2014年10月12日日曜日

スカンジナビアへ

ノルウェー入国。


シェンゲン圏のため、フリーボーダー。
イミグレーションなし、パスポートの提示不要。
というか、誰もいないし何もないので、この小さな標識を見逃したら、国境を越えたことすら気づかないだろう。



ノルウェーについて。

スカンジナビア半島の西側、氷河の侵食によって複雑に入り組んだフィヨルドの地形がえんえん続く。
(ちなみに今までいたフィンランドはスカンジナビア半島には含まれない。)
「入江、湾、フィヨルド」を意味する「vik」から、「ヴァイキング」(フィヨルドから来た者)という言葉が生まれた。
「ヴァイキング=海賊」というイメージがあるが、実際にはスカンジナビアに住む人全体を指し、手工業に秀でた漁民、農民であったという。
日本でヴァイキングといえば食べ放題だが、これはノルウェーの一般的なパーティのスタイルを真似たもの。

9~11世紀にヴァイキング時代として栄えたが、14世紀にデンマークに併合され、19世紀にスウェーデンに併合され、1905年に独立。
EU非加盟。

北海油田の豊富な石油資源により、世界有数の原油輸出国。
漁業、林業、鉱業、IT産業もさかんで、国民一人当たりのGDPはルクセンブルクに次いで世界2位。
首都オスロの物価の高さは、東京、ロンドンに次いで世界3位。
世界で最も税金の高い国としてギネスブックに掲載されたこともある。
就学率、識字率、平均寿命なども高く、人間開発指数(HDI)は世界1位。

ノルウェー人82%。
公用語はノルウェー語。







通貨はユーロではなく、独自の通貨クローネ。
同じヨーロッパのくせに、面倒だがATMで引き出さなければならない。
ATMはどこだろう、と探そうとした矢先に、女性が笑顔で「何かお探し?」と声をかけてくれて、非常に流暢な英語で教えてくれた。

フィンランド人と同様、ノルウェー人もゲルマン系で、金髪碧眼。
もちろん、見た目だけでフィンランド人とノルウェー人の違いなどわかるはずもない。

ノルウェー語はドイツ語に近いと思う。


北欧の中でも最も物価が高いと評判のノルウェー。
最初に現れた街、カラショークで唯一のスーパーで買い物。


感覚としては、スイスと似ている(スイスもメインのスーパーがcoopだった気がする)。
マズかろうが何だろうが、最安の食材を発掘してやりくりする。
最底辺の食生活を強いられるであろう。
ちなみに、コーラ500mlが18.90クローネ(321円)。
恐るべしEU非加盟国。

スーパーの中のアウトドアコーナーはかなり本格的で、見てるだけで楽しい。
ガスカートリッジも各種そろっており、予備を入手できた。



キャンプ場、110クローネ(1868円)。

ちなみにこの写真は、正午に撮った。
影の長さで太陽の低さを推察していただきたい。

テントは僕だけで、他の客はコテージに宿泊している。
コテージは400クローネ(6793円)とか言ってたかな。

シャワーを浴びようとしたら、なんとコイン投入式。
やっぱりスイスと同じだ。
シャワーと同時に衣類も洗濯する僕は少し長く時間がかかるので、もうなんだか面倒になってしまって、この日はシャワーはあきらめた。

Wi-Fiも有料。
時間制限はないが、別料金で25クローネ(424円)取られた。

早くもフィンランドに戻りたくなった。

夜3時、寒さで目が覚めた。
バスルームの小屋に逃げ込み、洗面所の隅で寝た。
北欧では、トイレもシャワールームも、常時暖房がきいている。

また曇り。
湖も凍り始めている。


午前中は氷点下。
タンクの水は半凍り、カシャカシャ音を立てながら進む。
午後から少し気温が上がる。



久々の雪山。


交通量はぐっと減少した。
道幅は狭いが、あまり車を気にせず走れる。



ラクセルブという街にはキャンプ場が2軒あるが、オフシーズンのためいずれも閉まっていた。
比較的安そうに見えたホテルに、一応料金を聞いてみたら、300クローネ(5085円)と言われてあきらめた。
でもおばさんが僕に興味を持ってくれて、ずっと自転車で旅をしている旨を話したら、200クローネ(3396円)に負けてくれると言う。
それでも高すぎるが、暖かい個室で寒さをしのげて、立派な共用キッチンもあり、その魅力とおばさんの好意に負けて、ここに泊まることにした。


Lakselv, Norway

20018km



4 件のコメント:

  1. 冬も直近って風景ですね。寂しさを感じる風景も意外と良いものだし、そういう旅行も良いなって思います。
    長旅お気をつけて。

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    1. 人気が少なくなるにつれて気分は盛り上がってきてます。
      特に自転車の場合、「こんなとこまで来ちまった」感に興奮が増します。
      しかしこの程度の寒さで眠れないというのはちょっと情けないです。

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    2. 北欧入りしてからはもっぱら自炊のようですね。
      ご存じかも知れませんが、そちらではグーグルマップで自転車ルート検索もできるようです。
      まだ日本では非対応ですが。

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    3. たしかにルート検索すると、自転車のオプションが出てきます。
      でも、行けるはずの道なのに自転車道検索をすると「ルートを検索できませんでした」ってなるので、結局車で検索してます。

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