2014年5月13日火曜日

1100kmの後戻り 3

タイに再入国。

旅の感動の度合いとしては、タイよりミャンマーの方がはるかに上なのだが、なにかと楽チンな高度文明社会にホッと安心してしまう自分というものも確実に存在している。

クラクションの鳴らない人間的な音環境で整備された広い路面を疾走し、エアコンの効いたセブンイレブンで涼んでスムージーを飲み干し、停電のない宿で軽快なネットを楽しみたい。

どんな街でも確実に現金が引き出せる、この安心感。
物価はミャンマーの方が格段に安いのだが、持ち金が尽きてしまうことを恐れて出費をセーブしていた。

メシは、確実にタイがウマイ。
東南アジアの中では、タイ料理が暫定1位。
ただし、かき氷に関してはマレーシア。

一方で、言葉の壁によるトラブルや、イヌの襲撃が憂鬱だったりもする。
ちなみに、ミャンマーではイヌに追われることはなかった。
やっぱり国が変わるとイヌも変わる。
まあ、とりあえずクラクションさえ鳴らなければ、あとのことはたいしたことではない。



国境の街メーソット~ターク間の山道は、やはりなかなかあなどれない。
最高標高は800mと全然たいしたことないのだが、激しいアップダウンが数十km続き、しかも汗が滝のように流れ続ける暑さ、そしてこういうしんどい区間に限って店があまりない。

途中、何度か車が止まって「乗って行きなさい」と言ってくれたが、もちろん丁重にお断りした。
冷たい水を差し入れてくれる人もいて、これはありがたくいただいた。

雨雲が現れ、雷光も見え始めた。
5月から雨季だと聞いていたが、ようやく降ってくれるのか。
大歓迎だ、冷やしてくれ、体を冷やしてくれ。

と思っていたのだが、いざ雨に降られると、やっぱ冷たいや。
カッパは着た方がいいです。

車のルーフの上のミャンマー人たちはどうしていることだろう?

最後の登りを越えて、あとは下るだけ。
しかし、下り途中、タークまであと20kmというところで脱水症状っぽくなったので、ストップ。
体力に限界がくるのは、必ずしも登りの時とは限らないのだ。

レストランで食事をして、「ここでキャンプさせてください」とお願いした。
水浴びもさせてもらい、車中泊ならぬ車上泊。


どうがんばってもこの暑さでテントを張る気にはなれなかったので、適当なところにマットを敷いて寝ようとしたら、「車の上で寝なさい」ということになった。

やはりタイでは、他の国々と比べてコミュニケーションをとるのが難しい。
いっそ完全ジェスチャーにしてくれれば一連のやりとりもスムーズにいくと思うのだが、あくまでタイ語で押し通そうとするので、僕としては何を言われているのかさっぱりわからない。
僕は可能な限りシンプルな英語で対応するのだが、まったく通じない。
「そんなところに寝ないで車の上で寝なさい」という結論をお互いにわかりあえるまで長時間に渡ってすったもんだした。

レストランや屋台なんかでも、 こちらがタイ語を話せないとわかった時点でまともに応対してくれずに無視したり、たしかに注文したはずなのにいくら待っても一向につくり始めようとしなかったり、といったことがタイでは多い。
タイは場所によってはグルメ天国だが、場所によっては一食ありつくまでに時間と忍耐を要する。
もちろん、言葉は通じなくてもわかりやすく親切にしてくれる人も多い。

タイ語は、中国語に似て発音が難しい。
ガイドブックに載っている会話例をそのまま読み上げても、通じないことが多い。
僕はまだ、あいさつと食べ物以外の言葉は言えない。
まあ、だいたいどこの国に行ってもそれぐらいしかおぼえられないのだが。





カムペーンペットという街で連泊。
観光も街歩きもまったく何もせず、ただひたすら休むというのは久々かもしれない。
起きたら夕方の4時だった。

この街は焼肉食べ放題があって、店の人は僕のことをおぼえてくれていた。
準備の際も会計の際も、こちらから何も言わなくても事を運んでくれた。

改めて、タイの焼肉はウマイ。
焼肉にパクチー、というのが新鮮だ。
パクチーって、なんで日本で普及しないんだろう?
肉でも麺でもライスでもスープでも、何にでも合うと思うんだけどな。

次の街ナコンサワンでもまた連泊。
疲れがたまってるな。
ちょっとダラけたい気分だけど、田舎街は安宿がないので、なかなか長居もできない。

本当に厳しい暑さだ。
毎日カンカン照りで、雨季どころか日に日に暑さが厳しくなっているようにも思える。
走行条件は良好なのだが、暑さでやられる。
11~15時ぐらいが特に厳しく、20分ごとに立ち止まって水分補給しなければやっていけない。

自転車のフレームにペットボトルを装着できるようになっているが、今はまったく使っていない。
外に出しておくと、あっという間にお湯と化してしまうからだ。
日本で買った食料保存用バッグが、一応保冷性があり、重宝している。
ドリンクはできるだけこのバッグに詰め込んでいる。

今日は仏教の日、らしい。
仏教の日は酒類の販売が禁止になるが、僕は酒も飲まないし仏教徒でもないので、あまり関係ない。


Ayuthaya, Thailand

12474km



4 件のコメント:

  1. タイは真夏なのか…熱さ対策…なかなか厳しいようだな。
    熱中症にならないように気をつけてな。

    パクチーは香りが強すぎるから日本人だと好き嫌いがはっきりと別れる。
    俺もタイ料理には欠かせないと思うな。

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    1. やっぱパクチー苦手な人も多いのか。
      クセはあるけど香りはそんな強くないけどな。
      中南米でも広域で使われているし、日本でまったくと言っていいほど見かけないのは何か理由があるんだろう。

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  2. タイの真夏は想像しただけでうだるような暑さですね(汗
    普通に歩いてるだけで汗ダクだろうに、自転車で駆け巡るなんて・・・滝のように体から水分が奪われること必至ですね。
    お気を付けて。
    毎年好んでタイに行ってる私ですが、パクチー苦手です><
    パクチーが入ると、(例えば)「パッタイ」が「パクチー」になる感じがしてどうも受け入れ難く・・・好きになれたらどんなにいいことか!

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    1. もしかしてパクチー苦手な人の方が多数派なのか。
      人の味覚は千差万別だけど、時々日本人旅行者と会って食の話になって、同じ日本人でも意見がわかれることが多い。
      ちなみに、パッタイの良さがまったくわからん。
      嫌いってわけじゃないけど、なぜあれが有名なのか理解に苦しむ。

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