。
これは直訳すると、「あなたがたの上に平和がありますように」という意味になる。

僕が出会うアラブ世界も平和でありますように。



0 件のコメント:

コメントを投稿