2015年4月13日月曜日

退院しました

経過報告。

4月1日
突然右目が曇り始めた。
ぶつけたおぼえもなく、痛みもない。

4月2日
曇りが濃くなり、黒い点や線が動めいているのが見えるようになった。

4月3日
さらに曇りが濃くなり、黒い粒子を含んだ暗雲の中にいるかのようになった。
眼科に行き、網膜剥離だと診断された。
そこの眼科では手に負えず、大学病院を紹介され、その日のうちに即入院、即手術となった。

手術第1回目。
眼球に3ヶ所の穴が空いており、そのうち1ヶ所はかなり大きく、眼球内の奥でスクリーンの役割を果たしている網膜がはがれ、さらに出血して眼球内に血がたまっていた。
眼球に管を差し込み、眼球内を満たしている硝子体と呼ばれるゼリー状の物質を除去し、レーザーで網膜を焼き付けた。
除去した硝子体の代わりにガスを注入して、終了。
手術は1時間以上におよんだ。

ガスの圧力を利用して網膜を密着させるため、その日からうつ伏せで寝なければならなくなった。
当然ガスは上に向かうので、目の奥に位置する網膜に力を加えるには、下を向き続ける必要があるのだ。
感染症防止のため、洗髪洗顔は禁止。

食事制限がないのがせめてもの救い。
病院食だけで足りるわけもなく、院内のコンビニに通って買い食いする日々。

家族からの差し入れ。


4月6日
セルビアで自転車盗難騒動があった時、一番助けてくれた大事な友人ジェリコが来日、見舞いに来てくれた。


この人。


日本に来ることはだいぶ前からわかっていて、全力でウェルカムして日本を楽しんでもらう計画だったのに、まさかこんなタイミングでこんな事態になってしまうなんて、本当に申し訳ない。

4月7日
再手術。
上を向くと、数十の黒い泡のようなものが見えていた。
網膜を貼り付けるために注入した物質が残っていたのだ。
これはミスというわけではなく、やむをえない状況で除去しきれなかった、と説明された。
また眼球に管を差し込んで、その物質を除去。
30分ほどで終了。



そういえば、身長と体重を計測した。
身長が2cm伸びていた。
体重は旅行中と比べて8kg増量。
あと、どうでもいいけど靴のサイズが従来より1cm大きくなり、現在は28cmが最適サイズ。
体温は基本37℃以上。
血液検査と尿検査もしたけど、何も言われてないからきっと健康なのだろう、知らんけど。



4月10日
再々手術。
2回目の手術の後に出血して血がたまっていたらしく、何も見えていなかった。
また眼球に管を差し込んで、洗浄。
30分ほどで終了。
この夜から仰向け解禁。

4月11日
かすみさん(左)となおみさん(右)。


かすみさんは、単独で自転車によるアフリカ縦断を果たした人。
以前からメールやフェイスブックでつながっていたが、お会いするのは初めて。
なおみさんは、このブログでも何度も紹介している旅人で、この時も帰国したばかり。
僕らは同時期にアフリカにいたのだが、初めて3人そろって対面。
猛者二人の会話、なんかすごかった。

差し入れもすごかった。


4月12日
手術は無事完了し、検査の結果も異常なし、ということで退院。
3回目の手術の後、見えるようにはなったが、視力が回復したとは言えない。
まだ少し曇っているし、右目で見たものと左目で見たものにズレがある。
空気が少し残っていて、下を向くと小さな黒い輪が見える。
三度にわたって眼球に管を差し込まれてグリグリグチャグチャされたので、真っ赤に充血して、まともに目を開けるのもつらい。
こういった症状はいずれも徐々に回復していくらしい。



医師の説明によると、今回の原因はふたつの可能性が考えられるという。
ひとつは、もともと強度の近視で、眼球が長く伸びていた影響。
もうひとつは、レーシック手術(7年前に受けた)の際に眼球に力を加えられた影響。
どちらの原因にしても、いずれ左目も同じようなことが起こる可能性が否定できないし、右目がまた再発する可能性も否定できない。
予防、対策は特にない。

網膜剥離は自然治癒されることはなく、放置すれば失明に至る。
帰国後に発症したのは不幸中の幸いであった。
マダガスカルで発症していたら終わっていた。
ひとつ言えるのは、今後もし旅先で目に異常が発生した場合、自転車や荷物を置き去りにしてでも、緊急帰国するべし。

洗髪洗顔はあと2週間は禁止(目に水が入らない方法であればOK)。
しばらく仕事はできないし、自転車も乗れない。
免許奪還は絶望的。
外出したり食事したりはできるので、時間ある方お付き合い願います。



4 件のコメント:

  1. ひとまずは、術後の経過を見守るしかなさそうな感じだね。

    仕事しばらくは出来ないだろうし、自らの外出も厳しいか…

    どこか行きたい場所があれば、同行するよ。

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    1. お騒がせした。
      本文にも書いたけど、外出は問題ない。
      問題あるのは、激しい運動、自転車や車の運転、目に水が入ること、など。
      疲れやすいけど、目は使わないと劣化していくので、少しずつ鍛えていかなきゃならない。

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  2. 世界を見てきたりょうさんの目、
    美しい景色、美しい女性を見過ぎてちょっと休みを入れたいだけだと思います。
    ラウンド3ではどこかのすんごい景色をりょうさんと一緒に見たいです。
    退院後も大盛りは継続してください。
    無事の回復を遠くから祈ります。

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    1. ありがとうございます。
      旅から戻ると、今まで無意識にムリしてきた何かがプツンと切れるのかもしれませんね。
      いいかげん始動したいところですが、まだ完治できていない現実を受け入れざるをえません。
      もちろんジンさんとはいつか、お互い自転車に乗った状態で、世界のどこかの風景を共有したいです。
      しかし当面僕は日本からジンさんを応援する側にまわりますよ。
      引き続きよい旅を。
      ブログ更新待ってます。


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