2013年11月1日金曜日

ノンツーリスティックエリア 3



ノンツーリスティックエリアでは、街の中心はひどい状況で入り込みたくないので、比較的人気の少ない郊外にあるちょっと敷地広めのホテルに宿泊してきた。
しかし、インド最後の夜を迎えるこの街では、郊外にホテルがなく、やむをえず街の中心でホテルを探した。

ホテルの前に自転車を停めて、レセプションに行って宿泊可能かどうかの確認だけしてすぐに戻ったのだが、このわずかな間にすでに7~8人が自転車を囲み、触りまくっていた。
「触んじゃねー!!!」
と日本語で怒鳴り、そいつらを蹴散らしてやった。
こうやって怒って、逆ギレしてきたヤツは今のところいないが、かといって申し訳なさそうな表情をするわけでもない。
なぜ僕が怒っているのかぐらいは理解していると思うが、特に罪悪感などもなさそうだ。

こういうことで怒る僕は間違っているだろうか。
別にギアを変えられたって直せばいいだけだし、ライトを点けられたからって消せばいいだけだし、ベルを鳴らされたって減るもんじゃないし。
何も壊していないし、盗んでいないし、汚してもいない。
自分の国の常識には反することだけど、かれらは「悪いこと」をしたか?
と、プンプン怒りながらももうひとりの自分が問いかけてくる。



農村はよりいっそうプリミティブさを増し、未開の地へ迷い込んだかのようだ。













坂のない広大な平原地帯なので、自転車の普及度が高く、自転車の流れが絶え間ない。
通常、かれらより僕の方が速いので抜かしてしまうのだが、そうすると若い男の場合は必ずと言っていいほど、全速力で僕を抜き返してくる。
その後スピードを落として、振り返ってチラチラと僕を見る。
そしてまた僕が平常スピードで抜かすと、再び全速力で・・・という果てしなくうっとうしいレースが展開される。

東アフリカでもまったく同様の現象が見られ、特にマラウイではこれが1日に何十回も繰り返された(マラウイの場合はいい年齢したおっさんも参戦する)。











休憩はできるだけ人のいないところでするのだが、座ってほんの数十秒で顔を上げると、やっぱりいる。

微動だにしない。

増える。

なんて目つきの悪いやつらだ。

増える。










トリプル。


なんだか、反応に個人差がないな。
皆、同じ習性。
僕は、気分的には慣れないけど、あしらい方は心得てきた。





めずらしく子供が積極的にからんできた。


写真を撮ったり、ちょっとじゃれてやったりした。
当然、周囲の大人たちは大注目していたが、ふだんは無愛想な女性たちもこのじゃれあいを見て笑ってくれて、とても和んだ。



アフリカや中南米と同様、腹立つことやイラッと来ることが多いのだが、それだけに、そこには世界の面白さがひそんでいる。
今まで出会ったサイクリストたちは、インドのこういった地域の走行は薦めなかったし、僕も他のサイクリストに薦めはしない。
でも、このノンツーリスティックエリア走行の数日間は、カシミールやラダックに負けないぐらい、強烈なインパクトをもらえた。

ネパールとの国境の街。






「インド」が凝縮されたかのような街。




国境目前、最後の最後で大渋滞。






自転車も進めない。


BGMは、言うまでもない。
クラクションが鳴らない静寂なんて1秒たりともありはしない。

あまりケンカをしないインド人だが、この時はあちこちでケンカが起きていた。
接触もあり、リクシャーが車に押されてホイールがひん曲がって動けなくなったりしていた。



今は西暦何年だっけ?

インフラの整備が、とかいう次元ではないな。
生活環境はアフリカや中南米の方がよっぽどマシだ。
これがアジアか。

インドルピー。





Nepalganj, Nepal



2 件のコメント:

  1. ネパール入国おめでとうございます。
    インドはもっと南下しないんですか?
    ネパールは今回のゴール国でしたっけ?

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    1. 現時点では、カトマンドゥから東南アジアに飛ぶか、あるいはインドに再入国してコルカタあたりから東南アジアに飛ぶか、2つの選択肢があります。
      スリランカなんかはちょっと行ってみたい気もするのですが、そのために自転車でインド最南端まで行くのは、排気ガスと辛い食文化で、ただの苦行となりそうです。

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