2012年11月6日火曜日

急性腸炎

GSで野宿していた夜、尋常じゃない腹痛に襲われた。
食あたりや食べすぎの類の痛みではなく、下腹部にのしかかる重い痛み。
初めて経験する痛みではない。
5年前、エクアドルを旅していた時に同じ痛みを経験した。→エクアドルの出来事 : 奇病 前編

急性腸炎。

要は、腸が炎症を起こしており、食べ物がそこを通過する時に激痛が走る。
食後5~6時間後から痛みが始まり、4~5時間後におさまる。
食あたりなどの通常の腹痛は波があり、とりあえず出してしまえば楽になるが、これは通過しきるまで一定の痛みが休みなく継続する。
もちろん眠ることなどできず、のた打ち回り続けるしかない。

朝になって激痛はおさまったが、体が動かない。
立って歩くのはおろか、寝袋をたたむのもままならない。
荷物をまとめながら、二度ほど意識が落ちた。
2時間ぐらいかけてようやく荷物をまとめ、ゾンビのようにフラフラになりながら路上に出て、助けを求めた。

一発で車が止まった。
食品運送の軽トラックだった。
片言のトルコ語とジェスチャーで、すぐに運転手の人は事情を理解してくれた。
60km離れた次の街、カルスまで乗せてもらった。

ありがたい気持ちと、情けない気持ち。

原因は明確にはわからないが、おそらく疲労やストレスだろう。
無理をしたおぼえはないが、こういうことが起きるということは、何らかの不摂生があったということだ。 

ホテルに着き、渾身の力で最低限やるべきことをやった後、ベッドに倒れこんだ。

とりあえず絶食。
もし食べたらまたあの激痛を味わうことになる。
栄養補給はジュースとスープのみ。

実は日本でも、十年以上前に急性腸炎になったことがあり、救急車で運ばれて1週間入院した。
最初の4日ぐらいはやはり絶食で、栄養は点滴のみだった。
5日目ぐらいで点滴が取れると、我慢できずに病院を抜け出して、コンビニでプリンを買ったのをおぼえている。

夜。
何も食べてないのに、また激痛に襲われ、朝までのた打ち回る。

翌日。
衰弱しきって部屋から一歩も外に出ず。

胃腸は食べ物を受け付けないが、脳は食べたがっている。
ジャンボおはぎをたいらげる夢を見た。
日本のグルメ番組の動画を見てしまった。
プロレスラーたちがドカ盛りの店を食べ歩く番組だった。

翌日。
ガリガリに痩せ細った。
ヨーグルトを食べた。

翌日。
だいぶ回復。
食欲が出てきて、米を炊いて食べた。

翌日。
元気出てきて、街を散歩した。
三食まともに食べた。
絶食の反動でたくさん食べようとするのをなんとかこらえる。

滞在しているホテルの目の前に、僕の大好きなバーガーキングがあるのが悩ましい。


ここカルス(標高1700m)は、もうクルド人の街ではなく、トルコ人の街のようだ。
もちろん完全にではなく、ある程度混じっていると思うが、近代的な街並み。

そして今日。
もう大丈夫だろう。
明日には出発する。
この先はまた山で、街も少ないので、心してかかる。


Kars, Turkey


2 件のコメント:

  1. おいおい・・・無理するな・・・

    異国の地で病院へは行かなかったのかい?
    命あっての旅だぞ・・・

    返信削除
    返信
    1. そこまで深刻じゃないよ。
      病院に行ったところで、まともな診断と治療をしてくれそうな予感がしない。

      削除