2012年11月14日水曜日

コーカサスへ

グルジアに入国。
ビザ不要。
パスポートを見せてスタンプをもらうだけ。

ここからしばらく、旧ソ連の領域。

グルジアは、ソ連の崩壊にともなって1991年に独立した。
昔からグルジアとロシアは仲が悪いようだが、特に独立以降は加速度的に険悪になっている。
互いに挑発行為やら経済制裁やらを繰り返しており、2008年の北京オリンピックの最中にグルジアがロシア軍に攻撃をしかけたというニュースが飛び込んできたことも記憶に新しい。

小国グルジアが大国ロシアと戦ってかなうわけがないのだが、グルジアのバックにはアメリカがいる。
アメリカは、ロシアの弱体化を狙ってグルジアの肩を持ち、グルジアに軍を駐留させ、睨みをきかせている。
米ソの対立は終わったわけではない。
ここグルジアを舞台として、新たな冷戦が繰り広げられている。

ロシアとの国境近くには、紛争の最大の火種となっている南オセチアがあり、そのすぐ近くのロシア側にはあのチェチェンがあり、グルジアの山岳地帯にはチェチェン兵が潜伏しているという。
こんな危険なエリアに面したこの国をビザフリーで旅行できてしまうのだから不思議だ。

「グルジア」という国名は、キリスト教の聖人ゲオルギウスのロシア語表記から来ているのだが、ロシアとのあらゆるつながりを断ち切りたいグルジアは、国名を英語表記の「Georgia(ジョージア)」に変更するように日本政府に要請している。

国境を越えると、雰囲気が変わった。
やはり、イスラム教からキリスト教に変わったことが大きい。
宗教が変われば、ライフスタイルも街並みも変わる。

しかし、貧しい。
古びた建物。
デコボコで家畜のフンだらけの道路。
旧ユーゴやブルガリアなどでも見た、旧共産圏に共通する荒んだ感じ。

アハルツィヘ。
























このドンヨリとした曇り空のせいか、どうも陰鬱な雰囲気。

でも、人々は決して陰鬱ではない。
グルジアが親日だという話は聞いたことないが、「どこから来た?」と聞かれて「日本」と答えると、ニッコリ笑って握手してくれる。



コーカサスは、複数の民族が入り乱れている。
ロシアっぽい感じの人もいるが、全体的には黒髪が多く、トルコ寄りというべきか、アジア寄りというべきか、どう形容していいかわからない。
ここはアルメニアとの国境近くなのでアルメニア系が多いらしいが、アルメニア人というのもよくわからない。

英語は通じにくいが、僕と英語で話そうとする意志を持つ人は多い。
つまり、僕に英語で話しかけてくれるのだが、僕が英語で応じると、通じない。

「ロシア語は話せるか?」と聞かれることも多いが、僕のような通りすがりの東洋人旅行者がロシア語を話せるわけなかろう。

ここは地図上では大きく描かれた街だが、店は少ない。
最近できたばかりっぽい、やや大きめのスーパーが1軒あったが、品数はとても少なかった。









グルジア料理にトライ。


これは・・・


小籠包そのものじゃないか!

ここでは「ヒンカリ」と呼ばれる。

味は・・・

ウマイ!
中身も中華そのもので、アツアツのスープたっぷりの挽肉と、パクチーっぽい葉が入っている。
皮もモチモチ。

これはグルジアのオリジナル料理なのかといわれたら、十中八九、中国から来たものだと思うが、ウマイから何でもいい。
特に最近ずっと、トルコ料理への不満から食に対するうっぷんがたまっていたので、感動的!
ローカルフードで心から満足できたのは、フランス以来だ。

5個か10個かどちらか選べ、と言われるので、2回目以降は10個で。

値段は店によって違うが、5個でも10個でもコーヒー込みで5ラリ(238円) だった。

これはよくわからないが、パンに具をはさんで食べる。

これもウマかった。

滞在していたホテルは30ラリ(1432円)。
Wi-Fiなし。
近くにネットカフェあり。




ドライブマナーの悪さやクラクションのやかましさは、トルコと変わりない。

イヌの襲撃も相変わらずだが、グルジア犬はトルコ犬ほどアグレッシブではない。
イヌにも国民性がある。





走行中に立ち寄ったレストランで。


言葉がわからないので適当に頼んだら、ステーキが出てきた。
ジューシーでいい歯ごたえで、ウマかった。
10ラリ(477円)。
パサパサで味気なくて冷めてて高額だったトルコ料理を思えば、こんないいステーキがこの値段で食べられるなら文句ない。

ちなみにコーヒーを頼むと、いつもおばちゃんは置く時にこぼす。
僕がこぼしたわけではない。







女性2人でフランスから4ヶ月かけて自転車で。

インドネシアまで行くらしい。

山を下り、久々に低地へ。
しかし、向かい風。

低地に来ればもっと発展しているのかと思いきや、むしろ山の中よりさびれている。
地図上では大きく描かれている街でも、ホテルがない。

街はずれの路上に突然ホテルが出現したりするので、そういうホテルに泊まる。
レストランも併設されているのだが、営業していないという。
近くに店はまったくないので、従業員に車で街のスーパーまで連れて行ってもらう。
ありがたいが、不便だな。
そのスーパーも、自分で商品を手に取ることはできず、店員に口で伝えたり指さしたりして注文する形式だったりする。
ホテルではやはりネットは使えない。
トルコでは、田舎街の安宿でもだいたいネットが使えた。

トルコのGSにはちょっとした売店があったが、グルジアではGSは給油だけのようだ。
人は住んでいるのに店がなかなか現れない。

グルジアは、欧米に歩み寄ることで近年急速に発展してきている、という話を聞いたが、今のところそういった実感はない。
でもとりあえず、メシがウマイから良し。


Tbilisi, Georgia

23748km


4 件のコメント:

  1. 安くて上手い料理にありつけるのはGoodですね。もうすぐ冬です。お気をつけて。

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    1. メシがうまければ何でも許せる気になっちゃいます。
      アフリカンフードも恋しいです。

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  2. 何か寂しい雰囲気が漂うね。

    食事が美味しいのは、ありがたいね。
    写真を見ると、防寒対策をしっかりしているようだが、寒くは無いのか?
    日本は、秋が深まりそろそろ冬に入る感がある。

    昨日、1ヶ月遅れで年齢追いついたぞ。

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    1. Happy Birthday!
      旅立ってからもう2つも年とったって、信じられんな。

      すごしやすい気候だよ。
      コーカサス山脈がロシアからの寒気をブロックするので、この辺は冬も温暖。
      みんな寒がりなんだろう。
      寒さとの戦いはこれからだ。
      今のうちに防寒対策を考えねば。

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