2012年4月10日火曜日

アヴィニョン

ボンジュール!

EU内での陸路国境越えは初めてであったが、国境には数人の警官が立っているだけで、何もせずにスルーできた。
パスポートを見せろとさえ言われなかった。
国境は、あってないようなものだ。

思えば、アフリカの国境はカオスそのものだった。
地中海を越えただけで、対極の世界。

入国早々野宿。


フロントキャリアが完全に折れた。


前回も、やはりフロントのこの箇所が何度も折れ、その度に溶接屋に行った。
ここがウィークポイントのようだ。
前回はアルミ製の安物だったから折れたのだと思っていたが、16000円の鉄製でもこのザマだ。


 






ミディ運河(世界遺産)。


道路の難易度がいっそう上がった。
非常にわかりにくくてしょっちゅう迷うし、道幅も狭く、その上、車の交通量が多い。
道がわかりにくくて狭くて交通量が多い、といったら日本もまさにそうなのだが、歴史の古い国はどこもそうなのかもしれない。
アメリカ、カナダ、オーストラリア、アフリカはシンプルだった。
しかしこんな道路環境で、よくツール・ド・フランスなんか開催できるな、と思う。

ドライブマナーは良い。

2日目も野宿。


意外にフランスも野宿天国だ。
もちろん、あけっぴろげにではなく、人目につかない死角を探さなければならないが、容易にそういったポイントをみつけられる。

宿泊施設は豊富にある。
小さな街にもキャンプ場があり、大きめの街にはホステルもある。
相場は、キャンプ場が10~20ユーロ、ホステルが15~20ユーロ、ぐらいだろうか。
場合によっては、キャンプ場のほうが高くつく。
今滞在しているキャンプ場は、6ユーロと例外的に安く、思わず連泊してしまっている。

大きな街の間隔は、平均60kmぐらいだろうか。
その間にも、小さな街があったり、所々に大型スーパーがあったりする。

フランスパンがうまい!
さすが本場だけあって、パン屋でも大型スーパーでも大量に置かれていて、フランス人たちは何本もまとめてごっそり買って行く。
回転が速いので、焼きたてをゲットできる確率も高い。
値段はサイズにもよるが、1本1ユーロ前後。

昼飯はいつもフランスパン。


僕は、ヌテラ(チョコレートクリーム)とジャムとピーナッツバターを常時携行しているが、フランスのフランスパンは、何もつけずにそのままかじっても十分イケる。
これでこそ食文化。

スイーツも豊富。
カスタードクリームの塊(1.50ユーロ)。

こういうセンスが、甘狂の心をくすぐる。

モンペリエ。





















凱旋門はパリだけではない。

ニーム。

闘技場はローマだけではない。



デニムという素材は、ここが発祥の地らしい。(de Nimes)



街の中心は、「見せるための街」、「残すべき街」という感じだ。
歴史的建造物と、レストランと、こじゃれた服屋があるばかり。
実用的な店は郊外にあるので、歩いて買い物はできない。

自転車屋やアウトドアショップも、絶対どこかにあるはずなのだが、いっこうにみかけない。

溶接屋もどこにあるのやら。

ポン・デュ・ガール(世界遺産)。


ローマ時代の紀元前19年につくられた水道橋。
2000年以上前のものとは思えないほどの巨大さと保存状態。
水源からニームまで50kmにわたって、水を送っていたらしい。

























フランスは、ヨーロッパでも特に英語が通じないといわれているが、たしかにその通りで、インフォメーションや宿泊施設など以外では、まったくといっていいほど英語は通じない。
インフォメーションや宿泊施設でさえ、僕にフランス語でペラペラ話しかけてくる人もいる。

フランス語は、スペイン語やイタリア語と同じグループなので共通点もあるが、発音が難しい。
一応、出発前に軽く勉強したのだが、全然しゃべれない。
「Au revoir」(さようなら)が、まだうまく言えない。

アヴィニョン旧市街(世界遺産)。


これは法王庁で、ヨーロッパ最大のゴシック宮殿。
14世紀、ローマ法王がアヴィニョンに移住していた時期があり、ローマに代わるカトリックの本拠地として栄えた。


































ローヌ川とアヴィニョン橋。


















なんだかまた文句ばかりになってしまったが、とりあえず、フランスパンとスイーツを食べていればゴキゲンである。
なにかとやりづらいこともあるが、でもやはり、先進国では人と衝突することがない。
言葉や文化が違っても、共通する常識というものがある。
カオスのアフリカや中東では、ことあるごとに「なんだこの野郎」とケンカしていた気がする。


Avignon, Franceにて

Dst. 14551km


6 件のコメント:

  1. パリ・ミュゼットってな感じの動画ありがとう。素敵です。
    東京は先日桜が綺麗に咲いていた。街中に音がある。
    アコーディオンの音、風の音、人の歩く音、それは音楽で、
    電気に頼らない音。船の音が僕は好きだとある人がいっていた。音楽にのって違う場所に運んでくれるのだと。亮くんの自転車もそうなんだろうな。いつもどうも有難う。

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    1. こちらこそ、見てくれてありがとう。
      やっぱり音楽は大切なものだな。
      街の音だったり、自然の音だったり、頭の中でもいつも音楽が流れていて、音楽がなければ旅もない。
      何歳になっても、若い頃に劣らず音楽に夢中になれるというのは、うれしいことだ。
      パリ・ミュゼットって何?

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  2. カスタードの塊は・・・食べたら胸焼けしそうだな・・・・

    フランス人は、プライドが高いのか英語を絶対に使おうとしない。
    以前、旅行でフランス人に英語で話しかけたら、「Not English.Iam French!」って・・・・
    怒らんでもいいのにねぇ~

    フランスは、パリしか行った事がないのだがアヴィニヨン良いね。
    雰囲気的にこちらが好みだ。

    自転車はキャリアの故障以外問題はないか?

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    1. フランス人は英語を話せるくせにフランス語しか話さない、という話は何度も聞いたことがあるが、それとは違う感触だ。
      頼んでもいないのに道を教えてくれる親切な人も100%フランス語で、「フランス語わからないよ」と言うと困った顔をする。
      英語を話せる人も、ペラペラではなく、ちょっとたどたどしい感じ。
      都市と地方ではまた違うのかもしれないが、こちら南仏は地理的にもイギリスとは離れているし、ローマ寄りの地中海世界だから、英語を話す必要性がないんだろうね。
      ということは、パリの人が英語で話しかけられて怒るというのは、地理的にイギリスに近いだけに、イギリスと同一視されることに抵抗を感じる作用が働くからなのかな。
      今まで出会った日本人旅行者と話をしても、「ムズング」(白人)や「グリンゴ」(アメリカ人)と呼ばれるのはまだ許せるが、「チャイナ」「チノ」「チナ」「ニーハオ」と言われるのだけは許せねえ、って人が多かった。
      中国を嫌っているわけじゃないが、混同されるのは嫌なもんだね。

      自転車は好調。
      でもまだ溶接してない。

      胸焼け?
      そういう感覚は経験したことないな。
      むしろこの中で泳ぎたい、と思った。

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  3. フランス代表の超人いた?もうフランスなんだね。毎回メールするんでけど送れてるのか?啓

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    1. 啓君?
      メール?
      来てないよ。
      こちらから啓君にメールしたこともあったけど、送信できなかった。
      アドレス変えた?
      フランス代表の超人って・・・何の代表よ?
      あと、野生の馬はどこにもいないよ。

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