小学生の頃から聴き続けて耳慣れているはずの音なのに、どうして今もこんなに。
昔と違うのは、今は簡単に動画が観れてしまうことだ。
アルバムの音源よりも、こうやって曲の解釈を語りながら即興的に弾く姿は、より生々しくリアルに迫ってくる。
そして、動画を観て改めて思ったのが、歌が上手いのだ!
やはりこの人は、ピアノと歌でワンセットなのだ。
アルバムのレコーディングでも、歌用のマイクを一本立ててもよかったんじゃないかな。
ピアノの上手さは間違いなく世界一だけど、グールドが伝えたかったのは自分の技巧ではなく、奇抜なスタイルをアピールしたかったわけでもない。
常軌を逸するほど個性的なのに、頭の中にあったのは自分のことではなく、あくまで作曲者のことで、ひとつの曲が持つ可能性をうんと広げることを自分の使命としていたのではないだろうか。