2014年7月11日金曜日

美しき田園と美しくない諸々

ベトナムに再入国。
ラオス側がNam Phao、ベトナム側がCau Treoという国境。
標高700mほどの峠が国境となっている。
ラオス側にもベトナム側にも両替屋あり。
再入国は問題なくスムーズにいったが、なぜかUS$1払わされた。
賄賂とも思えなかったし、よくわからない。

ここから中国へと向かう。
また15日以内に出国しなければならないので、あまりのんびりはできない。

一気に下る。


下るにしたがって交通量が増え、再びクラクション地獄へ。











ベトナムとラオスでは、人の気質がまるで違う。
売店で買い物しても、レストランで食事しても、笑顔を見せてくれる。
こんなに気さくだったっけ、ってぐらい、走行中も声をかけられる。
子供のみならず大人も、威勢よくあいさつしてくれる。
南部では、カチンときたり気分を害したりした記憶も少なからずあるのだが。
人を呼ぶ時に大声でわめいたり、客に対しても「オイッ!」と吠えたり、無断で自転車に触ったりする、こういう野蛮な習慣は依然としてある。



街並みはやはり東西のハイブリッド。



こんな小さな田舎街でも、時々バイクタクシーが声をかけてくる。
あー思い出しちまった、やっぱうっとうしいね、君たち。

良く言えば商魂たくましい、悪く言えば金に汚い。
売店でもレストランでも、若干ぼったくられている感もある。

だいたい値段の決め方が大ざっぱすぎる。
ふつうに考えたら、3万2500ドンとか細かくなりそうなものだが、いつも4万ドンとか5万ドンとか、切りが良すぎる。

でもまあ、概してウェルカムしてくれてるし、今は悪い気しない。



また暑さが復活したが、以前のような逃げ出したくなるほどの酷暑ではない。



またしても、Google Mapsがはじきだした最短ルートが、超ローカルな道へと僕を導いていく。


もし途中でiPhoneが壊れたりGPSが機能しなくなったりしたら、相当ヤバイ。
いつのまにか、僕もGPSなしではやっていけない文明人になってしまっている。



目印も何もない農道はけっこう難解で、しょっちゅう立ち止まって確認しなければならないので、遠回りでも幹線道路で行った方が早いかもしれない。



でも、言うまでもなく幹線道路よりこういう方が断然いい。











つきぬけるような青い空。
輝く田んぼ。



まぶしい。







教会、赤い屋根、白い壁。
こうやって切り取るとまるでヨーロッパ。




なんて美しい世界。


ひとときの安堵。




幹線道路へ。


広い道路、ただふつうに走り続けていればいいものを、一体何がかれらにそうさせるのか。
過剰な異常な無意味なクラクションに、また僕は心をかき乱される。
鳴り止まない。
この狂気のクラクションが、美しい田園も何もかも、汚染し尽くす。



しばらくすると、また道路が荒れてきた。
工事中の箇所が非常に多く、狭い道が長く続く。



こうなると、誰もが自分を優先にと小競り合う。
歩行者や自転車なんぞは虫ケラほどにも気にかけない。

クラクションも倍増。
今までは無意味にやみくもに鳴らしていただけだったが、 ここでは「どかなきゃホントに轢き殺すよ?」という脅しとして使われ、鳴らしながらスピードを落とさずそのまま突っ込んでくる。
アフリカンスタイル。

荒れた路面で、スピードを上げて追い越しをかけたりすれば砂埃が巻き上がるのだが、車内にいるドライバーには痛くもなんともないのだろう。

砂埃がすごいので、店の前でホースで水をまく人がいる。
通行人に水をかけてしまったりしても、謝るそぶりもない。
水をまきすぎて水たまりができるほどビチャビチャになった路面を、トラックやバスがスピードを落とさず突っ込んできて、通行人に泥水をぶっかける。

なんて醜い世界。


 
また小さな街で1泊。

南部に比べて、北部はだいぶ発展が遅れているようだ。
ラオスと比べても、不便なことが多い。
売店では、この暑いのにぬるいドリンクばかり売っていて、冷えたものを見つけられない時もある。
宿もクオリティが低く、前の客が残していったゴミが散乱していたりするのなんて当たり前。
停電も頻発する。

劣悪な環境。
クラクションが割増しされたのはそのせいか。

でも、売店でもレストランでも宿でも皆、話しかけてくれる。
もちろん英語を話せる人なんかいないが、何語だっていい、僕と関わろうとしてくれるだけでも、今はうれしい。


Thanh Hoa, Vietnam

15748km



2 件のコメント:

  1. 確かラオス30日ビザを取られたと思うのですが、かなり日数残して出国したのですか?

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    1. ラオスという国をどの程度好きになれるか、それ次第ではもっとギリギリまで北上してからベトナムに再入国、というパターンもありえたので。

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