2014年10月17日金曜日

ノールカップ岬

ファーストスイッチ、ON!






セカンドスイッチ、ON!






1年前のカルドゥン・ラを思い出す。
あの時も、登れば登るほど豪雪になっていった。
でも、ここはたかだか標高200~300m。
雪道で5000m越えなんて、ちょっと頭おかしいんじゃないか、と今になって思う。
たしかにあの時は、脳内でよくわからない物質が分泌されて、おかしくなっていた。





キタ!


またキター!
あの時と同じ感じ!
なんだか知らんけどおかしくて、ヘラヘラ笑いっぱなしだ!
超気持ちいいー!







ついに・・・


到達。

ヨーロッパ最北端、ノールカップ岬。


↓ココ!


16世紀にイギリス人によって発見されて英語で「North Cape」と命名され、その後ノルウェー語で「Nordkapp」(ノールカップ)と呼ばれるようになった。

こんなに北上しても、北極点まであと2102kmもある。
僕のルートでヘルシンキからここまで1682kmあったから、北極点まではこの距離よりさらにある。

307mの断崖絶壁。
北極海が見えるはずだが・・・

何も見えやしねえ。

そうそう。
2011年7月、南アフリカから旅を始めた時、このノールカップを目指して北上を開始したのだ。
しかしその後、シェンゲンルールというものを知り、自転車で一気にノールカップまで到達するのは不可能だということが判明して、あきらめてしまっていたのだが、それがずっと心残りであった。
ずいぶん遠回りしてしまったけど、最初の宣言を果たしたよ。

アフリカ最南端アガラス岬

当時35歳!?
信じられへんな。





岬には、レストランやショップなどの複合施設があるが、15時で閉館。
僕が到着した時はすでに閉まっていて、人っ子一人いなかった。

この施設の軒下で野宿を試みたのだが、まもなく猛吹雪となった。
北極からやってくる、猛烈なブリザード。
荷物をすべてテント内に入れても、テントが動き、しなり、つぶされそうなほど。
身の危険を感じた。
これはムリ。

やむをえず、いったんたたんで撤収。
施設の従業員出入口に、三方を壁で囲まれたわずかなスペースがあったので、そこにテントを張った。
もちろん従業員の人に断りたかったが、どのドアを叩いてもまったく応答がなく、誰もいないようだった。
従業員出入口の真ん前にテントを張るなんて、これもどう考えてもNGだが、これは緊急避難に近い。

吹雪はすさまじいが、風さえ防げれば、気温は-5~-6℃で、極寒というほどでもない。
しかし温度差でテント内は結露し、あらゆるものに水滴が付き、さらに荷物に付いていた氷が少しずつ溶けて、寝袋やマットが濡れてしまった。

翌朝。


北極海、見えた。


自転車で行ってみる、北極海。
テントで踏ん張ってみる、北極から吹き込む猛ブリザード。
また楽しからずや。

来た時と同じ道を戻る。




















実は、北欧行きの飛行機に乗った時点では、ここまで来るつもりはなかった。
しかしどうも、旅人というのは端っこを目指してしまう習性がある。
来てよかった、本当に。











この付近で、3人組のトレッカーと出会った。
3人とも国籍はバラバラだがいずれもユーロピアンで、そのうちひとりは女性。
これから歩いて岬まで行く、と言う。
この雪道とアップダウンだと、自転車も徒歩もスピードは大差ないと思うが、テントを含む大荷物を背負って歩くなんて。
壁も何もないところでキャンプして、あのブリザードが来たらどうするのか、大丈夫かな。

雪が降ったのは岬周辺だけかと思ったが、ふもともしっかり積もってた。


正午の太陽。


ふもとの街、ホニングスヴォーグで連泊。

もおおおおお、ガマンできん!


コカ・コーラ社ではない、ニセコーラだけど、デザインカッコイイ。
9.90クローネ(159円)。
がんばったことだし、これぐらいのぜいたく、いいでしょ。
今夜は晩酌だ!

明日、39歳になります。
たぶん、ネット環境のないところで野宿してると思います。


Honningsvag, Norway



4 件のコメント:

  1. ヨーロッパ最北端到達おめでとう。
    南アフリカ出発から長かったかな…途中いろんな困難やトラブルあったけど、無事で何より。
    出発当時35歳だったのか…

    一足早く、日本は17日なので。
    誕生日おめでとう。ひと月後に追いつくよ。

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  2. すごい景色ですね。地の果てという感じが伝わります。まったく一人というのがまた良い感じです。今後もお気をつけて。

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    1. まさに最果てです。
      何気に今がベストシーズンかもしれません。
      夏だと旅行者が多そうだし、冬は難しそうです。
      一応通年アクセス可能なようで、バスや車とはすれ違いましたが、基本一人占めでした。

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