手術後ははっきり見えるようになるどころか、日に日に白く曇って見えにくくなっていった。
後発白内障。
白内障の手術を受けた後に白内障になるという、ふざけた病気。
前回の白内障手術では、曇ってしまった水晶体をきれいな人工水晶体に交換したわけだが、術後しばらくして水晶体を包んでいる膜が曇り始める、それが後発白内障。
一般に白内障は高齢者がなるものだが、新陳代謝の活発な若者が白内障手術を受けると、水晶体を包む膜で細胞が増殖して、後発白内障になりやすい(つまり僕は若い!)。
そんなわけで、六度目の手術。
手術といっても大げさなものではなく、レーザーで膜に穴を開けて曇りを飛ばすだけの、5分ほどの治療。
今までの手術のように眼球を直接傷つけるわけではないので、術後は特に制限もなく日常生活を送れる。
翌朝、曇りが取れて晴れ上がった。
曇りが取れたということは、白内障も後発白内障も治ったということだ。
でも改めて見てみると、視力自体がだいぶ落ちてしまったようで、はっきりとは見えない。
明らかに4月の手術以前の時の方が、よく見えていた。
4月の手術で歪みは改善された(完璧ではなくまだ少し歪んでいるが、さほど気にならない)。
白内障手術で遠くが見えるように設定したはずなのに、逆に遠くがぼやけて近くがよく見える。
医者に聞いてみると、「白内障手術は焦点のバランスが重要で、手術にミスがあったわけではない、過去に硝子体手術を受けていること、そしてレーシック経験者であることを考慮すると、これで満点、以前のような視力は望めない」という。
左目は1.5あるので、ひどいガチャ目になってしまった。
でも治療はこれで終了、これからはこの見え方に慣れるしかない。
そもそも最初の網膜剥離が旅先で発症していたら、とっくに失明していたかもしれない。
時間と費用はかかったけど、時間と費用をかければ何とかなってしまうのだから、ここはやはり恵まれた国だ。
安全に自転車に乗れて、美しいものを美しく見ることができれば、それでヨシとする。
2016年8月13日土曜日
北海道出張
15年前に走ったオロロンライン。
多くの旅人がここを通って宗谷岬をめざす、日本一周のハイライトともいえる道。
あの時は家から1ヶ月以上かけて来たけど、今回は半日で到着。
海辺の巨大建築物群にへばりつく仕事でやってきた。
1年前の岩手の出張と同様、風車のメンテナンス。
風車のてっぺんからロープをたらして、ブレードの点検をしたり補修をしたりする。
そこからの眺めはまるで何かのアトラクション。
そそり立つ無数の風車、青い空、澄んだ風、広大な静寂。
こんな稀有な仕事をさせてもらうのは実に幸運。
写真のアップが禁止されているのが実に残念。
移動日を含めて9日間。
15年ぶりの北海道、何して遊ぼうかと旅気分を隠しきれなかったが、現実には仕事が大変すぎてほぼ何もできなかった。
朝6時にホテルを出て夜8時ぐらいに戻ってくると、もう寝るしかない。
それでも早く帰れた日もあり、徒歩で岬まで行ってしばし黄昏れた。
日中23~25℃、夜は20℃以下。
東京より10℃ぐらい低い。
でも仕事中はけっこう暑い。
食事はほぼコンビニだったが、15年前に食べたうに丼をもう一度食べずにはいられなかった。
うに丼2700円、刺身定食1300円。
出張手当もらうからへーき。
北海道のウニは甘みがあってとろける。
東京で食べるウニとはまったく別物、まさに絶品。
15年前は、ちょうどペルセウス座流星群の時期に宗谷岬に到着。
屋根のない草原で野宿し、降り注ぐ星を浴びながら寝たのを強烈におぼえている。
今回は出張の最終日、深夜0時から明け方にかけてが流星群の見ごろとのこと。
見たい、、、しかし、、、どうしようもなく眠い、、、
天気予報を見たらくもりマークになっていたので、あっさりあきらめて寝てしまった。
今日、暑い暑い東京に帰ってきました。
来月また行きます。
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