2010年2月17日水曜日

多様なる音世界

どの言語にも、日本語には存在しない発音がある。

イタリア語の「gli」は、「i」と発音するつもりで「li」と発音するように、と参考書には書かれている。
CDで聞いてみると、瞬間的に「グリッ」と言っているように聞こえる。難しい。

フランス語の「r」は英語とは違う。うがいをするようにのどの奥を鳴らす、そうだ。
CDで聞いてみると、ハ行に近い。「Paris」は「パヒ」に聞こえる。
Au revoir」(さようなら)は「オ・ルヴォアール」とカタカナ読みしても、おそらく通じないだろう。

スペイン語の「yo」(私)は、「ヨ」と発音してもいいし、「ジョ」と発音してもいい。
「ヨ」と「ジョ」では全然違うので、どちらかに決めてほしいものだ。

アラビア語の「خ」は「カ」と「ハ」の間の音だそうだ。

母音も多様だ。半母音とか鼻母音とか。
日本人は明確な5つの母音しか知らないので、曖昧な母音は苦手だ。
かれらにとっては曖昧ではないのかもしれないが。

日本語がペラペラの韓国人から興味深い話を聞いた。
日本語の「しんぶんし」は、最初の「ん」と次の「ん」の発音は同じではないというのだ。一方が「n」でもう一方が「m」なのだそうだ。韓国人はその違い区別しているし、日本人も無意識に使い分けているらしい。
考えてもみなかったことだ。
日本では駅名や地名がローマ字で表記されているが、「m」のはずなのに「n」と書かれていると違和感があるらしい。
そういえば、英語の「ハンバーガー」とか「コンピューター」も、「n」ではなく「m」のはずだが、日本人にはこの識別は不可能に近いと思う。

これだけ多様な音世界があるのだから、「ローマ字読みは世界共通」という考えは大きな間違いだ。
以前ブログに書いたことがあったが、僕の名前「リョウ」をまともに発音できる欧米人はほとんどいない。
ローマ字で「Ryo」と書いてみせるとよけい混乱される。

赤ん坊は、世界中の言語に対応できるほど多様な声を発している、と聞いたことがある。
成長してひとつの言語を習得すると、多様な可能性は忘れられてしまう。
どんなことにもいえることかもしれない。



2 件のコメント:

  1. ryuも発音できる欧米人はいない。
    北京語は同じ音で異なる意味を表す言葉が多々あるらしい・・・
    世界は広いね・・・

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  2. そういえばryuもそうだね。
    英語のrは思いっ切り舌をのけぞらせるど、日本語のラ行、リャ行は違う。lに近いと思う。
    欧米の言語は、文字がアルファベットだからまだましだね。
    中国語もなんとか読めるのかな。

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