2014年9月26日金曜日

ヘルシンキ



空港を出た瞬間、冷たく澄んだ空気に武者震い。
2006年に初めての海外旅行でアラスカの大地を踏みしめた時に似た感触。
緯度もアンカレッジと同じぐらいかな。

12℃。
前の晩は氷点下だったそうだ。
アラスカの時は夏の始まりだったので白夜だったが、秋からはその逆で、夜の方が長くなっていく。
熱帯から来ると、太陽の低さにすぐに気づく。
空港に到着したのは昼すぎなのに、すでに日は傾いている。

北上します。
世界一物価が高いと言われている北欧で、空前の円安。
そして迫りつつある冬。
果たしてどこまでできるのかわからないが、今は気持ちが北欧に向いてしまったのだからしょうがない。
オーロラを見たい。

空港前でこの写真を撮った後、金髪のきれいなおねえさんが「Good Luck!」と言ってくれたので、きっとうまくいくだろう。

フィンランドについて。

古代からフィン人が定住していたことからフィンランドと呼ばれるが、かれらは自分たちをスオミと呼ぶ。
12世紀からスウェーデンに支配され、19世紀からロシアに支配され、1917年に独立。
戦後はソ連の勢力下に置かれたが、資本主義体制を維持した。
ソ連に頭を下げながらも、西側諸国に傾きすぎないような微妙な外交で冷戦をやりすごし、ソ連崩壊後は西側について、1994年にEUに加盟。

従来は林業と農業中心の経済であったが、1980年代以降はノキアやLinuxに代表されるITハイテク産業へと変化し、ヨーロッパでも有数の経済大国となり、生活水準は非常に高い。
2001~04年は国際経済競争力が世界一だった。

教育水準は世界一といわれ、「教育先進国」として注目されている。
授業時間は日本より少なく、塾も予備校もなく、受験戦争もさほど厳しくないにもかかわらず、国際学力テストのPISAで毎回総合で世界1位の成績をおさめている。

国土の73%が森林で、先進国では最も高い森林率(日本はそれに次ぐ68%)。
国土の10%が湖で、その数は18万におよぶ。
「湖」を意味する「スオ」が「スオミ」の語源だと言われている。

フィン人91%、スウェーデン人5%。

公用語はフィンランド語。
英文字を使うがヨーロッパ語族ではなくウラル語族(エストニア語、ハンガリー語など)であり、他の北欧の言語とは大きく異なる。
オーランド諸島はスウェーデン語。
サーミ語が準公用語。

首都ヘルシンキ。


首都とは思えないほど、静かで閑散とした街並み。
凝縮・過密・騒然としたアジアから来ると、なんともスカスカな感じ。















足長いなー。


北欧の人はゲルマン系で、ドイツ人と近い感じ。
皆スタイルが良くて、男も女もカッコイイ。
人当たりも柔らかく、接しやすい。

黒人やムスリムも多い。



ドライブマナーは超絶優秀。
歩いていても自転車に乗っていても、車はかなり距離を置いたところでピタッ、ピタッと止まって優先してくれる。
先進国はだいたいそうだが、特に北欧の人は優秀なイメージがあり、安心できる。



レトロな自転車が多い。




自転車屋もオシャレ。


雪に備えて、初めてスタッドタイヤを買った。
€50×2。

古着屋で防寒着も買った。
€50。

アウトドアショップでガスカートリッジも入手できた。

なぜか、ネパール料理屋を何軒か見かけた。

価格は現地の20倍ぐらいかな。

和食屋もある。
メニューを見てみたら、親子丼が€15だった。

ヨーロッパ南部もそうだったが、おしゃれな服屋とか高そうなレストランばかりで、見映えは美しくても実用性は著しく低い街。
ホテルとか銀行とかATMなんかも少ない。
ショッピングモールの中でWi-Fiが使えたので、ネットで調べて必要な店を見つけることができたが、ただ街を歩いて探すのは難しいと思う。





コーラの缶が€2.20。

もちろん買えません、しばらくおあずけ。

言うまでもなく、これから毎日自炊。
スーパーで割安商品を探して何とかやりくりする。

キャンプ場€19。


設備は充実していてきれい。
Wi-Fiあり、テントの中でもネットができる。
街の中心から10kmほど。

ちょっと話を戻して、フライト前日。
リーさんのコネで、自転車用の発電機をつくっている会社に連れて行ってもらった。
発電機は、欧米人サイクリストが装着しているのを見かけることが時々あって、前から欲しかった。





ハブの回転を電気に変えて、バッテリーバンクに貯める、あるいは直接電子機器にUSBケーブルでつないで充電することも可。



原理は素人にも理解できるほど単純だと思うが、意外に市販化されていない。
この商品も店頭には置かれていない。

コネとは言っても、ちゃんと定価で支払った。
6500元(2万3293円)。
高い。
でも、充電したいがためにホテルに泊まることもあるので、その必要がなくなればずっと野宿でもやっていけるから、長い目で見ればお得なはず。

台湾出発の日は、リーさんとイーリンが空港まで車で送ってくれた。
最後の最後まで、お世話になってしまいました。
ほんとにありがとね。
いつかまた日本に来てくれたら、必ずウエルカムするから。

新台湾ドル。




ヘルシンキまでは、香港とイスタンブール経由で、チケット8万2439円。
チェックインの際、荷物の超過料金で、なんと3万1000元(11万1090円)請求された。
さすがにそれは払えねえ。
なんとかゴネて、可能な限り機内へ持ち込むようにして、2万元(7万1671円)まで下げた。
それでも、あまりに痛い出費。
機内へ持ち込める荷物は7kgと制限されているが、強引に推定30kg近く持ち込んだ。

フィンランド入国手続きは、意外に質問が多かった。
出国のチケットの提示も必要。

ここ数日で、フライト代を除いても軽く数万円吹っ飛んでしまった。
旅の終わりが早まる。


Helsinki, Finland

18561km



2014年9月20日土曜日

北部

北部はフラット。
追い風で快調に飛ばす。











基隆。






























いつもは帽子をかぶっているのだが、この日はあまりの強風で帽子が飛んでしまうため、何もかぶらずに走っていた。
するとバイクに乗ったおじさんが止まり、「帽子かぶらなきゃダメだろ!」とこれを差し出した。


「いや、帽子持ってるんだけど、風が強いから・・・」と説明しようとしたが、「いいから、いいから」と、強引に渡され、去っていった。
この帽子はヒモでキュッと締めるタイプなので大丈夫、と思わせて、やはり風でズリ落ちてしまう。



台北が見えてきた。


台北101。


川沿いには快適なサイクリングロードがあったが、街中に突入すると、やはり赤信号赤信号赤信号・・・。

101でフィニッシュ、記念撮影。


ベトナムには及ばないものの、台湾も立派なバイク大国、すごい交通量。


この後、タロウさんと会って一緒に食事した。
タロウさんは昨日フィニッシュした。
ずっと同じエリアを走っていながら、ニアミスを繰り返して、結局走行中に出会うことは一度もなかったな。


これからまた数日、リーさん宅で厄介になります。


Taipei, Taiwan